第18話-6 先に進もー
登場人物
ナシ(な :異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。エリラの魔法でむちむち萌えもえ美少女キャラの体を得るが、所有権はほぼエリラ。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。
エリラ(え :魔導師
17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。ナシとともに1つの体を作る。ホントの姿は謎。
ナシのデザインしたグラマラスボディにピンクのロングヘアはまんざらでもなさそう。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる勝ち気、前向きでキュートな元気娘。異能は創造。魔法のお洋服やさん
ハチ(は :妖精族
竜の中で再生していた生存者1号ふわっとしたなごみのオーラを持ち、明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛がステキ。わりと天然で、なにより素直でまっすぐ。武道にたけ、異能は力持ち。見るものを幸せな気分にする「最高の笑顔」
ミノ(み :鬼娘
第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいい。おっぱいが自慢。偏屈気味で寡黙気味で、口を開くとわりと毒舌。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。
レンダ(れ :獣人
第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。いろいろ自分の体を改造しているというが、どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢の、愛嬌がある大人の女性。身体能力は高く、通常は2刀流。不死だって(笑)
ルルア(る :ゴーレム
人工生命体..らしい。落ち着いた口調、常に冷静。Hをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。使える能力を持つが、動力を得るのにえー…まあぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。
「ふー、なんか衣装作る前にこんなに汗かいたの初めてだよー。なしくーん」(え
はひ(な
あ、そーとー舞い上がってる(み
さっきからなんかすごいイメージがとまらないよー(は
そおね なんかこっちが恥ずかしくなるわ(れ
「いくよー」(え
はいです(な
ぺか
「! これが…わたし?」(る
エリぐりが広い薄紫のショートチュニックはへそが見える丈、布幅の狭い白の超ミニショートパンツがぴっちりではなく、はき口にゆとりがあるのは、おそらくそこから下着が見えるのを好みそうなルルアへの配慮か。白いジャケットは腕がシースルー。脚線はそのナマ脚をいかす紫系のショートブーツ。
「はい、鏡♡」(え
「まあ…」(る
くるくるまわったり、かがんだり、いろんなモデルポーズをしてみせる
すごく楽しそうだ。結構、表情豊かで驚く
「ステキです。えりら、ありがとうございます」(る
「あの、髪型はどんなものがいいでしょうか? うふ」(る
「ん? そのままでいいんじゃない?」(え
「ロング、ショート、ツインテール、巻き髪…」(る
次々に変化
「…自由に変えられます。うふ」(る
「うわー それってなんかすごくうらやましー」(え
ツインアレンジとかはできるけど、ショートとロングのキリカエは、反則(み
「体の重さも変えられます。ウフ」(る
「それはさっきわかったけど、何のために?」(え
「非力な殿方もおられますので、抱き上げるときは軽く、でも乗るときはちょっとずっしりしている方がいいとか、軽い方が向きが楽に変えられるからいいとか、いろいろなニーズにお応え…」(る
「わかった わかった キミはすごい すごいからもーいーから」(え
「わかりました。でも、ステキな衣装ほんとにありがとう。…うれしい ウフ♡」(る
…いい笑顔だな(な
うん いろいろすごいってゆーか、大変なコだけど いいコだね(え
ルルアはブルマも似合いそうだ(な
ブルマとはなんですか?(る
こーゆーの イメージを送る(な
ああ、それもいいですね。(る
あたしはぴっちりしたロングスラックスも欲しいな(れ
短い丈のキモノアレンジふう すそからひらひらが見えるの(み
わたしはジーンズとTシャツふうのラフなのー(は
あたしも今度はナシくんの趣味じゃなくてカジュアルなのが着たいな…(え
やっぱドレッサーがいるな(な
だね。今度作ろ-!(え
わーい(は
