第18話-2 緑のエリア..いた?!
登場人物
ナシ(な :異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。エリラの魔法でむちむち美少女キャラの体を得るが、所有権はほぼエリラ。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。
エリラ(え :魔導師
17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。同じく再生したナシとともに、1つの体を作る。ホントの姿は謎。ナシのデザインしたグラマラスボディにピンクのロングヘアはまんざらでもなさそう。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる勝ち気、前向きでキュートな元気娘。
ハチ(は :妖精族
竜の中で再生していた生存者1号。ふわっとしたなごみのオーラを持ち、明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛がステキ。わりと天然で、なにより素直でまっすぐ。格闘技に長け、異能は力持ち。見るものを幸せな気分にする「最高の笑顔」の持ち主
ミノ(み :鬼娘
第2の生存者。キューとなメガネっコ美少女で、スタイルもいい。おっぱいが自慢。偏屈気味で寡黙気味、わりと毒舌。なりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。戦闘力はめっちゃ高い。
レンダ(れ :獣人
第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。見せたがり気質。
美人で、自称学者。いろいろ自分の体を改造している。どっかポンコツ。異能は不死(笑)
▼先へ
ともあれ、とりあえず俺たちは先に進むことにした。
来た時と同様、幅は3~4m、高さは5mくらいの道が続く。分岐点はないが結構曲がりくねっていて先が見通せない。そして多少の上り坂。生存者・犠牲者の埋まっていそうな赤いカベはない。しかし、いつのまにか黄黒いカベと床が、黒緑色に変わっている。深緑色の岩…岩石…グリーントルマリンやヒスイとかのような明るさはない。一体なんなのだろう。
「出口よ」(れ
ほぼ予想通り2~3時間もいくと、遠目の効くレンダがいち早く終点を見つけた。
それにしても、こんなに単調でモンスターも出ない道中。いっそ最初から『次のフロアにつきました』でもいんじゃね? まあ、とりあえず8日目の後半のことである。
ことである!(え
ことであるーー♡(は
ことである(み
ことであるのね(れ
…うざい。ひとりにしろ(な
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
▼深緑色のドーム
出てきてみると、そこは地面にぽかり開いた穴だった。今までのような洞窟の出口とは趣が違う。
何より、一面鍾乳石というか…奇岩にあふれた異様な風景だった。広い。だが、おそらくここもドームクラスくらいではないだろうか。見通せないが、また一周してみればわかるだろう。
異様なのは岩肌や地面の色合いだ。深緑色といえばきれいな感じだが、やはり黒が混じった緑という色合いだ。
天井も地面も岩肌もそそり立った無数の奇岩も垂れ下がってきている巨大な鍾乳石も、みんなその色だ。
「すごい景色だねー」(え
「きれいというか、こわいというか…すごいねー」(は
「見事だ」(み
「なんなのかしら? 鍾乳洞? みたいだけど」(れ
レンダ、魔物とかの気配は?(な
「…わからない なんか… なんかすごく変な感じ。いる…けど…いない…みたいな…」(れ
「何それ?」(え
「いるけどいないものなーんだ」(は
「イルカ」(み
「はずれー ナシくんだよー」(は
「あ」(み
「いないけどいる、じゃないの?」(れ
「あれー?」(は
「…どーしよー。先に拠点の場所きめる? 一周する? それともおやつ?」(え
「おやつー」 (は 手を振ってニコニコ
「賛成」(み
「あ、わたしも…」(れ
レンダもかい…(な
な、なによ。あたしが言ったらおかしい?(れ
そ、そーゆーわけじゃ。…ただ、か、かわいいなって(な
ふふ そーゆーところ好きよ(れ
うわーちょろいねー レンダ(え
やすい おどろいた(み
えー そお~? あたしもレンダの素直なとこ好きだよー(は
もー みんなあ///(れ
わずかに風がそよぐ。そういえば、ミノ達がいたドームでも風があった。
それにしても、大小さまざまな、深緑色を帯びた鍾乳石が垂れ下がり、先のとがった奇岩が無数にそびえている。足場もあんまりよくない。
「闘いには、不向きね」(れ
「そーだねー まあ、飛んで蹴るところはたくさんあるから」(は
「うん 珍しい闘いができそう」(み
…… まあ、おびえるとかっていうのよりは、頼もしいか…(な
一瞬、アレだって思っちゃうよね(え
アレってー?(は
勇ましいとか(み
戦闘狂とかでしょ(れ
