第22話-2:12日目:メイの万能繭実験-2
▼登場人物
ナシ(な :異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。成り行き上エリラの体に入っている状態。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。
エリラ(え :魔導師
17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。ナシとともに1つの体を作る。あでやかなピンクのゴージャスヘアはナシのデザイン。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる。前向きでキュートな元気娘。異能は創造。
ハチ(は :妖精族
竜の中で再生していた生存者1号。明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛。わりと天然。素直でまっすぐ。格闘技にたけ、異能は力持ち。
ミノ(み :鬼娘
第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいいプチグラマー。おっぱいが自慢。寡黙気味。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。
レンダ(れ :獣人
第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢。身体能力は高く、通常は2刀流。不死だそうだ。
ルルア(る :ゴーレム
4人目。落ち着いた口調、常に冷静。Hをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。転移や治癒などの能力を持つが、その動力源はぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。
メイ(め :驚くほど普通の子女。
5番目に発掘された。赤銅色の肌に黒髪、均整のとれたプロポーション。感覚は鋭いが臆病。芯は強く、常識人で堅いくらいのまじめなひと。索敵能力を持つ。異能は物理・魔法攻撃無効の(はずの)万能繭。
実験2。先鋒はミノだった。こっから3mくらいのところに立っている。
構えのポーズは最初から少し腰を低くしていた。ただ、ムードがさっきより全然違う。気のせいか、目とツノが少し光っているように見える。
どぎゃっというような、いきなり何かがぶつかるような音がした。ぎゃりぎゃりぎゃり、というっようなすごくイヤな音がすると、ぱきゃっと言う感じだろうか。まゆが吹き飛んだ。顔の右側をかすめて、後ろのカベが爆発する。
あとで聞いたところでは、回転をつけたタイプとのことだったが…ぶっちゃけ、死んだと思った。よく風圧で歯ぐきがみえるっていう演出を見たことがあるが、ほっぺたがへこみ、まぶたがめくれかかり、口もとの皮が一瞬とはいえめくれるというアレは、二度とゴメンだ。
中堅、レンダも、2mくらいのところに立った
こちらも、先ほどとは全然またムードが違って…やはり妖気がただよっているというか、高くゆったポニーテールが踊るというか。目も…見とれるような雰囲気じゃなかった。
ずばん
そんな感じがしたと思うと、左上1/5…肩から上ぐらいのまゆが切れて、すーっと滑り落ちながら消えていく。ぱあんという音がして、左肩周りのマントがはじけ飛んだ。
恐怖でかたまる、っていうのはこういうことなんだろうか。
と思うまもなく、今度は右側の繭が一瞬ではじけ飛んだ。右腕の脇を刀が飛んでいったらしい。
あっちで、ふ、という笑顔が見える。
…死ぬかと思いました
大将、ハチ
「じゃあ、いくねー!」(は
と、最初はいつもの笑顔で明るく挨拶しながら前に立った。
うーん、この距離だと首が飛んじゃうかもしれないしー、このくらいだと..ちょっとまってねー(は
ナシくん 骨は拾ってやる(え
はひ(な
ちょっと脚を開いた仁王立ち。すこしうつむき加減になると、ボッと何かが弾けるように黄色い髪の毛が踊った
「はー!」(は
右手を突き出したポーズのハチがいる。
顔から胸の正面あたりのまゆがすっぱり切れて、胸をかすめたのか、左側のまゆが消えかかっていた。右胸のブラの一部もなくなっている。Vの字状に切り裂いたのだろうか。手刀なのか拳なのか掌底なのかもわからない。どーやったんだ?
