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第5話-2 おうちを作ろう

「さてー、ひとやすみーッて気もするけどー、もひとつやんなきゃってゆーか、

 やっときたいことがあるんだよねー」(え

   家か(な

「まねー。やっぱ、もちょっと落ち着く方がいいんじゃないかなって」(え

   だな。いくら、いろいろカモフラージュの魔法をかけてあるっていっても、

   少し無防備だと思う(な

「か、な、り、…だったかも。我ながらたいしたもんだよねーあっはっは。考えてみたら

 ひとりしかいないんだから-、がぶってやられたらそれでおしまいじゃーん」(え

   ………(汗)(な

「ま、目玉の時はすみっこの方とかに隠れてたし、…蛇とか蜘蛛とかみたいのが…いなくてよかったあ」(え


   ふるえている…という感じが伝わってくる


   今さらかい(な

    うん(え

   無理もない…(な


「おまえ…エリラさん」(な

「なにー? めずらしいじゃん 外からしゃべるの」(え

「あ、出てくるか、じゃあ俺入るわ」(な

「べつにいーのに」(え

  いや、このほうが楽な気がするんで。ここで、テントとか家って発想は…(な

「ほしーのは山々だけどねー。ここで暮らすってわけでもないじゃん」(え

  動くか(な

「うん やっぱり、外にでることを考えると、もう少しこの中探索しないと」(え

  そーだよな しかし、それにしても仮の拠点、考える余地はあると思う(な

「そだねー。それにしてもこの地面にしても、カベにしても

 …竜のお腹ン中ってわかってても、不思議だよ。なんだろーね、これ」(え

  

    赤黒い、肉のような感じはある。なのになんか、岩肌っぽい感じもある。


「すごく、なんてーか、肉なのに鉱物っぽいんだよなー」(え

  こういうのが好みなんだ(な

「なにそれ?」(え

  好物っぽい(な

「そっちじゃない! アホかキミは-! みりゃわかるだろー。…知ってていってるねー。ま、きんちょーをほぐそうとするキミの心遣いはよくわかった。だ、がー、時と場合を考えろー!」(え

   すみませんでした〜(な

「わかればいい。話が進まないじゃないか。ま、時間はたっぷりあるけどねー。とにかく! この内部の様子の雰囲気てさー、岩石系の竜じゃないかって気がするんだよねー。外見はぜんぜん違ったけど」(え

   岩石竜…そんなのもいるんだ(な

「さー」(え

   はい?(な

「いや、もし全身が岩石でできてる竜がいたら、中もこんな感じじゃないかなーって」(え

   鉱物系の生命体か(な

「よくわかんないけど、そーゆー系としか思えないんだよねー」(え


  血管っぽいのものが走る赤っぽいカベ、地面、天井。鍾乳石っぽい形のものが下がってるところもある。岩のダンジョンというより、ナマのダンジョンという感じか


 ナマって何(え

   雰囲気が…(な

 なるほど…… 確かにね!(え


鉱生物なんてコトバは聞いたことないが、この場合、なんかそれがしっくりする気がした。 



俺たちがいるのは、胃からだいたい徒歩10分くらいのところにある、通路…と呼んでいいかどうかわからないが10m四方くらいの空間だ。もっと近い所にいればいいのだが、エリラの話では胃の近くはわりとアレがうろつく感じだから、少し離れたところにいるようにしていたそうだ。


  このカベとか床をベースに、箱みたいな家、つくれないか?(な

「無理。それに、箱なんて可愛くない」(え

  たしかに…ダンボールで寝るのは… 俺はともかく、女のコだしな…

「お、気を使ってるー? いーヤツだね、キミ」(え)


  素材があれば、なんとかなるか?(な

「あればねー」(え

    このへんには、石ころ1つ落ちていない。


  …食材を元にできないか?(な

「はあ?」(え


  こっちにもリンゴっぽい木があるようで、実のついたのを木ごと食ったのか、

  食いちぎったり引っこ抜いたように見える木がいくつかあった。


  こーゆー感じ(イメージを作る)(な

    木のうろ。ついでにフクロウとかリスとか女のコがいるイメージ


「おもしろーい! でも、それせまいー」(え

  じゃあ(な


  リンゴをベースに、中をくりぬいた感じの……なんかのおもちゃで見たやつだが…


「あー! それいー! それにけってー!」(え

  できるのか?(な

「たぶん。キミの増幅があればできるよーな気がする! いくよー!」(え

  え、もう? 素材は?(な

「あ、忘れてた。取りに行こう」(え

  昨日の食い残しがあるが…(な

「えー… あ、これかー。まあまだ新鮮だからいっかー。よっしゃ、いくよー!」(え

 

   ちっちゃい玩具サイズのそれが現れる。


「アホかキミはー! こんなちーちゃくてどーやってねるんだー? もっとおーきーの!」(え

  あはは(な

「あははじゃなーい(笑) 

 もいちどいくから、2人寝られるくらいのおーきーのイメージしてくれるー?」(え   

    失敗なりにも、ビジョンが見えたせいか嬉しそうだ。


「でもーやっぱ等身大くらいが限界かなーキミがいても。でさー、考えてみたらあたし達1人じゃん」(え

  だな(な

「天井低くていい?」(え

  ああ(な

「せまくてもいー?」(え

   あー(な

「だったらいけるかも! まあ、それでもちょっとしんどいかもしれないけどー…」(え

  …あんまり可愛くならないかもしれないな(な

「それはイヤ! でもしょーがないか よし、やってみよう!」(え

    明るくて前向き 見習いたいもんだな

「いーよー どんどん見習って!」(え

  そおいうのは前のめりっつって、普通は引くぞ(な

「あれ?そーかなー …にしし」(え


   広場の真ん中ってのもなんか気が引ける気がする。気持ちカベに寄せて…


「けっこ気ーつかうねー てか細かいってゆーか、こんなとこ誰も来ないよー。

 それに、ど真ん中にあるほうが、もし変なのが来ても反対側から逃げられるじゃん」(え

  それもそうか。両側から挟み撃ちにされたらどーすんだよ(な

「うるさいなー! そん時はその時! 何も豪邸たてよーってんじゃないしともかくやろ!」(え

  

   素材を光が包み、それが少しずつ大きく、形をなしていく。


「できたー かわいー! なんかこんなところに似合わないけど、これはいーよー」(え


背丈よりちょっと低いくらいだ。リンゴ型で、中はくりぬかれている感じで、素材は…植物質か? リンゴの皮よりはちょっと丈夫で厚みもある、球形っぽいカプセルみたいなものができた。たいしたもんだ。


「ちょっと狭いかー。でも、横になるのはちょうどいいな~!」(え


安心したのか、力を使いすぎたのか、中に入るとへたへたと座り込んで、そのまま寝てしまった…ってコレはイメージだが..。意識の中で、まるで彼女の寝息が聞こえるような気がする。


あらためて見回してみる。ドアがない…が、まいいか。ともかく俺はそこに横になった。

やっぱり、「個室」的な空間というのは落ち着く。今日もなんかいろいろ… うとうとするまもなく、俺も眠りに落ちた


 いて!(な


  …なんか蹴られたような気がして目がさめる。

   精神状態でも寝相が悪いようだ


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