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第27話-3 第1の洞窟~巨木の森

▼登場人物

ナシ(な :異界もん

竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。成り行き上エリラの体に入っている状態。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。


エリラ(え :魔導師 

17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。ナシとともに1つの体を作る。あでやかなピンクのゴージャスヘアはナシのデザイン。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる。前向きでキュートな元気娘。異能は創造。


ハチ(は :妖精族

竜の中で再生していた生存者1号。明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛。わりと天然。素直でまっすぐ。格闘技にたけ、異能は力持ち。


ミノ(み :鬼娘 

第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいいプチグラマー。おっぱいが自慢。寡黙気味。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。


レンダ(れ :獣人 

第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢。身体能力は高く、通常は2刀流。不死だってー。


ルルア(る :ゴーレム

4人目。落ち着いた口調、常に冷静。Hをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。転移や治癒などの能力を持つが、その動力源はぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。


メイ(め :驚くほど普通の子女。

5番目に発掘された。赤銅色の肌に黒髪、均整のとれたプロポーション。感覚は鋭いが臆病。芯は強く、常識人で堅いくらいのまじめなひと。索敵能力を持つ。異能は物理・魔法攻撃無効の(はずの)万能繭。


リム(り :ぬえ

どちらかというと変異種で、いわば歩く「ぬえの擬人化キャラ」(笑)

明るく陽気、元気で素直。物事やヒトの本質を見抜く力に長けている。しっぽの蛇と仲がよく、本人は雷を落としたり凍結魔法つかったりするうえに雲に乗って空を飛ぶ。羅列すると万能の最高戦力のひとりだねー。


キラ(き 魔人

魔族とは違うが強大な魔力を誇る。スタイル抜群でセンスもいい超スタイリッシュなかっこいい系おねーさん。勝ち気で物知り、思ったことは何でも言うし思ったように動く自由人。

異能は収束。摩擦係数自由自在という能力をまとっているので防御も完璧。空も飛ぶよー


▼巨木の森


通常、洞窟の出口、つまりドームエリアは洞窟内より明るい。

それゆえ、レンダでなくてもわりと、出口は丸いイメージでとらえやすいのが常だ。

しかし、そこはレンダに言われてもわからないくらい暗いイメージだった。


 暗いくらいイメージ(み

   うーん そうね(笑)(れ

  メイー、いじょーなーい?(え

 洞窟の中にかぶりつきはいないわ。外も大丈夫みたい(め

   …えっとー……何?(え

 え? かぶりつ…は! か、かぶりつきなし。外もかぶりついてないわ(め

     だめだな(み

  キラあ、れーの赤い実って、なんか変なものはいってない?(え

    さーー? 全種族試したわけじゃないしー、メイは世にも稀な繭使いだからねー(き

   考えてみたら、俺たちのほかで唯一ふつーのヒト族だな(な

 あたし達のどこがふつーなのよ。ルルアみたいなもんじゃない。無理矢理合成したんだから(え

    失礼です。それ(る


  ハチー! げんきー?(え 

    げんきだよー!(は

  リムー(え

    はーい! はやくいこー! メイー、外出てへーきだねー?(り

      かぶりつきよー(め

          やばいんじゃない?(え             

    まー、たいしたことないでしょー。だいじょーぶだよー(き

      面白い(み


洞窟から出てみると、そこには大木ばかりの森だった。どれもこれも、ひとつが直径3mから5mもありそうな巨木。それが、みな15mくらいの高さで天井までそびえている。

   ねー、このカベの色って…(は

 穴からでたところの岩肌、地面の色は、一番最初の胃のあたりと同じ赤黒いカベだった。被害者がいる竜肉の赤黒さとは違うが、もし混じっていたら見分けるのは困難だろう。

 こんなんだろ?(み

   困難だってば(え

     こんなん困難っていわないわよ(れ

   きょ、きょーはわりとみんなこんなんだねー(は


 ! 空気が変わった? なんかこのフロア中から違和感(れ

    森中かぶりつきよ! みんな、気をつけて(え 

繭はメイでかぶりつきしてじゃない、メイはかぶりつきでまゆ、じゃなくてー(え

  えりら、落ち着きなさい。くっくっく メイ、防御を。ルルアも(れ

    ええ(め

 とりあえず私がメイを守ります。危ないときはメイと二重防御をはります(る

     でも、森中がかぶりつきって…(え

       森中がルルアってことか(な

           失礼です(る

    あんたたちー、それわざとやってんのー?(き

 