せっかくだから、今つくちゃお。まだみんなぼろぼろのままだし~(え
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そろそろ先に行きましょうか。ここにいてもしょうがないし」(れ
「そだねー。今までの感じだと次は小さめの広間かな」(え
ぼちぼちというか、移動をはじめる。5人になると、なかなかにぎやかな感じだ。色もそれぞれにカラフルだし
「でも、さっきのところはびっくりしたね」(は
「いやー、ほんと死ぬかと思ったよー」(え
「うん ちょっとやばかった。と思う」(み
「無事で何よりだわ」(れ
おそらく、再生して一番やばかったと思う。全滅してもおかしくなかったかも。油断してるつもりはなかったけど、ほんとに何が起こるかわかんねーな(な
まったくだよー あんなの反則だよねー……(え
「あれは、全体魔法で粉々にするとか、ミノのミニマムで巨石でつぶすとか、作戦が必要。食料を取りに戻るにしても、あそこを通らないわけにいかないし」(れ
「全体魔法か…うまく使えばちょっとした集落全体の防御とか治癒、すごく役に立つんだけど、広域系って必要がないととっかかりがないんだよね~」(え
「増幅は?」(れ
「うーん ナシくんのイメージを乗せれば何とかなるのかな~」(え
広げて威力を維持するか強化する…薄くなるだけって気がする(な
「このへんもずっと緑の岩だね~」(え
「赤いのはない。ルルアが見つかってよかった」(み
「なんか、新しい服は気分が明るくなる気がします。不思議です。こんなふうに、他の人たちと一緒に歩くというのは、もしかしたらはじめてかも知れません」(る
「そーなんだー」(え
あー、歩きながら、みんなの服も直しちゃうね(え
「疲れてるのに悪いわね」(れ
「ごめんねー」(は
「あとでいい。エリラがんばり過ぎ」(み
うん、今はいいよ。やっぱり(は
それがいいわ(れ
「はい。食べ歩き♡ ルルアちゃん」(は
ハチがポケットから果物を出して手渡す
「え? いったいどこから」(る
「れんだー」(は
ちょっと前を歩くレンダに放り投げ、ひょいっと受け取る
「みのちゃん」(は
「ありがと」(み
「えりら」(は
「サンキュー」(え
おいしい…(る
ビックリしたような、ルルアのおいしい思念がとどく
「そーいえば、ゴーレムってたべるんだー」(え
はい。共に食事の時を過ごす。大切な癒しです。 一人きりの食事は …寂しいものです。ウフ(る
さりげない回答に一瞬、ルルアの裏側が垣間見えるが、すぐさまエリラが空気を変える
「ねーねー電磁バリヤーっって何でも防げるの?」(え
「魔法攻撃、物理攻撃はある程度防げます。精神攻撃も多少軽減できるようです」(る
「精神攻撃…洗脳とか?」(え
「そうですね。基本的には催眠、洗脳、魅了もそのひとつですが、メンタルそのものを破壊するものもあるようです」(る
「近衛騎士ってすごいんだねー」(え
「基本的には他を癒やすのが目的ですが、自衛は必要です。ただ、私の電磁バリヤーもいわば副次的なものにすぎません。本来の目的は微電流を用いたマッサージや、指先や手をマグネット化して身体の硬直か所をほぐすといった、癒し機能のひとつです。そのために電磁気発生システムが組み込まれているに過ぎません。鍼灸効果は飛躍的にUPします。あ、灸の方はコントロールが難しく、事故が多発したので機能から削除されました」(る
灸も癒しには違いないが治療に近くなるよな。おおかたやけどさせたんだろ(な
ご明察です。その…まあ…いろいろあったようです(る
電磁気…こっちの方はいささかわかんねーな。エリラ、磁気魔法ってあるのか?(な
しらなーい。そんなの初耳~。でももし、磁気に作用する魔法があったら、地球めちゃくちゃにできちゃうんじゃないかな。たぶん、地震なんかも意図的に起こせるようになるだろうし。いわゆるオタク文明で言うファイナルウェポンだよ(え
…考えすぎかもしれないが、そのファイナルウェポンになる終末魔法の研究の副産物…なんてことも考えられるな。ゴーレムは。人は、何かを守るために他を殲滅する手段を考えないでいられない生き物だ(な
ちょっとお、誰かナシくん呼んできた方がいいわよ(れ
ときどきあさってにいくな(み
え? 明日じゃなくてあさって? 今日は?(は
はち、おとといこいってしってる?(え
あ、ひっっどーい(は
「そーいえば、しんきゅーって、何?」(え
「1年生が2年生になること」(み
「それは進級でしょ? 新しい事と古いことだよー」(は
「それは新旧」(れ
「おもしろいひとたちですね。うふふ」(る
うふふだって(は
うふふだ(み
「鍼灸ていうのは、ほらアレよ。ホラヘリを寝かすときに話したことあるでしょ」(れ
「あー、あのからだにいっぱい穴があるヤツ~!」(は
「ああ、思い出したー あれかー。あれって、眠らせるポイントじゃなかったんだ」(え
