第16話 6日目-1 次の生存者
登場人物
ナシ(な :異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。エリラの魔法でむちむち萌えもえ美少女キャラの体を得るが、所有権はほぼエリラ。
竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。
エリラ(え :魔導師
17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。同じく目玉として再生したナシとともに、1つの体を作る。ホントの姿は謎。ナシのデザインしたグラマラスボディにピンクのロングヘアはまんざらでもなさそう。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる勝ち気、前向きでキュートな元気娘。異能は創造。メンバーの衣装を自在に無からつくってしまう魔法のお洋服やさん(笑)
ハチ(は :妖精族
竜の中で再生していた生存者1号。ふわっとしたなごみのオーラを持ち、明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛がステキ。わりと天然で、なにより素直でまっすぐ。武道、格闘技に長け、異能は力持ち。見るものを幸せな気分にする「最高の笑顔」
ミノ(み :鬼娘
第2の生存者。キューとなメガネっコ美少女で、スタイルもいい。おっぱいが自慢。偏屈気味で寡黙気味、わりと毒舌。なりの切れ者。自称空き巣。窃盗衝動の条件反射持ち。
特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。角のせいか竜気の影響が少ないみたい。戦闘力はめっちゃ高いよー
▼6日目 荒野4日目
結局、敵の群れを撃退したあとは食事して、寝てしまった。それなりに戦闘は消耗するらしい。それでも、夜の間にハチとミノはひとじゃれ合いしていたらしいが。
「こうなってくると、一応コンパスある方がいいかもしれないな。どんな理由にせよ、霧が出るとなると少し備えておいた方がいいと思う」(な
「コンパス~?」(え
「磁石って知ってる?」(な
「羽広げるヤツでしょー」(え
「それぁくじゃく」(な
「えらそーなこどものおっさん」(え
「ししゃく アレこどもっって意味じゃねーぞ」(な
「水を汲むアレ」(え
「ひしゃく」(な
「見てて飽きないな」(み
「そーだよねー♪」(は
これ (な
ビジョンを浮かべる
「あーそれー 方位磁石ね それならそーと早く…」(え
「…マジであるのか?」(な
「あるよ。あたりまえじゃない。なんで」(え
「ここどこ?」(な
「竜のお腹の中」(え
「じゃなくて……地球って知ってる?」(な
「バカにしてんの?」(え
「…地球なのか? 異世界だろ?」(な
「地球は地球だよあたりまえじゃない って、異世界も地球なの?」(え
「いや、俺の星は火星だ」(な
「えー? いや、でも言われてみたらそんな気がするー」(え
「うそだ」(な
「○×△□~~!!」(え
「あたしも火星だ」(み
「え? ミノも?」(え
「たくさん稼いだ」(み
「ハチー! あいつらひどいんだよー!」(え
「まあまあ」(は
地球…偶然の名前の一致か、どの世界、どの星、どの次元でも、母星を地球と呼ぶのが知性生命体の本能みたいなものなのか(あえて知的…とはいいたくねー)。
アリンコやゴキブリにも自分たちが地球の上にいるっていう認識ってあるのかな?(え
生命体の自己認識と世界認識の範囲は、人間如きの及ぶものじゃない。今必要なのは、磁石。この議論じゃない。(み
ミノー…さすがだねー(え
当然。…ありがとう(み
えーん せっかくみんなの念話が聞こえるよーになったのにわけわかんないよー(は
はち、いいこいいこ(み
いいこいいこ♡(え
ふしぎー なんかなでて貰ってる感じがする~ (は
………(な
ナシくんは?(は
いるよー でもこういう空気じゃ出てきにくいんじゃない?(え
わきまえるという言葉は嫌い。でも、判断できるやつはスキ(み
ほー、スキとな(え
アタシもナシくん大好きだよー(は
どーにもいたたまれないな(な
きこえてるよー(え
聞こえてる(み
聞こえるよー♡(は
このままじゃ意識がもたねー.(な.