   足もと! かぶりつき!(め

    へ?(は

   

 地下茎、というより大木の根が低く走ってきていた。くるっと細い足首を巻くと、ハチが逆さにつり上げられる。

「あれーー?」(は

即、ミノの指弾が炸裂し、同時に地を這うようにやってくる根っこを端から吹き飛ばしていく。

「このー!」(は 

  一回転して着地すると同時に、青いオーラをまとったハチが突進した。大木に次々大穴があいていく。そうそう倒れない太さなのがすごいが、木のトンネルの行列は、これはこれで目新しい光景だ。


 メイ、洞窟から5mくらいのところに繭のカベを。万一後ろから攻撃を受けるとまずいです(る

   わかったわ かぶりつき対策ね(め

 

レンダも2本の刀を構えると、大きく振りかぶってハチと逆側の大木に切りつける。一撃で5mくらいの巨木の下部がくさび型に吹き飛び、バキバキ音を立てて倒れてゆくが、回りの大木に寄りかかって倒壊とまではいかない。

  ハチ、戻って!(れ

    はーい(は      


「ふん。もー。めんどくさいなー」(き

  キラもさすがに魔人ということだけあって、触手が襲ってきても軽々といなしている。ほとんどよけるし、巻きつかれてもするっと外れるのは見ていて不思議だ。ただ、ホントに戦闘はめんどうなようで、こうやってみるとハチやレンダが好戦的なのがよくわかる。

