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第42話-4:突入

▼登場人物

ナシ(な :異界もん

竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。成り行き上エリラの体に入っている。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。


エリラ(え :魔導師 

17才らしい。蒼い瞳。ナシとともに1つの体を作る。あでやかなピンクのゴージャスヘアはナシのデザイン。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる。前向きでキュートな元気娘。異能は創造。


ハチ(は :妖精族

竜の中で再生していた生存者1号。明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛。わりと天然。素直でまっすぐ。格闘技にたけ、異能は力持ち。


ミノ(み :鬼娘 

第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいいプチグラマー。おっぱいが自慢。寡黙気味。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。


レンダ(れ :獣人 

第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢。身体能力は高く、通常は2刀流。不死だってー。


ルルア(る :ゴーレム

4人目。落ち着いた口調、常に冷静。Hをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。転移や治癒などの能力を持つが、その動力源はぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。


メイ(め :驚くほど普通の子女…だったんんだけどねえ。

5番目に発掘された。赤銅色の肌に黒髪、均整のとれたプロポーション。常識人で堅いくらいのまじめなひと...だった。索敵能力を持つ。異能は物理・魔法攻撃無効がウリの万能繭。


リム(り :ぬえ

歩く「ぬえの擬人化キャラ」明るく陽気、元気で素直。物事やヒトの本質を見抜く力に長けている。雷を落としたり凍結魔法つかったりするうえに雲に乗って空を飛ぶ。


キラ(き 魔人

魔族とは違うが強大な魔力を誇る。スタイル抜群でセンスもいい超スタイリッシュなかっこいい系おねーさん。勝ち気で物知り、思ったことは何でも言うし思ったように動く自由人。空も飛ぶよー


ラウラ(ら 竜人

8番目に発掘された。明るくて元気でわりと口も減らない。

グラビティ系の魔法が使える。空も飛ぶ。いたずら好きのやんちゃ娘。


マチ(ま 天翼人 9番目の生存者。

美人でやさしそうだけど、性格的にけっこうあくが強い。

空を飛びます。凶悪最強のオーラの持ち主。どっか好戦的というか、ケンカ好きだねー



▼かぶりつき:敵の怪物

竜の体内で、エリラ達を襲ってくるモンスター。ホメオスタシスの一環か、白血球みたいなもんっぽいが、意外と散発。犠牲者の発掘後にはほぼ必ず現れる。


▼敵の体内


 到着しました。空間を操るわりには、防御の発想がないようです(る

  知性ないのかな(え

   本能優先なら、先に何かしていてもおかしくないわ。なめてるのかも(れ


とにかく、不自然な空間だ。貯蔵庫という感じにも見えない。

   