身が持たない(笑)(え
無理もない(み
そーなの?(は
「とゆーわけで方位磁石ができましたー!」(え
「たったそれだけのために、よくこんなに引っ張るな」(み
「いつものことだよ~♪」(は
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● 探索再開
「ではしゅっぱつしんこー! って…、なんかこんな広いのに壁沿い歩くのってー、なんかなー」(え
「二手に分かれる?」(み
まあ、急ぎ旅じゃないし。とりあえず生存者の探索が目的なんだし(な
「そうだね」(え
「ここから足や手が生えているんだ…不気味」(み
「こわいよねー」(は
「あんたたちはー…」(え
「上は見なくていいのか?」(み
「え?」(え
「ずっとカベ」(み
「そっかー そー言えば..」(え
「地面の下はいいのか?」(み
「?」(え
「いつでも、手や足が出てると決まっているものでは…決まってるのか?」(み
「さー」(え
とりあえずは、見えるとこだけ見て歩いてきたからなー。カベの中や床、天井…みえないところは、それこそ探知能力のあるやつでもいないと無理だろう(な
「そーだよねー」(は
「とりあえずさー、あたしカベの下とか見るからー、ハチは背丈より上見て歩いてくれる?」(え
「いーよー」(は
「みのはー……」(え
足元の、左側の地面とかかな。みんなカベの方に集中してるから(な
「わかった」(み
「カベの中とか、床下とか、天井裏とかに埋まってたら、ごめんねー ってことで」(え
「…天井裏?」(は)
「まあ、あながち間違いじゃないだろう 上にフロアがあれば」(み
「あ、なーるほどー」(は
上のフロアか そういう可能性もあるんだな…(な
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…………たいくつだねー」(え
歩き出したばかりだぞ(な
「いつまで歩くんだろー」(え
計算上は、ここ、東京ドームと同じくらいだから、普通に歩いて一周10分くらいのはずだ。まあ、落とし物捜しながら歩くよーな感じだから、もーっちょっとかかるだろうけど、せーぜー20~30分くらいのもんじゃないか?(な
「とーきょーどーむってなにー? 最初もそんなこと言ってたよねー」(え
「ナシのオタクライブラリに時々ある イベントとかする広い土地」(み
「えー? みのちゃんナシくんのライブラリー見たのー?」(は
「面白いぞ ハチも今度一緒に見よう」(み
「あたしもあたしもー! 魔法とか闘いとかいろんなのがあるんだよー」(え
「わー楽しみだなー」(は
言いたい放題だな …もー、スキにしてくれ(な
「お許しがでた」(み
「あたしなんてー、そんなことカンケーなしに見てるもんねー。もはやあたしの私物だよ♡」(え
「えりらずるーい!」(は
そーこーいってるうちに半分来たぞ。出発地点の反対側の洞窟だ(な
「あー あっちの、このへんにミノが埋まってた」(え
「そうか」(み
「なんかなつかしーねー …でも、あれって昨日…おとといのこと?(」は
「ナシくーん!」(え
ああ… ちょっとまて、ノート見てみる……エリラ、歩くのとカベは頼む(な
「あいよー ミノー右のカベ見てねー」(え
「うん …べつに立ち止まってもいいんじゃない?」(み
「あ、そだね(汗)」(え
どん すぐ後ろを歩いていたハチがエリラにぶつかった
「きゃ」(転ぶ(は
「あ、ごめーん」(え
手を貸すエリラ
M字開脚 ふともも… アンスコとはいえ…布の量は控えめ(な
ナシくん。目線!(え
なんのことかな?(な
ぷんぷん顔のハチ
「油断も隙もないねー」(え
ナシの意識、☆ とんでる
「少し離れて歩こ」(え
「別に一列に並んで歩く必要ないんじゃないの?」(み
「おお、随分立派な本」(み
日記帳だ うん。ここについたのが3日目で、だいたい出発点から18キロ。翌日…が、昨日のことで、今日は6日目。まだ3日しかたってないぞ(な
「うわー 相変わらず密度濃いねー はるか昔のことみたいなんだけど」(え
「あたしもー。なんかもーずっっとミノちゃんと一緒にいるみたい」(は
「そーだな」(み
・・・てくてくてくてく
「そだ、そー言えばミノってさー、指弾!とか指弾乱れ撃ちとか、いちいちわざに名前つけてんの?」(え
「いや ナシのライブラリみて」(み
