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第11話-3日目-1 ふたりの三人旅

登場人物

ナシ(な :異界もん

竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。エリラの魔法でむちむち萌えもえ美少女キャラの体を得るが、所有権はほぼエリラ。

竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。

普段は念話で語るが、表に出てくるときは金色の瞳になる。


エリラ(え :魔導師 

17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。同じく目玉として再生したナシとともに、1つの体を作る。ホントの姿は謎。ナシのデザインしたグラマラスボディにピンクのロングヘアはまんざらでもなさそう。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる勝ち気、前向きでキュートな元気娘。

異能は創造。メンバーの衣装を自在に無からつくってしまう魔法のお洋服やさん(笑)


ハチ(は :妖精族

竜の中で再生していた生存者1号。ふわっとしたなごみのオーラを持ち、明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛がステキ。わりと天然で、なにより素直でまっすぐ。武道、格闘技に長け、異能は力持ち。パワーはゴジラ、スピードは新幹線なみっぽい。

最大の魅力は、見るものを幸せな気分にする「最高の笑顔」に尽きるんじゃないかなー。

ハチの初めてのおつかいで大量の食料が手に入った…1週間以上は保つかもしれない。

その晩は石で石窟タイプの寝所をつくる。エリラは不満なようだったが、ハチが思いのほか喜んだ。



あけて3日目。

目まぐるしいくらい、変化に富んでいる気がする。なんか何週間もたったような気がする。

アジト(と適当に呼んでいるが)を出て、つまり旅にでてまだ3日しかたっていないのが不思議だ。

もっとも、ここにいること自体がもはや先の見えない旅だ。


   《良い旅を》


こっちで目覚める前にかけられた言葉を思い出す。


俺たちパーティは、とにかく先を進めることにした。行き先は全く不明だが、ハチの他に生存者がいるかもしれない。

それが、当面の目的だ。


 なーにえらそーにやってんのー?(え

  やりたかったか?(な

 べっつにー(え

   …やりたかったんだな…(な


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


また、2時間くらい歩いただろうか。黒橙色のカベがくすんだ黄色っぽいものに変わってきた。よくわからないが、4~5キロごとに、雰囲気が変わる気がする。道はさらに広く、4mくらい? そこそこの住宅街を走る道幅くらいだろうか 高さも5mくらい。側面もだんだん、かべというよりところどころに穴が大きく開いて、なんかマジでダンジョンっぽくなってきた気がする。これで、まだ分かれ道やくだり道がないのが不思議だ。道はときどきまがりくねるが、いったいこの中はどうなっているのだろう。ここまででさえ、ほぼ15キロ。全長…一体どれくらいあるんだ? 食われたときの顔のサイズから考えると、すでに異常だ。考えられるのは、竜の腹の中は位相が違うか、別世界ってことだろうか


 ナシくーん だいぶ考察が進んだよーだねー(え

 どちらかというと妄想だな。わけがわかんね(な

 そーだねー あたしもわけわかんないよー(え


「なんかへんなかんじー」(は

「なにがー?」(え

「あたしと、エリラ二人っきりじゃない?」(は

「うん」(え

「でもさー、なんか3人で旅してる気がするんだよねー」(は

「まー、いちおーアレがいるからねー」(え

「でさーあ、3人いるつもりになってると、2人しかいないんだよね」(は

「まあ、体は二人しかいないねー」(え

「不思議だねー」(は

「(汗)(笑)」

   こーゆーコ好み?(え

    他人の気がしない(な

   そかもね(え


やがて出口が見えた。今までは薄暗い穴が開いている感じだったが、明るい。ハチとめくばせすると、小走りに走り出していた。こういう時は、ハチはちゃんと速度を合わせてくれる。


そこは、広く、大きく開けた荒野だった



● 荒野にて(笑)

一面に、地面と石、岩が転がっている。天井は…7~8mもあるだろうか? ごつごつとした突起が見える。

そして、見渡す限り平野に見えるが、やっぱり巨大なドームだってことに気がついた。


「うっわー! ひろーい! ここなに~?」(え

「すっごーい! どーなってるのー?」(は

   ふたりとも素直にはしゃいでいる。気のせいかこういう時、女のコは強い。  


  なんでこんなに明るいんだ?(な

   しらないわよー。あたしに聞かないでよー(え (きょろきょろ

「ナシくーん なんでこんなに明るいだろうねー」(は

「わからねー」(な

   なんであたしに聞かないのよ..(え

    くすくす(な

   うるさいなー(え


   向かい側のカベが見える。やはり穴が開いている。穴のサイズから距離を計算…するのはめんどーだな…(な

「ハチ」(な

「なーに?」

「あのカベまで走って、戻ってきて貰っていーかな?」 (な

「いいよ! ちょっとまっててね」(は


  ビュン


「何?」(え


    距離をね… 2、3...(な

  あ、ついたみたい~(え

      ..4....5(な


「ただいまー!」(は

「おかえりー!♪」(え

「おつかれー! ありがと。5秒くらいだな。往復5秒、ハチは秒速100mくらいだから…往復で500、てことはあっちまで..」(な

「250mってとこだね!」(え

   東京ドームサイズか(な

    なにそれ(え

   いずれにしても、こんな空間のある竜の腹ンなかっていうのは、一体どうなっているんだ?(な


「あ! 見てー、あそこなんかつきだしてるよー!」(は


ハチの声のがしたほうを見ると、出てきたばかりの洞窟(?…と言いたい風情だ)の入り口のところに、何かある。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

