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第24話 14日目-4 巨池のほとり

▼登場人物

ナシ(な :異界もん

竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。成り行き上エリラの体に入っている状態。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。


エリラ(え :魔導師 

17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。ナシとともに1つの体を作る。あでやかなピンクのゴージャスヘアはナシのデザイン。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる。前向きでキュートな元気娘。異能は創造。


ハチ(は :妖精族

竜の中で再生していた生存者1号。明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛。わりと天然。素直でまっすぐ。格闘技にたけ、異能は力持ち。


ミノ(み :鬼娘 

第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいいプチグラマー。おっぱいが自慢。寡黙気味。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。


レンダ(れ :獣人 

第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢、身体能力は高く、通常は2刀流。不死だそうだ。


ルルア(る :ゴーレム

4人目。落ち着いた口調、常に冷静。Hをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。転移や治癒などの能力を持つが、その動力源はぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。


メイ(め :驚くほど普通の子女。

5番目に発掘された。赤銅色の肌に黒髪、均整のとれたプロポーション。感覚は鋭いが臆病。芯は強く、常識人で堅いくらいのまじめなひと。索敵能力を持つ。異能は物理・魔法攻撃無効の(はずの)万能繭。


リム(り ぬえ

自力で出てきた変わり種。魔獣のはずなんだが、ヒト型。しっぽは蛇で、毛皮を脱げる美少女。触手を出したり氷魔法を使ったり雷を落としたり、かなりの戦闘力を誇る。ぽい。


● 巨池のほとり


「レンダ、違和感ある~?」(え 

「今のところ。なんか普通の森ね。動物とかがいないのが、かえってへんな気がするわ」(れ

「あたしの方も、異常ないわ」(め

「木も草も…普通。どういうこと?」(み

「うわー、水が透き通ってるよー!」(は

  近くに寄ってみると、湖と言うよりは大きな池に近い感じがした。


   駆け寄っていこうとするハチ


「ハチ、入るのはちょっと待ってね。うーん…鑑定がないからなー」(え

「毒とかはなさそうだけど」(れ

「レンダ、おめめで毒とか、異物は感知できる?」(め

「いつのまにかお目々になっちゃったわね(クス できるというには……んー、そうだ、ちょっとナシくん借りるわね」(れ

     と、エリラの腕に抱きつく

「あたしなんだけどー」(え

「いいのよ。いくわね」

      すっと第三の眼が開く。瞳の色が蒼、赤、黄色へと変化する。

 やっぱりナシくんすごいわ…。すごくクリアに、普段わかんないとこまで入っていく感じって言うか…わかる…。生き物はいないわ。でも、水自体は純水に近いと思う…(れ

「そっか、レンダ学者だったから、怪しげな液体は詳しいんだ」(え

「ええ。毒薬、麻痺薬、回復薬、精力剤…色々作ったから。アヤシイ液体ばかり(クス」(れ

「お酒はー?」(は

「あら、ハチ飲むんだ。知らなかった」(め

「へへー、少しだけ…」(み

「じゃあ、今度作るね。アルコールなら、創造で出せると思う」(え

「まあ、それは楽しみね」(め

「にしても…いろいろつくったな。睡眠薬、爆薬、催淫薬、気付け薬、痛み止め、強壮剤、石化薬、各種状態異常解除薬....」(れ

  …魔法がないと大変だねー(え

「まあね」(れ

    なんか変なの混じってた(み


「学者って聞いてたけど、専門って、お医者さんだったのー?」(は