「やっぱり☆」(え
「カッコイイ」(み
「そーだよねー でもなかなかねー、なじまないってゆーか、ネーミングって難しーよねー」(え
「わざの名前か~ 一応正式名称とか教わったけど…」(は
「へー どんなの?」(え
「火の鳥の求愛そのいち、最初の衝動! てゆーのがこれでー」(は
(構え
「衝動その1から156くらいまであってー、次が異性を守る舞いってゆーのがー…」(は
「そそそ、それ全部覚えるの~? てゆーか覚えてるのー? てゆーか覚えなきゃなんないのー?」(え
「えへへ~ …だったら大変だっただろーなーって」(は
「そーか」(はちもこーゆーやつだったのか…)(み
思えばアニメやマンガやゲームのたびによく次々色々考えるよな…覚える方も覚える方だが…(な
意外とさー、闘ってる時ってとっさに言葉でないよ~(え
だよな(な
だからヒマなときに考える。でも、口から出任せがほとんど(み
ねーねー、『おおやまこなごなぱーんち』なんてどーかなー(は
……い、いいんじゃない?(え
やめとけ(み
「敵と闘うのは楽しいんだけどさー、お洋服がボロボロになるのやだな~」(は
「うん エリラ、作るときにもっと丈夫にできない?」(み
「無理! そうするとしなやかさがねー、どーしても…。一度ナシにぼーだんちょっきっていう丈夫なのイメージしてみて貰って作ってみたけど、ありゃーダメだね~。あんなんで作ったらヨロイみたいになっちゃうよー」(え
いっそコスチュームごと竜の血のシャワーあびるってのは?(な
「それはいや!」(3人)
「あれー? しゃべってるうちにそろそろ終点だよー あれが出てきた時の穴」(え
「ほんとだー ほんとにもーついちゃうー 結構早いね」(は
最初が手、次が足、次はお尻かおっぱいか…かと思っていたんだが(な
「なーにかっこつけて『思っていたんだが』よー。このあんぽんた… あ」(え
「なーに?」(は
あ.......(な
「お尻」(み
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「こりゃー…女のコ…というよりオンナの尻だね… …ってまたおんなー? いったいどーなってるのよーこの竜わー!!」(え
「あはは」(は
「岩肌の凹凸がカモフラージュ…気づかなかった」(み
ここだけやや岩肌感が違うし、地色は赤黒い。まわりの黒橙の色合いとは明らかに違うが、完全に見のがしていた。
「ミノがしていたー!」(は
「やめろ」(み
「なにしてたのかなー?」(は
「…ハチ、あの2人のマネはやめた方がいい」(み
「そーお?」(は
「先に進まなくなる」(み
(笑)(は
「こんな近くにあったんだねー。あそこ、出てきた洞窟だよー」(は
「…10mも離れてないじゃん」(え
「目と鼻の先」(み
「なし、ちょっとこい」(しゃがんで手招きするミノ)
「なんだ」(な
「ミがみえる」(み
すぱん
「ハチ、何をする」(み
「何をするじゃありません!」(は
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「…これは体育ずわりの尻だ」(な
「飛び込みのポーズじゃない?」(え
「お尻つきだしてるこれかも」(ハチ、ヒザに手をあててお尻を突き出す)
「屈伸」(ミノ
「おー、手のひらぺったり~ さすが盗賊」(え
「空き巣だ」(み
「あたしもー!」(ぺったり (は
「さすが格闘家」(み
「へへー」(え
ナシくん。いま、後ろにまわろうとしなかった?(え
ま…まさか(な
そんなに見たいか?(み
してあげよーかー? 股のぞきって逆さまに見えるからたのしーんだよ(は
う、うれしいが…じゃ、じゃあたの…(な
「せんでいー! さっさと掘るよ! いつまでお尻ほっとく気だー!」(え
「あ☆ 」(は
「あ.. 忘れてた(苦笑い」(み
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「えーっと、いろんな可能性があるのでー、俺が先ず最初にやります。慎重に進めるので-、おおよその形がわかったところでいったん中断します」(な
「なんで敬語になってるのー?」(ハチ
「てれてんだよ」(え
「なんで中断するんだ?」(み
「あのねー、りゅーがぎゃーってなって再生が始まるの」(は
「なるほど」(み
「今のでわかるんだ!」(え
