第26話 15日目-1 キラ
▼登場人物
ナシ（な ：異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。成り行き上エリラの体に入っている状態。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとＨな絵師もどき。
エリラ（え ：魔導師
17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。ナシとともに1つの体を作る。あでやかなピンクのゴージャスヘアはナシのデザイン。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる。前向きでキュートな元気娘。異能は創造。
ハチ（は ：妖精族
竜の中で再生していた生存者1号。明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛。わりと天然。素直でまっすぐ。格闘技にたけ、異能は力持ち。
ミノ（み ：鬼娘
第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいいプチグラマー。おっぱいが自慢。寡黙気味。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。
レンダ（れ ：獣人
第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢。身体能力は高く、通常は2刀流。不死だってー。
ルルア（る ：ゴーレム
4人目。落ち着いた口調、常に冷静。Ｈをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。転移や治癒などの能力を持つが、その動力源はぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。
メイ（め ：驚くほど普通の子女。
5番目に発掘された。赤銅色の肌に黒髪、均整のとれたプロポーション。感覚は鋭いが臆病。芯は強く、常識人で堅いくらいのまじめなひと。索敵能力を持つ。異能は物理・魔法攻撃無効の（はずの）万能繭。
リム（り ：ぬえ
どちらかというと変異種で、いわば歩く「ぬえの擬人化キャラ」（笑）
明るく陽気、元気で素直。物事やヒトの本質を見抜く力に長けている。しっぽの蛇と仲がよく、本人は雷を落としたり凍結魔法つかったりするうえに雲に乗って空を飛ぶ。羅列すると万能の最高戦力のひとりだねー。
キラ（き 魔人
気が強くって美人で口数が多いが、さっぱりしていて小気味いい。
けっこー頭が切れる。
15日目だ。ミノだ。夜が明けた。いい朝だ。昼かもしれない。
昨日やってきた。この藍のエリア。地面やカベや岩肌は藍と黒が混ざったような色合いだ。
来る早々ここの魔物と一戦交えた。池が魔物の呼び出しベルになっていたようだが、リムが落雷を連発して今はただの穴になっているわ。それにしても、普通の森に池に山。ナシの仮説では、竜は鋼生物ではないかというが、腹の中にこれはしゃれにならない。
エリラとメイの合体範囲攻撃魔法のあおりで、生存者が見つかった。山の斜面から上半身だけ生えていた。魔人だ。身動きがとれない癖にやたらとしゃべるうるさいヤツだったが、ただのひねくれた、ただ気が強い、ただ美人なだけというコウモリもどきだ。名をキラという。
こいつもいわゆる「男好きのする体」というヤツだ。魔人と闘ったことはない。どれほどのものか楽しみ。
「おはよー♡ ねむれたー？」（は
「おはよう。いい朝ね」（れ
「エリラもキラもリムもまだ寝てるわ。りむちゃん、雲なんて出して生き生きしてたけど結構負担が大きかったんじゃないかしら」（め
「おはようございます。ナシの増幅ナシにアレは、異常だと思いました。ウフ」（る
「そういえば、今までは発掘したら敵がでてきてたけど、今回は出なかったわね」（れ
「先に一掃したからだろう」（み
「そうね。今のところ…うん、なにも異常はないわ」（め
「じゃあハチ、壁に沿って走ってこないか？」（み
「えー？ 木が邪魔だよー？」（は
「邪魔か？ なぎ倒せばいい」（み
「そっかー。でもそれじゃ木がかわいそーだよー」（は
「じゃあ、障害物競走だ。よけながら走る」（み
「あ、それだったらいー！ じゃー、ちょっといってくるねー」（は
「あ…」（れ
「あっとゆーまね」（め
「まあ、今のところおかしな気配はないし。大丈夫じゃない？」（れ
「ふあー よくねたー みんなーおはよーー！」（え
「おはよー」（り
「あ、2人ともおはよー」（れ
「あれ？ ハチとミノは？」（え
「てーさつ（クス） 内周のカベ見てくる見たいよ」（め
「そっか、みんな早いねー それよりさー、起きたらキラが逆さにとまってるからびっくりしたよー」（え
「どーやってつかまってるんだろーねー？」（り
「え？ 逆さで寝てるの？」（れ
「うん」（え
ほー、それはおもしろい（み
へー、見たいなー（は
「見世物じゃないわよ。おはよー」（き
あくびしながらキラも起きてきた。相変わらず、それだけで場の空気が華やぐ
みのー、いまどのへん～？（え
山の麓から第4コーナーをまわった
けっこー洞窟の穴があったよー あとで話すねー（は
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ただいまー♡」（は
「戻った」（み
ハチは黄色のあでやかな髪こそ少し乱れてはいるものの、息一つ乱していない。
体力はともかく、ぱっと現れたときのハチの華やかさとなごむ感じは独特だ。