  別に好戦的じゃないわよ エクササイズっていったでしょ(れ 

    たのしいだけー(は

   それを好戦的というんだ(み


「どーん!」(り

「指弾裂」(み

「炎弾」(え

  リムの稲妻、ミノのスクリュー炸裂指弾、エリラの高熱弾が四方に放たれる。その波状攻撃で、太い幹が崩壊しては、巨木は次々に倒れていった。

  洞窟の出口を中心に、およそ半径30mくらいが開けたが、その分巨木が折り重なり、大きな切り株も残っている。

    どーしよー。焼いちゃう?(え

    お腹の中が火事っていうのもねえ(れ


「ひゃー、みんなすごいねー! おつかれー。でも、こりゃー、消滅させちゃう方がいーねー」(き

「消滅? ルルアに他のところにとばしてもらう?」(え

    無理です。大きすぎます(る

「だよねー」(え

「ねーメイ、これ全部かぶりつきー?」(き

   ええ、全部そうね (め

      まだかぶりつきだね(え

        かぶりついたままだ(み


うーん。ここ光少ないんだよねー でもエリラの火を借りればなんとかなるかな(き

       どうする気?(れ

  ナシくんだよー。ちょっとやってみますかー。 どーすんのがいーかなー(き

     伸びをしながら歩いてくる

  メイー、ヒモ出してくれる? 2mくらいの(き

   ええ(め

  エリラ、後ろ向いて(き

   こー?(え

 これで、腰のところ、あたしとエリラ2人まとめて離れないように縛って(き

   ナシを使うなら、エリラをミニマムにしたほうが楽(み

  だけど、そーするとエリラの出す炎、ちっちゃくなるでしょ?(き

    そりゃ、規模からいえばどうしても…(え

 なるべくおっきい火の玉を作って欲しいんだ。太陽のかわりにする(き

    はあー?(え

 その光量と熱を光に圧縮して、あいつら一気に焼き払う(き

   そんなことできるのー?(え

     エリラの力量次第じゃない? と、ナシくんかー(き          

    ねー、火だけじゃなきゃ使えない?(え

      そ、そんなことはないと思うけど…あ、リム?(き

 そー。りむー、ドーンの前のばちばちーって状態でいられる?(え

    できるよー(り

  ばちばちもらっていい?(え

     いーよー(り  

   だって(え

なるほど~ ナイスだね。じゃー、合図したらリムもバチバチお願いだよー(き

   まっかせてー!(り

     エリラの左側に立つと、腕に尻尾を巻きつける。

 ぱくちゃんもいっしょ。いいよねー(り

   なるほどー、よく気がつくねーって、パクちゃんこんなに近くで見るのあたし…意外と可愛いね(え

  でしょー♡(え


洞窟を背に、開けた場所に向かって立つ3人。キラが森に向かい、エリラは洞窟を向く感じだ。等身大のままのエリラ、それに、キラは両腕を自由にしておきたいわけか。

     エリラ、こっち側に出せる? 火球(き

   いけると思う。リムも、触手を…(え

      あっちにのばせばいーんだよねー。わかってる(り

 ミノ、ハチ、あたし達は援護。ハチはその場を動かないで遠距離拳のみ(れ

   まかせて!(は

    了解。巻き込まれないように、キラ、合図を(み

 オッケー! じゃーみんないくよー! エリラ、始めて! ナシくん、よろしく!(き

   ああ。3人前って...てか、3人分か。初めてだな



 キラの前方上空に巨大な火の玉ができる。そのまわりで、リムの8本のにょろにょろがバチバチとしろい火花を飛ばし始めた。炎の色が赤から黄色、そして白っぽくなる。

「イイ感じだねー」(き

人差し指を立てた手をすっと上に挙げると、そのまま右方向に向けるキラ。指先に白い光が集まってくる。こーゆーのって映像のエフェクトだけだと思っていたんだが実際にあるんだ。何で後ろを向いているのにわかるか? 他に解説するヤツがいないからだ。

 あたしが首ひねってキラが何するか見てるんだよー(え 

   ナシ、お尻のあたりにキラのお尻がくっついている感触はどうですか?(る

  ルルアー、一緒に焼いちゃうよー(き

     焼かれちゃうよー(え(り

       

倒れた大木や、残りの巨木から触手っぽく枝が襲ってくるのを、ミノの指弾やレンダ、ハチの遠距離ワザが弾き砕いていく。こっちは3人に意識集中してんだ。エリラは慣れているとしても、触れている、接触しているキャラも同等に認識するのは結構大変だ。なんなら、親指と人差し指と中指の指先を合わせて、それぞれの指先の接触面を同時にそれぞれ意識してみるといい。こいつあ、ESPの基礎訓練の集中力鍛錬とか、シャレでメジテーションのイマジネーショントレーニングのまねごとをやってたのが役に立つ。が.....まさかこんな局面がくるとは。うーんキラもリムもいい香りがする。同人誌即売会のヘタなブースに行くとなんともいえねー化粧臭さがものすごくって、けっこーきつかったものだが。そか、この状態で全員をしっかり認識するのは、それぞれの香りにコンセントレーションするのもありか...

  男は男で臭いよー 酒場とかー(き

     ごめんなさい(な

    くすくす 素直でいーわね(れ

 わたしなら2人でも3人でも同時に…(る

   キラ、アレ、焼け(な

     命令すんな! それに気が散る。黙ってて!(き

   ルルアはあとでお仕置きね(れ

     かぶりつきね(め

        なんか緊張感がないなー^^(は  


 いっくよーーー! みんな下がって!(き

   

ばっとミノが後ろに下がったところに、白い光の太い帯が伸びる。当たった大木が、一瞬で消し炭になった。そのまま、円を描くように白い光が巨木の森を焼き払っていく。まさに極太のビームだ。奥の壁は竜の肉壁に相当すると思うが、ぎりぎりそこにビームがぶっ込まないように加減しているようだ。こーゆーの、機械的な兵器だったらコントロールは無理なんじゃないかな。

右手側から左まで、扇状に光の帯がなぎ払うと、巨木の森は一変してさながら焼き払われたような光景が広がっていた。なんとなく、申し訳ないような感じもするが、自然の樹木じゃないと思えばまあいいか。

  リポップするよー。きっと(り

   コアな単語、よく使いこなすな(な



・・・・・・・・・・・・・・・

「おっけー! おわったよー」(き

  キラの声にふーっと息をつくのが聞こえた。

上空の炎がだんだん小さくなって消え、放電もおさまっていくのと同時に、エリラの腕からヘビが巻き放れていった。

 

「つっかれたーーー!」(え    

   すっとキラが紐をほどくと、エリラはずるずると座り込んでしまった

「おつかれさまー! ふたりともありがとー! うまくいったねー」(き

   さっそうと、さりげなくキメポーズで立っているキラ。

      