「薬剤師、医者、美容整形外科…気が向いたらなんでも」(れ

「なんか、レンダのそーゆー話ってはじめてきーた気がするー」(は

「わたしも… 正直驚いたわ」(め

 「予想はしていた。可能性としてだけど」(み

     形而上学じゃあねーとは思ってたが。完全に実学派か(な

       でもないけど。…たいくつ(れ

      こりたみてーだな(な

          まあね(ウインク(れ

  け、けいじじょーがく… またムズカシイコトバを(え

 哲学とかー、宗教学とか-、認識論とかー、そーゆーのだよねー(は

  は、はちー、な、なんでそんなもん知ってるの?(え

 いちおうお稽古に座学もあったからー。ぜんぜんおぼえてないけどニコ(は

    あなどれないな(み

   驚いた…(め  



・・・・・・・・・・・・・

「じゃあ池、入っても大丈夫そーだね」(え

    何かの怪物の一部ってこととかの可能性は? 飲んだらカラダ乗っ取られるとか(な

「ナシくん、考え過ぎよー。…とは思うけど…」(れ

「いや、飲むのはキケンかも。ここ、わかんないことだらけだしー」(え

「そーね…」(れ

   肌に触れたら水質が変質するとか、っていう魔法は?(な

  あ-、いきなり体が溶け出すとかー? ナシくん、いくらなんでも~(え

「レンダは不死身。入ってみろ」(み

「えー? そーねー。まあ、指が溶けるくらいなら…って、あれけっこう痛いのよー。先端だし…」(れ 

     経験あるんだ…(な

「結構やんちゃだったんだな」(み

「いいの! 昔のことよ」(れ

   石ころを拾って、水面に向かって投げるレンダ。水切りだ

「あ、レンダじょうずー あたしも…」(は

   すいすいすい

     へー、ざばーって水が左右に分かれるかと思った(え

「ちゃんと加減するもん」(は

「じゃあたしも」(め

「こうか…」(み

   指弾が水面上を飛んで、水を割っていく。手前は水底が見えたが、途中から水だけになる。そこそこ深いようだ。向こう岸の草むらに消えると、その先の木が2~3本倒れた。同時に草むらが吹き飛んで、石が通ったあとの道ができた。

     モーゼの十戒のミニチュア版だな(な

   なにそれ(え

     ああ、海を割って人を通したって言う伝説(な

   久しぶりに聞いた気がするわ。オタク文明の話(れ

      あらぁ オタク文明とは違うんだが…ま、いっか(な


「大丈夫じゃないかなー。ちょっとくらい…」(え

  水や炎、土や風…四大の魔法を、水面や水中で発動していたえりらがいった。発動の手応え的にも、呪いや魔法トラップの手応えはなさそうだ。


「じゃ、行くわね」(れ



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

● 襲撃と戦闘

  靴を脱いで裸足になると、濡れた砂利と砂の上に踏み出すレンダ。水際まで近づいてそーっと足を水面に近づける。形のいい足の甲に足の指と、きれいな足の裏が静かな水面に映った。

  指が落ちたり(み

   足首から先がとれたりしたらやだよ(え

「やめてよ!」(れ


  そ~~


「はくちょ! ご、ごめんなさい」(め


  全員固まった


「ふー」っと息をつくレンダ。足先がほんのちょっと水に触れたのか、波紋ができている。



「! でたわ!」 (れ

  レンダの叫び声とほぼ同時に、池の中程で水がせり上がり、巨大なエイのような魔物が現れた。

  ばこおっと言う音が響くと、向かいの岩壁から巨大な人型のものが姿を現す。

  池に向かって左右からも、同じように岩が砕ける音が響いた

   

 大きなのが5つ、飛ぶのが7~8体…いえもっと。あと水中に小さいのがたくさん現れたわ(め

    向こう岸のでかいヤツ…10mくらいあるのか? そいつが、岩壁から岩のかたまりを引っこ抜いて振りかぶっている。3m…いや、5mくらいあるぞ。あんなのを投げられたらたまったもんじゃねーな(な


「は!」(れ


左右の上空から襲ってきていたエイの化け物が真っ二つ…というか、タテに2つ-3つの切り身になった。背中側にも腹にもキバの生えた口が見える。大きさは2m~3mというところか。

ついで、水の中から小さいヤツが飛び出してきた。レンダが叩き斬り、ハチが華麗に四肢を振り回してたたきおと…いや粉砕し、ミノが指弾を放ってその「ギョ弾」とエイを同じくチリにしていく。

