第11話-2 掘ろっか
登場人物
ナシ(な :異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。エリラの魔法でむちむち萌えもえ美少女キャラの体を得るが、所有権はほぼエリラ。
竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。
普段は念話で語るが、表に出てくるときは金色の瞳になる。
エリラ(え :魔導師
17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。同じく目玉として再生したナシとともに、1つの体を作る。ホントの姿は謎。ナシのデザインしたグラマラスボディにピンクのロングヘアはまんざらでもなさそう。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる勝ち気、前向きでキュートな元気娘。
異能は創造。メンバーの衣装を自在に無からつくってしまう魔法のお洋服やさん(笑)
ハチ(は :妖精族
竜の中で再生していた生存者1号。ふわっとしたなごみのオーラを持ち、明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛がステキ。わりと天然で、なにより素直でまっすぐ。武道、格闘技に長け、異能は力持ち。パワーはゴジラ、スピードは新幹線なみっぽい。
最大の魅力は、見るものを幸せな気分にする「最高の笑顔」に尽きるんじゃないかなー。
「じゃそーゆーことで! 掘ろっか。手伝ってくれる?」(え
「もちろん!」(は
助けようか、じゃなくていつの間にか化石かお宝扱いだな(な
笑 (え(は
「ハチを掘り出すときに使ったスコップやネコが役に立つなー」(え
「あ、レスキュー道具?」(は
「意外なセリフ! ハチって一体どーゆー教育受けたの?」(え
「それは」(は
「いーから早くしよーぜ」(な
「きゃ ナシくん!」(は
いきなり変わるんだもんなー(は
「この足の感じじゃー、どーゆーカッコで寝てるか想像がつかない。ヘタに掘ると、体を傷つけちまうキケンがある。だから、最初は俺がやる」(な
「それとー」(え
「わ!」(急に声が変わるって、やっぱり結構びっくりするなー)(は
「ごめんね、えっと、時間がかかると、竜がいてーって騒いで、せっかく掘った穴がふさがっちゃうからー、あんまりゆっくり掘るわけにも行かないんだ」(え
「そーなんだ」(は
「さすがに二度目だからねー」(え
「苦労かけちゃったんだね ごめんねー」(は
「いーってことよー! おかげで毎日楽しいし! で、先ず見えてる部分まわりを、ナシくんが掘っていく。ハチは、コレで大丈夫っぽいところを掘ってって。こさいだ肉は…」(え
「こさぐ?」(は
「あ、掘り出した肉は、あれにほおりこんで! あたしが邪魔んなんないところに運ぶから。疲れたら交代するし。わかった?」(え
「うん! わかった!」(は
目の色変わる 両方とも金色になった。
「じゃ、いくぜ」(な
でたー ばかおたくー(え
てめーわ…(な
「………」 (うーん ナシくんが手で掘って、あたしが補助して…エリラが運ぶって…ナシくんが掘ってるときにどーやって運ぶんだろ-?)(は
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「うーん。この角度で足が出てるってことは、脚は…大の字で寝てると楽なんだけどな(な
「わかるのー?」(は
「わかんね」(な
「あはは」(汗)(は
…こしょこしょ(な
「あは…」(やっぱりナシくんもやるんだ..)(は
ぎゅ
足の指の間に手の指を絡めてるエリラ
「見てみてー 足と握手!」(え
「俺じゃないから」(な
「わかってるよー(笑)」(は
ギュウ
「いてて わー つかまれたー」(え
「大丈夫?」(は
「ふービックリした~ 意識あるねーこのコ」(え
「わかるんだ」(は