  これって、案外ナシくんが作っちゃったんじゃない?(き

    あんだって?(な

  なんとなくね。アイツの中なんだけど、アイツ本来のもんじゃない気がする(き

    言われてみるとそうね。エリラの力を無意識に使っちゃったんじゃないかしら(れ

      か?(な

  虫コブみたいな感じかもねー。ほらー、寄生虫が植物とかに居場所作っちゃうってゆー(え

    あ、それなら貯蔵庫みたいな感じも納得行くわ(れ

  この空間のまわり中、全部敵よ(め

    ナシくん寄生虫だったんですねー(ら

   良くも悪くも、寄生虫の中に巣くった寄生虫が、巣から出ていよいよ本体を食い尽くそうってとこ(み

     ミノ、珍しく饒舌ですね(る          


ナシ以外、ミニマム巨大化(み

  ああ、私もですか。....ナシ、いいですね。下からの眺めはどうですか?(る

    久しぶりに実況したいが…踏みつぶされるだろ。いいケツと股の....(な

       すぱーん 

    この手もあるよねー(き

    念話で直接ー(り


実際、このメンバーを見上げるという機会は今までなかったか。ミニマム化した時に、肩に乗ったことはあるが。3倍…5mくらいってこんなでけーんだ

    胸に入れられた時もあるよー(え

 アレはちっちゃくなったときだが…あれはあれでまたもう、別物だな。今回くらいの5倍くらいでけーと実際、見上げてもよく見えねー。かえって実感がない

     肉風呂はステキです(る

   あれもずいぶんもう、昔のことだな。ミノ、あとであらためていろいろもう一度…(な

 それより、今はまず攻撃だ。メイ、位置的に一番外まで近そうな方向はどっちだ(み

     じゃあ、ナシくん貸して。あ、一緒に載る?(め


 実際、ミノは自分の巨大化やミニサイズ化はできない。5mサイズのメイが、1.5mくらいのミノと俺を両手にすくうように乗せる。 

  ....あっちのほう。背中かしら。向かい側の1/3くらいよ。厚さ。マチはどう?(め

    ナシとミノを手渡す

 あら、かわいい♪ ふ(ま  

   こらー 息を吹きかけるなー(え

 つい。にこ ..えっと… そうね。音の厚みが、あっちは一番薄い気がするわ。次に向かい側、それから下。上が一番長いわね(ま

   よし。じゃあエリラ、くっつけ。いくぞ(み


 片ひざをついた状態のマチの手のひらの上から、エリラの腰に腕を回すとひょいっと飛び降りるミノ。単純に高さ3〜4mくらいはあるが、全く問題にしない。指示された方向にいたメイやハチが脇に移動して、射線を開ける。

ミノの髪の毛が逆立って、キバが大きくなった。目じりも上がり、目つきの鋭さが増して異様な光を放ちはじめる。身の回りの気配も変わって…オーラが立ち上るような感じだ。やたらカッコいい。

  お、マジモードじゃん。本物見るの初めてだねー(き

    まあ これが鬼人の..(れ

      

 何が起こったかわからなかった。いきなり、向かいのカベが爆発し、ボギョボギョギュルギュリュというような、えぐれるような音が響きながら遠ざかっていく。

直径3mくらいもある大穴があき、遠くに光が見えた。

  

 突き抜けたようね(れ

   あたしもホンキいこ(き


 キラの肌の色が黒くなった。骨格も変わるのか背も、ほんの少し高くなったようだ。髪のボリュームも増すのか、精悍さにゴージャスさが加わったような印象だ。こりゃすごい..

    キラさんかっこいー(ら

   かっこいー!(は(り

      ステキね(れ(め(み


 ナシくん借りるよ(き

  ほい(み

    ひゃ あわわ(え

 エリラの腰に回した体制いから、ミノは当たり前のようにエリラを放り上げた。


 ひょいっと受け取ると、1動作で腰のポケットに入れるキラ。よどみない動作はまるでガンマンのようだ。同時に、目の前の壁面にぽっかり開いた穴から青い水が大量に噴き出してきた。ヤツの体液だろう。キラが平然とそこに右手を突き出す。吹き出してくる大量の液体が、手のひらに向かって吸いこまれていくように見える。なんか昔のヘタなSFX(特殊効果)のようだ。

  SEX...(る

     ゴチン

  痛いです まさかのグーですね(る

ほんっとに無理矢理にでも無駄に反応するねー(き

 わざわざナシ君がかっこして特殊効果とまで言ってるのに(め

   あ、そこでしたか。では、昔のヘタなSEX(●交および…)     

       どかばきぺし 

    今までで一番盛大にどつかれる音がしたねー(え

          気の毒に(な

 緊迫感とテンポが台無しじゃない。元に戻しましょう(ま


  水って圧縮されるのか? 手のひらにブラックホールでもあるんじゃねーか?(な

    き、キラさんかっこいーですねー(ら

    迫力…(み

      あれって、吸収じゃなくて圧縮なのよね…すごいわ(ま


 ほどなく水の勢いがおさまってきた。 

   じゃあ、いっかな?(き

圧縮された水弾…なのだろう。これも見えなかった。まあ、マンガだったら「ぼっ」ていう派手な描き文字でも入るんじゃないだろうか。ミノが開けた穴が、倍以上の巨大な洞窟になっていた。巨大な無骨なドリルでえぐったようならせん状の溝が刻まれた、下向きの坂になっている。あいたばかりのトンネルの途中から吹きだしている大量の水が、外に向かって流れていた。

 

 修復はされないみたいね。なんかしみ出した変なのがいっぱいこっちに向かってくるわよ(れ

    うじひるだな(な

  なによそれ(き

     この間、こいつの外郭を透かして見えたヤツのことじゃない?(れ    

   結構大きいじゃん みんなと同じくらいのもいるよー。うわ、もっとでかいのもいる(え

 とりあえず、ふさいじゃおー(り

     

見ると、リムも全身がみごとな毛並みに覆われている。

  ほら、りむ!(き

キラがエリラをポケットから出すと、ぽいっとほおった。  

     わあ こらー(え

  ありがとー^^(り


 素早いのになんのショックも感じさせずに受け取ると、首の後ろに乗せるリム。久しぶりに触手が伸び、カミナリが走った。洞窟の中を向かってきていたウジヒルの群れを一気に焼き尽くす。続いてかっと口を開けると、あけたての巨大な洞窟の入り口がバキバキと氷に閉ざされていく。冷気の放出と言うより、冷凍光線というバカげたものがあったらこんな感じなのだろうか。

  