「だいたい。意外と鈍いんだな。この竜。あるいはそれほど巨大か」(み
「…さすがだね~」(え
「んじゃとりあえず…」(このへんからか…お尻の脇あたりのカベに手をあてる (な
「ねーお尻叩く~?」(え
…いや(な
「触らないの~?」(は
…さすがに(な
「なでまわし、ほおずり..」(み
…せんわ!(な
「おお。柔らかくて形のいいお尻」(み
ミノがなで回している
「ほんとだー!」(なでなで (え
エリラ~(な
「じゃあ、あたしも…つんつん…わーけっこー柔らかいね~」もに (は
こいつら… どうせ俺の仕業か(な
わかってきたな(み
そんなことしないよー♡(は
何? この赤いカベ…むちゃくちゃカタイ…。あたしでも無理。傷もつかない…(み
「はーい、では発掘開始ー! ナシくんヨロシクー!」(え
「自分で言って自分で始める…おもしろいな」(み
「だよねー」(は
ぐさ ぶしゅー
「! ナシは素手でなんであんなことが…」(み
「アレがナシくんの異能だって」(は
「なるほど。ブースターだけじゃないわけか」(み
このお尻の感じだと、やっぱり体育ずわりだと思うが…。慎重にお尻まわりの肉をえぐっていく。左右、下側、そして背中があるであろう方に。
さすがに3度目ともなると、自分の手は竜の肉に対しては少々の力でざっくりいっても、ひとの肉体はざくっと行かないことがわかってきたので、あまり神経質にならずにすんでいた。
背中が見えてきた。髪の毛がかかっている。ロングヘアだ。
頭部にかかる前に、肩から両脇、右腕……外側の肉カベが邪魔なのでそっちをざっくり掘って空間を作る。どうやらアタリだ。両ヒザを立てた体育ずわりだ。
ぐら
「来たね~」(え
作業を中断して穴から離れる。
「エリラ、今のうちに死の魔法かけちゃえば?」(な
あ、そだね …死のオーラね(え
みるみるうちに穴が修復されていくが、被害者の肉体に吸着はしていない感じだ。
「ふー、2人にはこれ渡すね。シャベルとスコップ」(え
「ほお」(み
「これ使うとねー、ザクザク掘れちゃうんだー!」(は
「ふたりは、だいたいこっから外側をお願い。あたしは、お尻の下とか上のほうやるから」(え
「まかせてー ミノちゃん左おねがーい」(は
「わかった」(み
やはり馬力がある2人がかかると早い。オキニの衣装も返り血を浴びてびしょびしょだ。服のまま血を浴びるのはイヤだといっていたが、こういう時は無心に協力してくれる。なんか、そうした心根には頭が下がる思いがする。
その間、俺も体まわりの肉を掘り、ほとんど抱えて取り出せるくらいのところまで来た。後頭部から頭の部分の肉を取り除いていくと、丸い頭部の前頭部アタリで、妙なモノが手に当たった。柔らかい三角形状の…
耳だ(な
獣人族だね。このコ(え
ケモ耳かよ、こんだ(な…
ハチとミノのおかげで、左右にもかなり楽に回り込める。ミノは盗掘も経験があるのか、向こう側から器用に掘り進めて手伝ってくれている。
お宝に傷つけるわけに行かないから(み
さすがだな たしかに、空き巣ッちゃ空き巣だな。…墓荒らしはあんまり感心しないが(な
わかってる。お墓以外の埋められたお宝狙い(み
なるほど(な
ハチ! きこえるか?(な
はーい! なにー?(は
このコの背中抱えて、少しずつ引っ張り出してくれ。俺とミノで、くっついてるとことか床部分とか切っていく(な
わかったー!(は
こーいうとき念話は便利だな(な
うん、ミノに感謝だよ~!(え
なに..ハチの好奇心のおかげ..(み
穴から引きずり出して、すこし離れると揺れが来た。穴がふさがっていく。
まだ、体育ずわりのポーズのままだ。普通の体育ずわりと言うよりも脚を立てて両腕で抱き、足首はクロスしている。
「獣人族」(み
「ほんとだー。なんか久しぶりー」(は
「…この人…手に何か握ってる~!」(え
「うん…」(謎の女)
小さく声を上げ、ゆっくり頭を上げながら目を開けていく。
「しょっと」(謎の女)
すっと立ち上がると、優雅な動きで手に持っていたモノをはき、胸につけた。
パンツの後ろに開いた穴から、ふさふさの尻尾が飛び出す。シャワーを浴びたあとのように首を振って蒼く長い髪をなびかせると、ちょっとうつむき加減の顔がこちらに気がついた。
こっちを見る瞳は黒緑っぽい。鋭いが、茶目っ気のある瞳だ。
「あら、おはよう!」(謎の女 あらため、美女)