「本来は治療に使うものよ。麻酔にも使ったり」(れ
「オタク文明では、あれを突いて人体を体内から破壊するのがあったぞ」(み
「あ、あたしも見たー あれすごいよねー」(は
「ホラヘリ…あなた方は、あれにあったことがあるのですか?」(る
「うん。退治したよー。大変だったけどねー」(え
「あんなものが、竜の内部に…」(る
「なんか竜が食べたものの中に混じってたみたいなんだけどね。しってんの?」(え
「以前、私たちの国が滅びかけたことがありました。私たちの対魔獣フェロモンも通用せず、最終的に多くのものが自爆攻撃をしかけ、ようやく沈静化したことがあります」(る
「…そうだったの」(れ
「あなたたちは一体どうやって…でも…先ほどの戦闘、事後のミニマム、そしてナシのアンプ…理解できる気がします。うふ」(る
「…アンプっていわれてもピンと来ないねー」(え
「ねーみのちゃん、あんぷってなあに~?」(は
「楽器を演奏するときに楽譜も何も見ないで演奏することだ」(み
「それは暗譜でしょ」(れ
「はちー、あれもライブラリの別館にあるから、あとでみとくといーよ」(え
「ほんとー? ありがとー えりらってばもー、すっかり書庫の管理人だねー」(は
言い得て妙(み
ほんとねクス(れ
「暗部なら…だめね。政治の話はつまらないわ」(れ
「ルルアなら陰部」(み
ぎょ
「あれ? なーに? 今みんななんか空気かわったよ~?」(は
「なななそーお? 気のせいだよー みのー、ダメだよーいいまちがいわー」(え
「陰部。なかなかとがった表現ですね。みの。それは、私への挑戦ですか? 挑発ですか?うふ」(る
「象徴をしゃれでいった。他意はない」(み
「そうですか。言い得て妙かもしれません。気に入りました。うふ」(る
気にいるんか(な
「気にいらないでいいから」(え
あのー、いんぶって?(は
「あ、あれ、出口が見えたわ!」(れ
「…レンダは、なんで慌てているのですか? まるで、話をそらそうとしているようです。うふ」(る
「そそそー? いやーだってやっと出口じゃん ゆっくりできるといーよねー おなかすいたし」(え
「あ、あたしもおなかぺこぺこー」(は
「静かなところだといいな」(み
「ほんと もーさっきみたいなのはこりごり…」(れ
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▼蒼黒い色のエリア
そこは、先ほどまでとはまた、カベや岩の色が異なって、今度は青みがかった黒い色調のドームだった。予測されたドームとドームの間に休憩所に相当する空間はなかった。問題は、話に夢中になってどのくらい歩いたか全く記憶にないことだ。これでは、距離の記録ができん。ま、道中にキケンはなかったから、合間を見てハチに走ってきて貰おう
「やだなー、またドームだ なんかさっきので怖くなっちゃったよー」(え
「でも、何かここには、草が生えてない?」(れ
「ほんとだ。草だ」(み
「ほんとう。これは、あたしの地元でもよく見かける雑草だよー。何でこんなところに…」(は
「とりあえず探索とかは後回し。いちおー見通しはいいけれど、さっきみたいなことがあるといやだから出口のそばにいよーね。ミノー、おうちだしてー」(え
「うん」(み
レンダ、敵の気配とか、違和感は?(え
うん、今のところ大丈夫みたい …さっきはごめんなさい(れ
いーっていーって! こうしてみんな無事なんだからさ!(え
岩窟荘(いつの間にかそんな名前がついたらしい)に、応接セット(といっても、簡単な腰かけや敷物)、食料類を広げる。ルルアは無表情なりに、なんか目を丸くしてそれをみていた。
「驚きました。これだけのものをいつも持って…。しかもそんな小さな袋の中に..うふ」(る
「まねー とりあえずご飯にしよ」(え
「野菜類に果物、そして生肉のお刺身やお魚のお刺身ばかり…。煮炊きしたものは無いのですか?」(る
「竜のお腹の中でたき火ができる~?」(え
「あ そうでした。失礼しました。お腹の中で火を焚いたら、それは申し訳ないですね…」(る
「まいーからいーから。ほひぇっほほほとぼあとえしぇつえーひゅううかあ」(え
食いながらしゃべるな。前もやったなこれ(な
いやー、なんかついねー(え
やっぱりおいしー 念話ってこういう時すっごくべんりだねー もぐもぐ(は
ほんとに。ルルア、好き嫌いはある?(れ
ありません。なんでも食べます いただきます…… おいしい!(キラりーん)(る
みんなのおいしい波動にルルアのおいしい波動が加わる
やっぱりいいよね~~。こーやってみんなで食べるのって ニコニコ(え
結局、命からがらの逃避行やルルアの合流などでみんなかなり疲労していたらしい。満腹になると、みんなばったり寝てしまった。
ごく一部は、それでも一暴れしないでいられないようだったが