メイは黙ってても周りを繭でガードしているが、ギョ弾はあの繭にも突き刺さった。

エリラは炎と風で体の周りをガードしながら、四方に目を配る。繭に刺さったギョ弾が燃え上がり、ハチやミノの足元に低く飛んで行くヤツを風の刃や火の矢が貫いていく。

ばっがーんと、頭の上で大音響が響く。どうやら、投げてきた大岩が砕けたらしい。ああ、飛んでくハチのパンツが見える。

   ナシくん!(は

左右にもまた10m越えのでかいヤツが現れた。いて☆

    ぶっといたよー(え

     ありがとー(は


  メイ、繭を二重防御にして。ミノは…(え

 といってる間に、右のでかいヤツの大木のような脚をミノとハチが砕き、左のヤツの脚はレンダが斬った。2体が描き文字のような、ずごどどどー! という音と共に倒れた。


   メイー! 開けてー(り 

     リム! 今あける(め

   ありがとー! でたよー。ルルア寝てるからまた閉めてー(り

     わかった(め



「ハチ、ミノ、合体ワザやってみる? 向かいのヤツ、いくわよ!」(れ

「やるー! よろしくレンダ!」(は

  ぱっとハチがレンダの剣のみねに飛び乗った

  アニメやマンガなんかじゃよくあるが、よくあんな細いところに…いや、カッコいいわこりゃ


 いくわよ(れ 

  一歩踏み出してハチを乗せたまま刀を立てて振り切る。何で落ちないんだ?

  青いオーラーをまとったハチがすごい勢いでとんでゆく。途中でエイを粉砕し、ぶつかった巨人の胸部が大きくへこみ、大穴があいた中を飛んでゆくハチの姿が見える。くるっと向きを変えて向こうのカベに足をつくと、再び飛んでくる。真っ直ぐでなく、上だ。巨人の上で回転してかかと落とし。頭部から大穴まで亀裂が入り、そのままそれを砕いて下半身部分も真っ二つになる。


  ついでミノが同じように…こちらは片脚で刀に乗った。当たり前のように刀を返して刃を下にするレンダもレンダだが、こういう呼吸、見ていてみとれるわ。

 たのむ(み

   オーケー♪(れ

 振りかぶる刀の向きに合わせて体をかがめるミノ。

    ぶん

回転しながら指弾を乱れ撃ちして飛んでゆく。あっというまに巨人の上半身が跡形もなくなった。

あの岩幅…ガトリング銃でも粉砕するのは無理だと思うんだが…。付近を舞うエイも巻き込まれて大穴があいたり消し飛んだり。


一方レンダは2人を打ち出したあと、3体目に突進していた。水の上を走っていく。これはまた見ていて楽しい。しぶきを上げて飛び上がると、大きく上に振りかぶった両刀をタテにクロスして振り下ろし、そして2本を横向きに平行にそろえて構えると、そのままなぎ払う。巨人の岩のカラダにX型に切れこみが入り、奥から切り開かれていくように裂けていく中に、二の字のヒビが入り、それがまた大きく裂けていく。

すぱっと切れるんじゃなくって切り開かれていくという絵ヅラはなかなか新鮮だ。対象が岩で良かったと思う。

   そーだねー 生き物には使って欲しくないねー(え

  スプラッタ趣味のヤツにはウケそう(み

     俺やだよ(な


 みんなーだいじょーぶー?(り

    リムがやってきた。四つ足で走っている

  リム! 池にどん!(え

 わかったー みんなよけてねー どーん!(り


ばっと高く飛び上がると、両肩から触手…にょろにょろが伸びた。そして、先端がちかっと光ると、稲妻が走る。

3~4本稲光が落ち、大音響を上げて池が爆発した。       


 ハチ、ミノ、レンダは高く飛びながら、まだ空を舞っていたエイを撃破してこちらに降り立った。…というか、起き上がろうともがいていた残り2体の巨人が、着地ついでに粉砕された(笑) 3人とも衣装がひらひらして派手なだけに、なかなかこれも面白い絵だ。実際にあるんだなー、こーゆーのって。なんかタダで女のコアクションを見ているような気分になっている。多少、衣装に汚れやほころびは見えるが、例によって傷ひとつないというのも変に痛々しさが皆無で気が楽だ。…アザとか血が流れているのが好きってゆー嗜好性の御仁にはいささか物足りないだろうが。

   

   よっしゃー、メイ、索敵!(え

 エリラが繭のそばに立つとほぼ同時に繭を解除するメイ。何をするかわかっているのがありがたい。

 肩にエリラが手をかけると、付近を大きくサーチする。


   池からまだ数体出てくる感じよ。あと四方の壁とかにいくつか反応が…(め

 じゃあ、まとめて炎熱! ターゲットにシンクロするよー(え


   ゴアっと池の水が燃え上がり、四方の岩壁のあちこちでもボボボボボっと火が燃え上がったのが見える。



 あちちちちち あつーーーーーい! いきなりなにすんのよーーーー!


   全員の頭の中に、知らない女のコの声が響いた。



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