ミノなんかはずっとそこにいたような顔をしている。この、可愛いのにいぶし銀のような存在感はまたミノならではだと思う。
いろいろ気を使って大変ね（れ
ふわー、あんた いちいちそんなことやってんのー すごいねー、ってゆーかホントばかだねー （き
バカです。とてもいいばかだと思います。うふ（る
「キラ－、きのーはごめんねー！ まだシーツのままだった－！」（え
「別にいーけど。けっこーこれ、いい生地だね。…一応きくけど、こいつらの服、全部あんた？」（き
「そーだよ♡ キラもなんでもいってー！」（え
「ふーん こりゃ…たいしたもんねー。素材も形もデザインも…。デザインもあんた？」（き
「うーん…基本はみんなのリクエストとー、ナシくんとそーだんしながらって感じかなー」（え
「ナシくんねー...。へたれで変態でどーしよーもないと思うんだけど、ほんっと、けっこーたよりにしてんだー」（き
「今にわかるわよ」（れ
「ふうーん …」（き
「その前にちょっといい？ ハチ、ミノ、洞窟の入り口があったって？」（え
「うん。全部で5コ！ だっけ」（は
「ああ。上のヤツを入れれば6コだ」（み
「場所は…あ、ナシ、メモ！」（え
「ああ」（な
オッドアイになって、日記帳を取り出す ざっと現在位置と、全体の形、池、山を描きこむ。
どのへんだ？（な
えっとー、ここと、ここと…（は
ここ、それからここ、それから（み
あ、ここだね（は
みんなでのぞき込む
「なるほどー。ありがとーふたりとも。じゃあ、こりゃハシから順繰りにだねー」（え
「それしかないと思う」（み
「けっこー、深そうな感じだったよー」（は
「あんたたち、そーやってここまで洞窟全部見てきたの？」（き
「そだよー」（え
「あんまり数は多くなかったし、分岐もほとんどなかった」（な
「けっこー楽だったかもねー」（え
「楽だったか？」（な
「楽じゃなかった？」（え
「楽だったか..」（な
「どっちよ」（え
ねえ、この2人いつもこんな感じなの？ （き
ああ、新しい人が増えたら一度はやって見せないといられないみたいなの（れ
儀式芸（み
石、投げます？（め
あ、投げていーの？ ってアレ知ってるんだー あの旅芸人の（き
意外とみんな知ってるんだ（は
竜なみの知名度だな（な
案外竜の正体だったりして（え
だとしたら面白いですね。うふ（る
あの芸人さん、石当たっても平気なんだよねー。びっくりしたー（り
一瞬…竜のウロコってのが頭をよぎった（な
あたしも（え
ここからでたら、会ってみたいわね（れ
そうね…。気になるわ（め
「何納得してるか知らないけどさー、朝ご飯にするとか服作るとかー早くしてよー」（き
「あ、ごめーん！ どっちが先がいい？」（え
「このかっこーも悪くないから、先ず食事だねー」（き
「じゃそーしよー！」（え
・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼朝ご飯
「それにしてもよくもこんなにたくさん…一体どっから？」（き
「ポーチ」（み
「そ、それはわかってるよ、てゆーかそのポーチも変だよ！ 何でそんなちっさいのにこんなに入るわけー？」（き
「まあ、エリラとナシくんの合作よ」（れ
「竜の胃袋からとってくるんだってー！」（り
「げ、竜の胃… あんたたち、竜の食べたもんくすねてきてるんだ！ って、そんなに近いの？ 竜の胃って」（き
「転移魔法」（み
「はあ？ 転移…魔法？ あれすっごく魔力いるンだよー できるわけが… あ、あるか。あんたたちなら…」（き
ニコニコ にやにや
「まさかと思うけど、ナシの能力って、……増幅？」（き
「あったりー！」（え
「……ウワサというか、仮説としてなら聞いたことある。...とんでもない能力じゃん。それ、外の世界だったら世界滅ぼせるよ」（き
「だろーねー」（え
「だろーね？ なに落ち着いてんのー？ 増幅能力者なんていったら、世界中の外道支配層やコレクターや金持ちや悪党たちがいっせーに群がってくるよ！ 何落ちついてんのよ！」（き
心配してくれるのか。感謝する（な
感謝する（え
感謝するわね（れ
感謝ね（め
かんしゃだねー（は
「あーーーーーもーーーうっとーしーー！」（き
もくもくもく 何事もないように食事を続ける一同
「ふう あきれたわ。 あんたたち、だてにこん中でうろうろしてるわけじゃなさそーね… たいしたもんだわ」（き
ばれなきゃわかんないよ ...でも、しょーじきびびってるよー。やっぱり、そーか……こっからでたら、めでたしめでたしじゃー、ないんだねー.....。…まいっかー。なんとかなるでしょ！（え
ふふ それでこそエリラね（れ
……ふーん、いつでもしゃしゃり出てくるわけでもないんだ。面白いね。ナシって…だからナシっての？（き
ううん。名前覚えてないんだって。だから、名無しのナシってあたしがつけた（え
えーーーー？ そーだったっけ？ あたしはてっきりそーいう名前だと（れ
あたしも（めい
あってるわ（め
だよねー♡（は
ろくでなしとか、いいとこなしとか、いろいろです。ウフ（る
なしのつぶてー！ とかー？（り
なしくずしね あ… まったく、あたしまでちょーしくるーなー（き
…でも、いー奴らだね。こいつら（き
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「自己紹介がまだだったね、あたしはキラ・ザイラ・J・オム・セピー・669X-Sキルド2。キラは通称」
うわー、長い名前きたー。ハチといい勝負～（え
「ザイラ・Jは出生時に感知された性格と性癖傾向。オム・セピーは能力傾向と属性。669X-Sキルド2は出生座標。時間と空間」
そーなんだ！！ なんだかかっこいー！」（え
「うそだけど」（き