「うん。ハチの時と一緒。やっぱり、養分扱いみたい。吸われてるねー」(え
鬼の力って…へたしたら指、締め千切られてなかったか?(な
こわいこといわないでよー …ありうるけど(え
…逆に、加減したのだとしたら…(な
それも、ありうるね。結構期待できるかもしれない!(え
またなんかふたりで話してるー(は
「ともかく脚にそって慎重に掘っていく。親指がこっちだから、小指の方から掘っていけば、大腿骨の外側に向かうはずだ」(な
「だいたい…なんだ」(は
「そのだいたいじゃないけどね…笑」(え
「これ、親指側からやると、内太ももから股間に…」(な
すけべ(え
うるさい(な
「股にあたっちゃうんだ」(は
「…いわなくていー」(な
うわー、女のコ1人ふえるとやりずれー(な
あたしもオンナだよ お、ん、な(え
黙っててください 気が散るので~..(な
ま、一度で掘り出さなくてもいんじゃない? だいたいの埋まってる形がわかれば、いったん穴が修復してもあとが楽じゃん(え
そーだな 今回はハチもいることだし。ありがと。気が楽になった(な
どーいたしまして♡(え
不思議だなー。見た目は女のコなのにナシくんになってるとなんか、頼もしく見える。男の人ってこーなのかな(は
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「だんだん見えてきたけど…こいつ、体ひねってやがんな それにまた、やっぱ女のコっぽい」(な
「えー?」(は
えー、またー? まーむさい男が出てくるよりあたしはかんげーするよ(え
「わるいハチ、俺が入っていけるように、上の方とかまわりの肉ほってくんね?」(な
「わかった!」(は
ぐらぐら
「ほらきた!」(え
「あ、これ痛がってるんだー」(は
「半分くらいってとこか… ハチ、下がって、肉が再生する前に俺を引っ張り出してくれ!」(な
「まかせて」(は
「高さの位置、覚えといてくれ 次は先に大きく穴を開けるところからやろう! エリラ、もう一つシャベルあったよな」(な
「あるよ」(え
「俺、体力回復させたいんでまわり掘るの、ハチと頼めるか」(な
「りょーかい…でもカラダ使うのは一緒だから、あたしが動いてたら休みにならないんじゃない?」(え
「気分の問題だな。まかしている気になるだけで休んだ気になる」(な
「そーゆーもんかなー。ま、いーけど」(え
「うわー、なんか声出して二人で話してるのって、やっぱりすごーい」(は
「おもしろいー?」(え
「おもしろーい! あ、だからさっきしゃべるって」(は
「それは違う」(え(な
「このどーぐのこと。スコップとかしゃべるっていうんだって」(え
「へえー しゃべるんだこれ」 (は
「いや エリラさん、フォローヨロシク」(な
「あ、ずるーい!」(え
「? あれ? あたしなんかへんなこといったかな?」(は
「あはは…」(え
図を描いて説明している
「たぶん、このコはこんな感じで寝てると思う」(な
「うわー、ナシくんて絵、じょーずだねー」(は
「一応、昔絵描きモドキだったんだって」(え
「へー …なんか...」(は
「あ、気がついた? なんかすごくHだよね、この絵」(え
「う…うん このへんの太ももとか」(は
「そーそー お尻の丸みなんてすごいこだわりを感じるよねー」(え
「あの..」(は
「エッチ!」(え
「……」 こーゆー時は沈黙に限る(な
「なんて?」(は
「そのとーりだって!」(え
「おい!」(な
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▼発掘再開 チャレンジ2
今度は最初からおおよその目算が立ったので、ハチもフルスピードで作業にかかった。力がある分、俺よりもはるかに早く、大量の肉をちぎっては投げちぎってはなげって感じだ。最初脇でやってたエリラは適当に俺と交代した。
なんにせよ、今回は実質上、本体のまわりはかなり手堀にしないとやばい。
被害者の肉体を傷つけないよう細心の注意を払いながら、可能な限り迅速に、俺も作業を進めた。