「へへ ごめんねー。かすっちゃったー?」(は
のんびりしたハチの声がする
ざっくりでした。生きた心地がしないというのは、まさにこのことだ。
「さすがだねー! じゃ、メイー、こんどは二重まゆー」(え
ちょ、ちょっと待ってくれ 少し死ぬかと思った(な
「だらしないなー。さっきまでの元気はどーしたー!」(え
奥の手、ってほどじゃないけど、やっぱりいい感じね(れ
うん。特訓の甲斐ってあるものね(み
コントロールが難しいのがちょっときついかなー(は
わ、わたし、ナシくんに代わって貰って良かった…(め
「私の出番ですね」(る
つっとルルアが近くに立った
ナシくん、お疲れさまです ぎゅ(る
評判に違わぬ柔らかさ。そして、乳房を押しつけてくるさりげない癒やし強化の効果…
こらーっていいたいけど、ホントにルルアはきもちいーねー あーもー........ゆるすっきゃないよ〜コレ…(え
女の子ふたりがうっとりして抱き合っている絵ヅライメージ
ありがとうございます 元気出ました///(な
では、もうちょっと頑張ってください 顔を左右の手で挟んで ちゅ
ルルアー やりすぎー ん…(え
ばったり
「おお、すごい」(み
「意外とたあいないのね」(れ
「な、なんか…もお」(は
その後、二重まゆでも、新たな攻撃の前には打ち砕かれたが、三重まゆで、ようやく、ほぼ全てを防ぐことがわかった。メイも、こんな使い方ができることに驚いていた。しかし、防御シールドの実験がこんな生きた心地のしないものだとは。
ちなみに四重繭にもチャレンジしてみたようだが、それはできなかった。能力に制限があるのか、体力かビジョンのキャパなのか。そもそも、この繭そのものの性質が解析不能なんだから、できたと言うだけでよしとするべきだろうな。
転がし実験…これは、やはり衝撃耐性の一貫なのか、動かせなかった。
「ねえメイ、万能繭を着てたら動けないの?」(え
「え? さー、やったことないわ」(め
「じゃー、やってみよー。これならこわくないよね」(え
「そ、そーね」(め
立った状態で繭をまとう
あたし、この状態で繭出したのはじめてかも(め
「中で歩いてみてー」(え
うーん (め
「あ、動いてる動いてる あ、ころんだ(笑)」(え
笑い事じゃないわよー(め
「痛いー?」(え
いいえ。ぜんぜん(め
「起きれる?」(え
え、えっと…(め
おきあがりこぼしみたいだな。できたじゃん(な
「えい」(え
きゃあ な、なにするのよ!(め
「いやね、意外と本人が中で動こうとしてる時なら、蹴ったらたおれるかなーって。痛かったー?」(え
あら、そういえば…痛くないわね 不思議ね(め
いまさらかい(な
「じゃあミノ、このままミニマムして」(え
「あい」(み
「あ、持てるね。メイー、どんなかんじー?」(え
え、えっと特に変わりは..(め
「こーやったらどお?」(え
ぶんぶんと振り回す
べ、べつになんともー(め
す、すごいね。中、別の空間になるのかな(え
わ、わからないわ でも、そんな感じなんじゃないかしら…(れ
ふつー、めーまわすよな(な
酔う(み
外的な働きかけが一切干渉しない…ほとんど異空間ね。ありえないわ(れ
「レンダー、投げるよー」(え
え、きゃー(め
外が丸見えというのは、こーゆーの怖いだろうな(な
そだねー。めーつむってていーよー(え
あーん そーするー きゃあ(め
「ナイスキャッチー! みのー」(れ
ビュン
「ひああ~~」(め
「おっと(ぴょん) メイ、無事?」(み
ぶ、無事よー(め
「じゃ」(み
びゅん 壁に向かって投げる
ええ~~~~~? ひええええ~~~~(め
どごおんん
壁に大きな穴が開き、がれきの中に知らん顔して繭が転がっている。
「めいー、生きてるー?」(え
い、生きてるわよー ひどいわ くすん くすん(め
「けがはー?」(え
え? な、ないわ …ね(め
ケガしてたらけがじゃすまない(み
死んでるわよ(れ
「すごいじゃん!」(え
そ、そおね って、死んだらどーするのよー! もー(め
「でも、平気じゃない」(え
え、ええ(め
「じゃあ、ついでに魔法実験するよー」(え
ま、まだやるのー?(め
ボンっと卵(笑)が炎に包まれる
熱くなーいー?(え
い、いいえ全然。なんかきれい… (め
「ほかのもいー?」(え
ええ やってみて(め
「じゃあ、次…えいーめんどーだ、風、水、土~」(え
風刃や水鉄砲が襲い、岩のかたまりなどが落ちてくる
すごいわ 見事な眺めね こんなのはじめて見るわ.. そっかあたし、繭のこと信じてなかったのかも…(め
てゆーより、知らなかっただけだよ。きっと。(え
そうね 知らなかったわ(め
「こんなもんかなー。みんなー、他に何かある?」(え