…ぼくじゃありません…そう思ったの(な
「せっかく4人いるんだし、念話も使えるし、二手に別れようかー たまには」(え
「そうね」(れ
「いちおー飛び道具使いと肉弾戦派のコンビがいいね」(え
「そう思うわ」(れ
「ナシと組みたい」(み
「えー? アタシもナシくんがいーな」(は
「あら、あなたちも?」(れ
「こらー あたしだぞー! 魔法で遠距離攻撃ができるのはあ、た、しーー!」(え
「わかってるってばー」(は
「じゃあ、くじでもする?」(れ
髪の毛を抜いて、ツメで切る。4本にして、2つにリボン状の結び目
「これでいいでしょ?」(れ
「……」(え(み(は
ねえ、尻尾すごいね(えり
ほんと。ぶんぶん..(は
イカサマ(み
失礼ね。なにもしてないわよ(れ ぶんぶんぶんぶんぶん
ほー、すごくうろたえてる(え
レンダー、尻尾しまっとけば?(は
そうするわ じゃあらためて(れ
「ハチー 髪の毛1本ちょーだい?」(え
「いいよ~~♡」(は
「なんでよー!」(れ
「人望」(み
「とゆーわけで、厳正な抽選の結果、あたしとミノ、ハチとレンダの…」(え
それじゃだめじゃん(な
遠距離チームと近距離チームにきれいに分かれた(笑)
「あ」(え
「もういっぺんね(ふふ)」(れ
「もーこんなことでいつまで時間つぶしたら…」(え
「要するに、最初からエリラと私は別々」(み
「うん」(え
ポシェットから果物を取り出すミノ
「私は果物、エリラはナシ」(み
「うん」(え
エリラはナシだってー(は
なんかいいわね(笑)(れ
「そして…」(み
「そして?」(え
「右と左、どっちがいい?」 (果物を見せて、両手を後ろに隠す)(み
「引くんじゃないの?」(え
「ふたりとも果物を引いたら、エリラひとり」(み
「なるほどー」(え
「果物を持っているのは、左か右のどっちか」(み
「わかった。いいよ~」 わくわく(は
「わかったわ」(れ
「レンダ失格」(み
「なんでよ!」(れ
「第三の眼が、今薄目を開けた」(み
「いいがかりよ!」(れ (ぶんぶんぶんぶん)
しまい忘れてる(え
だね(苦笑)(は
「じゃあ、どっちの手だ」(み
「だってあなた、両手で持っててどっちにも持ち替えられるように… あ」(れ
「語るに落ちたな」(み
だからレンダは面白い(み
ほんっとに面白いねー(え
くやしい~~(れ
「ナシ、後ろにまわって思考を止めろ。どちらかの手にあることだけ確認しろ」(み
いーよー(え
「ナシに言った」(み
「何であたしじゃダメなのよー」(え
「気分」(み
「あのねー」(え
「ハチ どっちの手がいい?」(み
「右~!」(は
「はずれだ。果物は左。エリラと組め。レンダは私 いい?」(み
「やったー! なしく…え、エリラと一緒ー♡」(は
いーよ、気を使わなくて~...(え
あーんえりらー! すねちゃやだー(は
「とゆーわけで、レンダ、おつかれ」(み
「わかったわ たいした頭脳ね。ミノって」(れ
「たいしたことない レンダは楽しい」(み
「ふーーなんか2チームに分けるだけでおおごとだねー」(え
苦笑(な
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▼さていってみよう
「とりあえず、こっから見て右と左 って感じかな?」(え
コンパス… あ…(な
「どしたのー?」(え
竜が動いてる(な
「へ?」(え
あら、ハリが安定しないわ(れ
ここを起点に、西と東とか、分けられると思ったんだが...(な
「さすがに気の毒でさすがの私もつっこめないよー ナシくん」(え
「つくった意味がなかったねー」(は
はち..(み
あ ご、ごめーんナシくーん(は
ははは(な
「じゃあ、こうしましょう」(れ
レンダが刀を抜いて、柄にポニーテール用のヒモを結びつけた。そして、天井に向けて投げる
「ちょうど、この上。あのひもを頼りにしたらどお?」(れ
「なーるほどー。じゃあ、もうちょっと目立つようにするね」(え
ヒモが、幅30cmくらいの布になった 時々わずかに棚引く程度で、静かに垂れ下がっている。
「あとで元に戻すから♡」(え
「ありがとう。これならたぶん、離れてもわかるわ」(れ
「じゃあ、あたし達こっちいくねー はちーがんばろー」(え
「うん♡」(は
「了解 レンダ。いこう」(み
「いきましょう」(れ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「やっぱり、かべから見ていく~?」(え
そだな(な
「あたし、そこにあるおっきな鍾乳石の裏、みてくるね!」(は
あー 頼む(な
ナシくーん、みんなー なんかあるよー!(は
「はや!」(え
まじか(な
うそ(み
ええ~もお?(れ
エリラ、炎魔法、大きめの火の玉を上に。いわゆる発煙筒ってゆーか発火弾というか(な
わかった! しゅぼ! ミノ、レンダ、上見てー ここにいるよー(え
まだ見えてるわよ 二人とも(れ
あ…(え
今日はナシのなし崩しの日だ(み
誰にだって調子の悪い日はあるわよクスクス(れ
いやー、どちらかとゆーとこれこそがナシって言うかー(え