 かっこいーねー。キラ(え

   こーゆーのスタイリッシュ、ってんだな。エリラお疲れ。リムも(な

      あーい ナシもねー(り

  あたしにはー?(き

    わり、キラ、すげーな。ありがと。しかしマジ、かっけーなあんた(な

      ししー とーぜん♡ ま、増幅さまさまだけどねー(き


「レンダー、ハチー、ミノもおつかれー 助かったよー」(え

   おつかれさまー(れ

     おつかれー すごいねー キラちゃん

  すごいな(み    


「みなさん、お疲れさまでした。たまには少しヒールを…」(る

    と、エリラの脇にしゃがんで、エリラに触れるルルア

  思えば、キズではなく、こんな疲労の回復にヒールを使うのは初めてかもしれません。正直、忘れていました。すみません(る

  それぞれをルルアの香りが包む。緊張がほぐれ、満たされてくる感じがする。

      

「へー、いーじゃん ルルア、すごいねあんた」(き

「いえ、ありがとうございます」(る

「そーいえばすっかり忘れてたねー。ありがとルルア! 元気でたよー」(え

 「ほんとう…」(れ

「あそこ、次の入り口ね」(め

  こちらから見て、左前方の、カドっぽいあたりに洞窟に入り口が見えた。


「ハチー、ルルアおんぶして、あの入り口までひとっ走りしてくれる? ここ、もしあいつらが再生したらまた大変だから」(え

   跳ぶ準備か(み

「うん。そーだね。ルルアー、いこっか」(は

「はい。…おんぶ…ですか。…お姫様抱っこでは…」(る

「転んだときにあぶないよ~ 今度ねー」(は

「あ、わかりました…」(る

「私も行こう。ハチだけだと、先に行き過ぎかねない」(み

「くすくす そうね。ミノ、一緒に行ってあげて」(れ

 

「ハチの背中…意外と小さいのですね。髪の毛、ちょっといいですか? キレイな首筋… ふ」(る

「ひゃあああ! こらー! 投げちゃうよー!」(は

「すみません。もうしません」(る

   落としちゃうよー、じゃないんだ(え

     ハチなら、あの体制からひとゆすりで吹っ飛ばせる(み

    投げられたことあるのね...(れ

        ほとんど発勁だな(な



・・・・・・・・・・・・・・・・

  こら、ハチ、だめだ(み

     でも、あそこにもう次の出口が見えるー(は

   あとのお楽しみだ(み

      ちぇー。でも、そーだね。みんなできたほーが楽しーもんね(は


  だ、そーよ(れ

   くすくす。ほんと、ピクニックよね(め


・・・・・・・・・・・・・・・・

「ただいまー♡」(は

「帰りました。ハチ、ありがとう」(る

「あれ? ミノは?」(み

   動いていない。次まで行っておくのもありかもしれない。どうする?(み

    相変わらず冷静ね(れ

「じゃあ、次の出口までいっちゃおうか。ルルアに回復して貰ったから、結構元気だし」(え

「ま、いーんじゃない?」(き

        

 一面赤黒いカベ。アレだけ焼き払って何だが、一応壁沿いも見てみるか?(な

  そだね 今のところ再生はないみたいだし。メイ、かぶりつきはどお?(え

    ええ、大丈夫みたいよ …ねえ、それやめましょーよ///(め      

       気にするな。かぶりつき(み

     正気に戻ったみたいですね。うふ(る

 はいはい、じゃー、ミノのチームにはあたしが入って左から行くわ(き

   じゃあ、あたしたちは右から(れ  

 


実際、もし竜肉であれば、たぶんあのレーザーでも刃は立たないだろう。幸い、そんな痕跡もないままぐるーっと一回りして、俺たちはミノと合流すると、そのまま次の洞窟に入った。

連絡にあったように、入り口から500mくらい先に出口が明るく見える。この大木のエリアとは違うようだ。レンダの見立てでも通路にトラップはなく、メイが見てもかぶりつきはいないようなので、そのまま進んだ。

   かぶりつきはもうやめてってば。恥ずかしいったら///(め

     くすくす(れ

       あーあー、一生いわれるパターンだねこりゃ(き


ほどなく到着した次のエリアは、目の前が渓流だった。


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