第4話-戦闘
第4話 初の戦闘シーンとお食事 だ!
ねー、シーンってわざわざゆー? 「戦闘」でいーんじゃないのー?(え
タイトルにまで口出してくるんかよ…
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「おー、今日は…あんまり見たことないのがいるなー」(え
…ありゃ…ぬりかべ…か?(な
「…ヌリカベってなに~?」(え
ああ、…歩く石板みたいなもんだ(な
「ふーん」(え
高さ50cm×30cmくらいのやつに、だいたい同じ比率で1mくらいのやつが、4、5体。飲み込まれた岩の色をしたものや、果物か、食材が混ざったようなマーブルカラー…見るからに妖しげなやつらが、跳ねたり、ケモノの脚がついて歩くヤツ、ずりずり這うヤツもいる。なかなか気味が悪い。
「ふうむ こーやってみると融合体だねあれ」(え
ゆーごー怠惰ね-というわりには勤勉だな(な
「あっはっは よゆー!」(え
竜が食ったもんがてきとーに交じり合っておでましってことか(な
「そだね それに、竜の生体維持防御の意思が宿ってるってゆーか、コレ、「反応」として現れるって考えた方がいいかも~」(え
しゅっっ すごいスピードで、数体が飛んでくる
「うわ!」 飛んでよけるエリラ
ぐしゃ
「あーせっかくのご飯がぺしゃんこにー! よくも~!」(え
ちょっとやばくないか? 思ったより機敏だぞ(な
「どーったことないよ!」(え
すっと右手を立てて前に構えると、ぶわっとピンクのロングヘアが艶やかに踊った。小型の竜巻みたいなのが一体を巻き込んで、バラバラに、そして粉砕する
「次!」(え
今度は指を2本そろえて前にしゃっと手首を返す。空気の層だろうか 圧縮空気のような空気のヤリのイメージか。2体をザクザクに貫いていく
「そしてー!」(え
両手を組んで人差し指を突き出した、どっかで見たよーなアレだ
予想に反して、三日月型の細かいカッター状の密空気…かまいたちだ
さくさくと、コレもあっという間に一体を細切れにしていく
「あ!」(え
一体が、右側から迫っていた
「代われ!」(な
一瞬で、目の色が蒼紺から金色に変わる。
両ヒジを曲げて前に出し、顔とか胸とかをガードする。アニメや何かでよく見るあのポーズだ。ヌリカベが激突する。衝撃は、絵空事を見るのと体験するのではワケが違った。
「ぐああー」(な
そのまま数mか…かなり長い距離を後ろに…そう、踏ん張った足にそって2本の溝が煙と血しぶきを上げて前に伸びていく。そのまま俺は後ろに吹き飛ばされた。
「オッケー! 交代!」(え
瞳の色が蒼紺にそまると、再び魔法を放つエリラ。両手を開いて親指を重ねている。
狭い上面を向けてこちらに飛んで来ていたヌリカベに、つつつつっと裂け目が何本も入り、三枚に…いや7~8枚におろされていき、それぞれのブロックはチリを吹いて消えていった。
「ぷっはー! やったー!!」(え
嬉しそうにエリラがぴょんぴょんと跳ねる。
ふう、やれやれだぜ(な
…思わず口をついたセリフだが、…これって、あれじゃん
カベを受けたか所が紫色に太いスジになっていた。ヒジや肩だけでなく、気がついてみると結構、あちこちがいかれている感じの痛みがあった。たったあんだけでも、想像以上に全身が衝撃を受けるみたいだ
「すごかったねー。キミ、体術なんかやってたの?」(え
? いや?(な
「アレを受け止めた時のポーズや姿勢といい、吹っ飛ばされたあとの体制の建て直しから着地しての構えといい、なんかすっごくかっこよかった」(え
そうか?(な
正直、全く憶えていない。ただここに来て思い当たるのは
イメージ力と、増幅の力
無数のアニメやマンガで見慣れたいろんなアクションポーズが、無意識にここでは生きる…生きた、ということか…(な
「ふーん」(え
ふーんって、推測だ(な
「うん、いや、たぶんそれであってると思う」(え
なんか、関心やら感動やら納得やら…といった彼女の感じが伝わってくる。
まあ、そういうことならそれでいいや(な
「うん、とってもいー! あたし達ほんとにやっていけそーだよ!」(え
…ぶっちゃけ、結構あちこちの痛みが出てきてるんだが、とりあえず初めての戦闘っぽい戦闘をクリアだな。
食材が結構散らばったり破損したので、あらためて調達に動く
「ねー、キミちょくちょくなんかすごい映像とかもってるよね。アニメとかマンガとか、オタクって言葉も良くいってるけどさー、何のこと? そっちの文化?」(え
まあ、そーだ(な
「魔法のない世界って言ってたけど、へんにいろいろ知識あるし」(え
まあ…かぶってたってことでいいんじゃないか?(な
「………」(え
微妙にいぶかしげな、納得したよーなしないよーな思念のムードが伝わってくる。
「ま、とりあえずそれはいーか! さーごはんにしよー! おなかすいたよー」(え
そーだな。それより、おまえの…エリラの魔法って、たいしたもんだな(な
「あはは いまさら? いやー、でもまあナシちゃんの増幅の能力様様だよ。すごく助かった! ありがとー!」(え
この…天然に素直なところ ..正直、やっぱりあらためてすごくかわいいだとあらためて思う。
「えへ」(え
あ、まんざらでもない感じだけど..波動がすごくよろこんでるぞ..