いいからここだよー(は
幅3m、高さ10mくらいの、でかい鍾乳石の手前に出てきて、ハチが手を振っている
そこには、脚を投げ出して、鍾乳石に寄りかかるようにしている人型のものがあった
「なに? これ。ひと?」(え
体の背中側半分が、岩にめり込むようにしてほとんど同化している
「どーかしている」(み
「みのちゃーん、それまえにやった」(は
「あなたたち、こんな状況でどうかしてい… あ ううん。なんでもないわ」(れ
にやにや くすくす っくっくっく あははははは
うるさいわねー 思念で笑わなくていーわよー(れ
「学者、なんかわかるか?」(な
「なんのことかしら」(れ
「れんだおねーたまー」(え
「つーん」(れ
「レンダさん、なにかわかる?」(は
「ハチはいいこねー。これは……」(れ
「わかるんだ」(み
「わからないわ」(れ
誰かこのポンコツ殴ってやれー(え
まあまあ(な
ほとんど、岩と一体化しているというか…もともと岩か、石か?(な
そうね…だいぶ風化しているようね もともと、人型のようだけど、なぜ?(れ
俺の世界には、マネキンっていって(な
知ってるー お洋服着て立ってるディスプレイ用の人型人形!(は
ライブラリ..(み
オタク文明セクションでも、なんかロボットとかーあんどろいどとかー、機械人形ってゆーのががあった気がする(は
ハチもよく見てるね。あたしもそれを思い出してた(え
わざわざマネキンなんて引っ張り出す意味ない(み
はい。今日の私はナシ崩しです(な
すねないすねない みんなキミのライブラリーには楽しませて…じゃなかった、感謝してるんだから~~(え
ナシくんステキよー(は
頑張れナシー(み
手間がかかるわねー… かわいい くす(れ
いいことを教えよう! 思念体でだねー こーやるんだー むに~(え
こら、エリラ それあ(な
えー? どーするの? こーー? だきしめー(は
ほー、これはおもしろい ぎゅ(み
まあ じゃあわたしは 脚で…きゅ(れ
はい。どうもありがとうございます。元気になりました。感謝します(な
ね、ちょろいでしょー(え
いーこときいたー(は
うん、コレは楽しい(み
えりら、感謝するわ(れ
さてナシくん。次はどうするね?(え
うーん、目の前のみずみずしいハチ 可愛いけどダイナマイトのミノ、すらりとしていてそれでいて色香むんむんのレンダさん この肉体の肉感が…こ、この思念体アタックは、ある意味ナマの感触よりもダイレクトに響くような気がする(な
こりゃだめだ、あっちいっちゃった(え
え~~?(は
無理もない(み
「しょうがないわねえ… えりら、とりあえずそれほっといてあっちの岩にいってみない?」(れ
「そだねー」(え
「ここにもあるね」(え
「これは、髪の毛とかがある」(は
「体も…女性体型」(み
「そおね」(れ
「そこの上にも! あそこから手が出てる」(は
「あっちには脚」(え
「首が取れて胴体だけになってるのもある」(み
まるで、マネキンの墓場だな。壊れたアンドロイドとか…(な
「あ、戻ってきた」(え
さすがに、こいつはちょっとショックがでかいぜ…文字通りリアルおたくビジョンだ(な
でかいぜ(え
でかいぜ(み
もー、みんなあ(は
エリラ、めんどーだけど、確認した岩の柱には印をつけた方がいーと思う。目立つヒモかロープみたいなの、だせるか?(な
「出せるよ。何色がいーかなー? このへん、みんな緑系だから」(え
「赤か黄色ね」(れ
巻き尺…じゃないな。ロープを巻いたみたいなヤツがいい。イメージは…(な
「オッケー 簡単には切れないけど、引きちぎれるくらいのがいいよね」(え
ふたり一組で、みてまわった脊柱にロープを巻いて歩く。手間だが、これが一番確実だ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
意外と頼りになるのよね ナシくんって(れ
そーですよねー よくいろいろ思いつくよねー(は
さすがおたく(み
ほんっとーにそー思う。これみてると、少々のぼけなんてかわいーもんってゆーか、許容範囲だよ(え
だよねー♪(は
まだエリアの1/4くらいかなー(え
ここまで見てきた感じだと、傷み方というか随分差があるわ。元の形がわからないくらい古いのもあれば、まだ数年しかたってないみたいなのもあるし(れ
で、何か全部石の柱にくっついてるよねー(は
顔がわかるのがあった。不気味(み
こーゆーのが一斉に動き出して襲ってくるとこわいんだよな(な
やだーやめてよー(は
ありうる(み
フラグだねー(は
でも、あたし達ならどーってことないんじゃないかしら(れ
そりゃそーか… なんかますますヤな予感がしなくもないが(な
ともかく、中央側から左右、外側(壁ぎわ側)、そっからまた中央へ、数メールおきにそびえる脊柱をぐるっと回る。なんか落とし物と言うより、いいもんが落ちていないか漁りながら歩いているような気がしてきた。
やがて、半分くらいまで来た頃
「ナシくん! これ」(え
緑の柱の一部が赤黒く染まり、女の太ももというか、太ももから先の脚が石カベから出てていた