「ない」(み
「十分じゃない?」(れ
「じゃメイー、お疲れさまー! でてきていーよー」(え
あの…ハチ、ミノ、レンダ…みんなで、攻撃してみてくれる? あの…普通ので(め
「だって♡」(え
「わかった」(み
じゃあ、普通ので(れ
いくねー、メイちゃん(は
3人が繭に集中攻撃をかける
不思議。あんなに怖かったのに…、見ていられる…。みんなの顔が…。(め
メイちゃんすごーい!(は
ふふ(れ
エリラ、狙ってたわけじゃないよな(な
まねー 怖いのはしかたないしあたりまえじゃん。でも…目をつむるより、目を開けていられる方が、いーんじゃないかなって…(え
一歩間違ったら、こんなの余計なお世話だ。…運が良かったな(な
ま、そ、だね にしし(え
えりら、みんな、ありがとう!(め
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「じゃあ、とりあえずこのくらいで終わりにしよっか」(え
「あの…もうちょっといい?」(め
「? なーに?」(え
すっと手を水平に伸ばすと、細い糸が一同の周りを舞い始めた。
キラキラしている光の帯のようだ
やがて、全員がまゆの中に。
「…すごいね…」(え
白いカベのドーム。磨かれたように美しく、時々虹色の光がはじかれる
きれい(み
…中、こんなふうになっていたのね(れ
ねえ、外も見えるよー! あ、ぶってみていい?(は
ええ やってみて(め
少し腰を低くして正拳を繰り出すハチ。しかしびくともしない
こんな大きなもの…外からは見えず、中からは見える…こういうシチュエーションは燃えますね(る
言うと思ったわ (め
軽く優雅に…本人にはその意識はないのだろうが、しぐさがいちいち優雅に見える。手を振ると、すううっとまゆのドームが消える
「ふう…万能繭って言われてるのがやっとわかった気がする。やってみたらできたっていう、...発見の連続だったわ。わたし、考えてもいないことがこんなにあったのね…」(め
必要がなかっただけ…それも幸せ(み
そうね(れ
「でも、今は… なんか楽しくなって来ちゃった!」(め
くるくると、ハチの周りを糸が泳いだと思うと、ぐるぐる巻きになる
ぐいっとひっぱってハチを引き寄せる
ね、こんなことも(め
すごいねーメイちゃん! …これ、ちぎれるかな?(は
やってみたら?(め
最初力を入れても動けない。青いオーラをまといはじめる。
うーーーーーーん(は
やがて、オーラが黄色になる
ええーい(は
刃物をはじく黄色モードでようやっとか…すごいな(な
ふーー、すごい糸。これが消えちゃうって言うのがずるい気がするー(は
「ほんとね」(れ
「でも、これなら一緒に闘えるかも!」(え
「ナシくんのライブラリにも、糸を操って戦うみたいなのあったわね」(れ
「でしょ」(め
「ねーメイ」(え
「なあに?」(め
「メイはこれからもやっぱり索敵を中心にやってくれる?」(え
「え? でも、これなら少しくらい..」(め
「...ここに来たばかりの頃、あたしやっぱり刀くらいあった方がイイって思ったんだ。そしたらナシくんはいらないっていったんだ」(え
「え?」(め
「武器があると、安心するし強くなった気がする。でも、シロウトがそんなもの持ったら、しなくてもいい戦いをするんじゃないかって」(え
そのとおり(み
とくに、エリラみたいなおちょーしものは武器を持つと突っ込んでいきたくなるでしょ(れ
うるさいなー わかってるよー(え
くすくす(る
「だからさ、メイはいままでどおり身を守ることに専念して。絶対、死んじゃダメだからね」(え
「わ、わたしなら大丈… ん わかったわ。えりら。ありがとう心配してくれて」(め
「あ、そういえばナシくんと組んだら、どんなことができるかしら?」(め
「それはまた今度でいーんじゃない?」(え
「そうね。お腹がすいたわ お茶にしない?」(れ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ねちゃったね」(え
初めてのことばっかりだったみたいだもの。疲れるわよ(れ
食べながら、うとうとしているメイ
そーだよね、すごくがんばってたー(は
「今日はもうねよっか?」(え
そーだねー…(は
まあ、いいんじゃない? ルルアは…(れ
あたしは元気です。見ていただけですから。レンダは…(る
意味ありげな視線を送る
そおね、ちょうどいいタイミングかもしれないわね(れ
ハチ、ミノ、ちょっとつきあって貰えますか?(る
ん(み
いーよー(は
「じゃあ、寝たい人は寝るって感じで、いいんじゃない?」(れ
「そーしよー あたしねるー おやすみ~..」(え