うん。嬉しい♡(え
///// おたがい、だんだん気持ちが筒抜けになってきているのが、嬉しいような気恥ずかしいような...
だね お互い様だけどね(え
女のコと一緒にいるんだなあ.. 俺 どきどき
「ほらー、いい加減にしないと食べられないよー!」(え
ああ、ごめん(な
…にしても、さっきまではナイちゃんだったんだが、ナシちゃんに変わってたな。
・・・・・・・・・・・・・・・
▼集めてきた食材の山。果物類、魚類、葉っぱ、獣っぽい生肉…
さて、どれから食おう。肉は、ナマ…か(な
はい、食べて食べて?(え
なんでこっちに入ったんだ?(な
こわいもん(え
は?(な
苦かったりおいしくなかったらやだからー。痛いのはまかせるっていったじゃない?(ウインク)(え
「お毒味ですか お嬢様」(な
それにしても…(な
「はむ」(な
おー、いきなり生肉いく~? 度胸あるねー(え
「俺の国には馬刺しとか牛刺しってのがあるんでね。新鮮なら食える」(な
へー(え
「あっちでは食ったことないけど。高くて。話だけ」(な
ししし(笑)(え
驚くほど生臭くない。それより、口の中でふわっととろける感じだ
「なにこれー、すごくおいしー!」(え
あ、こら、ずるいぞ いきなりいれかわるかー?(な
ま、中にいても味はわかるし、うれしそーな女の子の声を聞きながらってのは、悪くない
「さて、生肉は予想以上の美味だったが…となると、アンパイに見えるこの果物の方が心配だな。なあ、解毒の魔法とかあるのか?」(な
あるよー(え
「そうか なら..」はむ(な
使えないけど(え
「ぶは あの …なんかしびれてきてるんですが」(な
しびれてきたねー ま、なれるよ 今に(え
(一応解毒魔法あるけどねー このてーどならいーでしょ(笑)/(え
「エリラはこっちの世界の人間だよな。食材に知見はないのか?」(な
知見? 知識ってほどじゃないけど、ま、フツーだよ。この竜、あっちこっちでほんとに何でもいろんなもの食べてるみたいだから、見たことないものも随分まじってる。もぐもぐ(え
「…とりあえず、ヤバそうなのは入ってないんだな?」(な
まねー。(え
「そか。ぱく」(な
少しだけハズレもいれたよー!(え
「ぐ… なんでそんなことするんだよ」(な
だっておもしろいじゃん がぶっとやってにがー なんて、スリルあるしー!(え
「マズイの引いたら一蓮托生じゃないか」(な
そーいう時はすぐ知覚きっちゃうもーん(え
「ひでーな 自分ばっか」(な
えへへ~(え
卵とキノコが合わさったようなものを手にとってみる
「うーん。キケンな予感」(な
……(え
「エリラさーん」(な
ひゅーひゅーひゅ~(え
思念で口笛を吹くヤツがいるとは思わなかった。
いつのまにか、手当たり次第食べていた。相当、腹が減っていたらしい。なまじ、念会話というか、思うだけで意思疎通ができると口は食べるのに専念できる。そもそも考えてみれば、どっちかが口でしゃべんなきゃいけないという理由はない。
「俺はもういいわ うまかった。代わるか?」(な
うーん あたしももーおなかいっぱい…(え
「じゃあ、一眠り…」(な
zzz(え
「…あっというまだな…」(な
そういえば、寝ている間は無防備だ。いつ襲われるか、考えなくていいのだろうか。
そもそもなぜ息ができるのか。なぜこんなに静かなのか。なぜ見えるのか。それに、考えてみたらここに来て水を一口も飲んでいないのに、のどの渇きがない。わからないことだらけだ。
心配性だねー(え
「起きてたのか」(な
まねー。この服、いろいろ魔法かけてあるんだ。この体内の組成にあわせた気配を合成して、疑似隠遁効果をつけてるの。だから、あんまり派手に暴れなきゃわかんないはずだよ(え
「…すごいな」(な
ま、いわゆる盗賊なんかが持ってるスキルの応用かな。そんな真似できるのも、キミと一緒になってるせいだと思う。ちょっとした大魔法使い並だよ♡(え
「そうか…」(な
実情はわからないが、すごそうなのはわかる。
...もっとおどろけーとか信じてないーっ てゆーよなつっこみがこないぞ(な
ここはそーゆーとこじゃないから。だから安心して眠っていーよ。知覚とかについても、実はいろいろ… zzz (え
「…そか。..ありがとう(な」
zzz (え
…ほんとに寝たようだ(な
「おやすみ」(な
は! あちゃ~ 考えてみたら火ィ使えるんだよな、こいつ。肉、焼いて食えばよかった…