ちょっとした石窟というか、屈んで入れるくらいの穴ができている。結構大仕事だ。
先に穴を掘って安置するのとは逆だからな。ハチのパワーとスピードがなければ、まず無理だったかもしれない。
「よし、全身が見えた!」(な
思った通り体を横に向け、両腕を縮めて上半身だけはいわゆる胎児のポーズだ。
外に出ているのは左足の先で、右脚はその下で軽く曲げている。実際に作業を進めてみると、大の字でなくて助かった。いっそ丸まってくれていたらよかったんだが… それじゃ外から見えないか……。
! そうか。体の一部が、必ずしも外にでているとは限らないんだな(な
そっか、そーだね。気づかなかった! さすがなしくん(え
そうなると、捜索、探索の方法、少し考える必要があるな(な
うん 探知能力…みたいのがあるといいんだけど(え
ソナーか おいおい考えてみよう(な
そなの(え
……わざとか?(な
え?(え
「そろそろ揺れが来る頃かも…」(な
ぐら
「きたー!」(え
「よし、ひっぱりだそう! エリラ、今のうちにこのコに死の魔法を! そうすれば、剥がしたあと、すぐ吸着されることはないはずだ」(な
「オッケー あたまいーね! …殺しちゃうの?」(え
「は?」(な
「死の魔法って、即死魔法だよ」(え
「ああああ~じゃなくてあっちのあのあれ、死の魔法、じゃない」(な
「ナシくんおもしろ~い」(は
「死のオーラだね わかってていった(笑)」(え
のやろー(な
「ハチはいつでも引っ張り出せるようにしといてくれ」(な
「りょーかーい!」(は
まず頭の下に両手を入れて床から引きはがし、次にカラダの下に手を入れて、持ち上げる。
それを胴体から脚まで少しずつ。上にのしかかるような体制になるのはやむを得ない。せっかくハダカの少女だが、今度ばかりはガン見している余裕もなかった。あとでゆっくり見ることにしよう。
…しかしやっぱ女の子のカラダって柔らかいな。おっぱいで触れても…。
「だってさー 聞いたー? ハチー」(な
「聞こえましたー! コメントは差し控えまーす 今は」(は
容赦ねえな まったく。考えてみたら、考えてること全部口に出す必要ねーじゃねーか(な
ばーか(笑)(え
「よし、ハチ、引っ張り出してくれ」(な
「はい! しょっとお♪」(は
いわゆる大人ふたり分の重さも、軽々と外に引っ張り出された。さすがだ
「修復が始まるよー」(は
「エリラ! 念のためも一度死の魔法! ハチにも。それと隠密」(な
「だからー、死の魔法でいいのー?」(え
「だーーーーーーー」(な
「わかってるってー! まかせなさーい!」(え
穴から少し離れて、俺たちは穴が再生されているのを見ていた。助け出した少女は、すでにエリラがシーツを巻いている。…しまった。全身のサイズは少し小ぶりだが、両腕の間からのぞいていた乳房は、かなりすごかったような気がする。腰のくびれも、お尻の張り出し具合も、ぶっちゃけとってもいい女ふう。いわゆる男好きのするからだ、という意味では、ハチに勝るとも劣らない。
「聞こえてるよー」(え
「きこえてるよー」(は
「しのまほー」(え
うるせー!(な
「年の頃は17~8くらいかな?」(な
「あ、あたしはいくつに見えた?」(は
「へ? あ、すごくきれいなコだなって」(な
「わー うれしい!」(は
話が進まないね(え
まあ(な
掘り出したコは、全身が青白くぼんやり光っているようなのが、シーツを通してわかる。顔まわりの肉は、まだついたままだ。それをていねいに、少しずつ取り除いていく。死の魔法のおかげで、ほとんど苦もなく作業は順調に進んだ。が…何か違和感がある。その理由がはっきりしたとき、俺は信じられないものを見たような気がした。てか、唖然とした。
掘り出したばかりのそれは、メガネっコだった。
それも、こめかみのあたりに短いツノがある….。
「だからー、死のオーラだってばー そんなに殺したいのかいキミは」(え
「うるせーなー」(な
面白いなー(は