● カベから足


「足…ね」(は

「足だねー」(え

「気持ち悪いなぁ」(は

「ハチがそれいう?」(え

「え?」(は

「だって、ハチを見つけたときは、カベから手が出てたんだよー」(え

「えー」(は

「ナシくんなんてカベから手が生えてるって大笑いしてたんだから」(え

  してねーよ(な

「えー、ナシくんひどーい」(は

「ひどいよねー。しかも、女の手だとわかったらいきなり握ったんだよー」(え

「えー あ、そういえば誰かと握手したような」(は

「それはわたし」(え

「そーだったんだー」(は

   すきにいってくれ じぇんだーふりーって絶対ウソだ。女のコ集まったらたった二人でも男なんてゴミかカスか…(な

  なーにいじけてんのよ(え


「にしても寝相悪いねー」(え

「そーだねー」(は

  いや、ねてんじゃねーから(な

こしょこしょ(え

  するのか?(な

  したくならない? (え)

「あれーこの足、ツメ生えてる」(は

「ツメくらいあるよー ハチの足の指なんてきれーだよねー」(え

「そ、そーかな」(は

「だからやっぱりサンダルが似合うと思うんだけど」(え

「じゃーそーしよーかなー」(は

「おめーら何しに来たんだ?」(な

「わ、びっくりしたー ナシくんかー」(は

「エリラ、人間の足には見えないぞ。これ」(な

「そだねー。鬼だねー。このツメは」(え

「こっちにはこんなのもいるんだ」(な

「まねー あたしは見るの初めてだけど」(え


「うわー、ふたりでしゃべってるとそーゆーかんじなんだー!」(は

「おもしろいでしょー」(え

「こわくないか?」(な

「全然! なんか演芸会みたい」(は

「なにそれ」(え

「俺の国にも、1人で複数のキャラを演じる落語ってのがあるが」(な

「へー」(え

「やってみよーか?」(な

「やってやってー」(は


「えー…」(な

「まさか最初っからやるの?」(え

「違うのか」(な

「今何しに来たんだ私たちは」(え

「あ」(な

「足に向かって講釈でもたたれる気かー」(え

「いや、落語を一席..」(な

「椅子席? 椅子ないじゃん」(え

「そのセキじゃなくて」(な

「あ、イスセキ(五十石)ってゆー魔法石ならあるけどここにはない!」(え

「どーゆー効果だ?」(な

「それはねえ、ってなんでこーなるのよー!」(え

「ちょろいわ」(な

「なんだとー」(え


「たのしー! いーねーふたりとも! いーコンビだよー」(は

「え、…いやー照れるなあ」(え


「あたしさー、ふたりが中でしゃべってるとなんか取り残されちゃった感じで、実はちょっと寂しかったんだー」(は

「あ、ごめんねー じゃ、今度からこーするね!」(え

    むかし、あしゅらなんたらっていうキャラがいたなあ(な

    うわー すごいデザインだねー(え

「もー、いったそばから! また二人っきりで内緒話してるう(くちとんがらかす」(は

「ごめんごめん、こーゆーのに慣れちゃってて..(頭かく」(え



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「さて、本題に戻ろう。ここに足が出てるってことは…」(な

「掘るんでしょ?」(え

「いや、それ以前に、こいつも竜に食われて、ここで再生したってことか」(な

「あ、そうだ」(え

「食べられちゃったんだー かわいそー」(は

「あんたもじゃん ハチ」(え

「あ そーでした(てれ」(は

「とゆーことは、うまく掘り出せば助けられるってことだよね」(え

「そーゆーこと。だが…」(な

「だが?」(え

「…鬼族ってどんな種族だ」(な

「わかんないよー。あたしあったことないもん」(え

「そーなんだ。蘇生していきなり襲ってくるなんてことは…」(な

「それはないと思うよ」(は

「ハチ!」(え

「あたしの国には、王宮とか町の中にも、けっこー鬼さんきてたから」(は

「へーって、王宮?」(え

「あれ? いってなかったっけ いちおーあたし、王家の出で」(は

   そー言えば、護身術の話の時にうち、王家だったからって、さらっと言ってたな(な

「まさか、おひめさまー?」(え

「へへー」(は

「うわあ、どっかのんびりしてると思ったら」(え

  気品があるの間違いだろ。いや、しかしたしかにこの、どっか…(な

「?」(は

「どっか、なにかな?」(え

  りんとして、ちょっとなんかちがうオーラがある(な

「?」(は

「ああ、ナシくん、ふだんあんまり外にでてこないから、慣れてないんだよー。ほめてるよ」(な

「ほんと? 嬉しい(にこ」(は


「それにしてもやっぱり世界は広いね。鬼と共存かー」(え

「べつに、フツーだと思ってたけど」(は

「飛翔、怪力、悪食、けっこう万能の魔物の一種って聞いてた」(え

「そー…かな…。ま、いー人も多いし、変なひ…じゃなかった、変わった人も」(は

「変わった人?」(え

「あ、変な意味じゃないよ。関わりを避けたがるというか、クールな感じの人と、みんなでわいわいが楽しい人がいるみたい」(は

「あんまふつーの人間とかわんないね」(え

「でしょー?」(は

「ま、襲ってきたらやっつけちゃえばいいか」(え

   …取り押さえるくらいでいいんじゃ..(な

「なんて?」(は

「檻に入れとくんでいーだろーって」(え

「んなこといったか?」(な

「はは」(は

「やっぱハチも念話がすこーしできるといーね」(え

「うん せめて、ナシくんの話してる声が聞こえればいーんだけどなー」(は

  だってさー(え

  ……(汗)(な


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