せっかくの排水路が…(る

   でも、敵が湧いてくるんですもの(め

肉のカベだとなんかやりにくいわね。斬っても斬っても斬り甲斐がないって言うか…。ハチ、どうする?(れ

隣の部屋とかがあるんだったらいいんだけど、壁の厚さってどのくらいなんだろー(は

  つっこんでって途中で止まっちゃったら、溺れちゃうかもしれないですねー(ら

   とらえず一撃離脱を繰り返してみたらー(き

  あたし、勇者のスコップ出して貰おうかしら…(れ

    ドラゴンスコップかー(笑) よく覚えてるねー(え

      レンダには似合いませんよ(る    

        心意気はステキだけど(め

   トンネル掘りになる。レンダとハチはとりあえず迎撃に集中した方がいい(み 

    そうだねー カベは遠隔攻撃チームにおまかせって感じだねー(き


ぐらぐらっと大きく揺れた

   あれー、やっぱり痛いみたいだねー(え

 うーん ラウラのグラビティカオスは読めないから、とりあえず次はマチ、いってみる?(き

     そおね…この真上って、アイツの頭かな...。いいかしら?(ま

 頭がなくなったくらいで死なないんじゃない? いっちゃえば?(き

   あ、でも…なんか四方からこの空間に集まってきてる音…(ま

  ちょうどいいわ。こっちはまかせて、風穴あけてきて。ね、ミノ、ハチ(れ

      じゃー、えりら渡すから。落とさないでね(り


   脇のポケットでいいかしら?(ま

     うん。フタしといてねー(え


   くるわよ(め


 正面や左右から、ウジヒルがはったり飛んだりして集まってきた。文字通りうじゃうじゃ、すごい群れだ。

レンダがフル装備の体勢(左右の腰に2本ずつ。背中に2本。久しぶりだ)から2本を構える。

ハチが黄色のオーラをまとった。瞳の色が変わっている。レンダも久しぶりに獣の耳に獣の手足になっている。尻尾も、今まで見せたことのないフサフサモードだ。額のお目々も光を放って、こちらも完全マジモードというところか。

闘気だろうか、ハチと並ぶと、ふたりからびりびりくるような、ホラヘリの時とは桁違いの威圧感.....重くて、厚い空気がほとばしっている感じだ。


 けっこーみんな怪物だねー(き

   あら、ラウラもウロコが出るんだ(れ

     まあ、ほんのちょっとですけどー(ら

 手足や首まわりに鱗が現れている。顔も、その気になったらウロコで覆えそうだ(な

     そーなんですけどー、あれは可愛くないからやなんです(ら


じゃあ、みんなよろしくね。いってくるわ(ま

  マチが羽を広げた。白い羽が赤く染まり、全身を大きく赤いオーラが包む。

突入口を作ってやる(み


 四方に指弾をバラまいて端から敵を片づけていたミノが、マチが狙いを定めた天井の方向を撃った。

大穴があき、ばらばらと破片が降ってくる。無論貫通はしていないが、だいぶえぐれて洞窟のようにになっている。

   ありがとう(ま

 落ちてくる破片が、赤いオーラに触れた先から塵になって消えていく。身をかがめることもなく、初速から高速でマチがそのくぼみに突っ込んだ。まるで何もない空間を飛ぶように上昇していく


 この内側の敵は電磁シールドも万能繭も有効なようです。メイ、拠点を(る

    わかったわ。足元から構築するわね(め

 メイさん、小さい繭玉作ってください。中にグラビティカオス入れて、投げます~(ら

 遠距離衝撃波パンチ、竜の気を意識するとなんかすごいよー(は

 私の斬撃も、なんかいつもより裂け方がすごいみたい(れ

 雷も遠くまで届く感じー。おもしろーい(り

    ハチさーん、あっち、部屋の向こうに空間あるみたいですよー(ら

      じゃあ、ひとっ走りしてぶち抜いてくるー(は

  それならあたし、援護に飛んでついてくよ。みんな、いーかな(き

     余裕(み

       いってらっしゃい(れ



あっちのほうは順調みたいね(ま

   そだねー なんかあったらUターン…って、できる?(え

できると思うわよ。せっかくだから螺旋状にいきましょうか(ま

     マチ、その力、吸収だそうだが…ヤツの体組織とかって、吸収して大丈夫なのか?(な

平気。もし問題があるんだったら、ここに入った段階でやられてるんじゃないかしら(ま

   あ、そだね。禍々しい感じはあるけど…心身を浸食される邪気じゃないね。不思議だねー(え

      そーいう邪気を浴びた経験あるのか(な

   ほとんどヒトだねー。そーゆーの出すの(え

     そー思うわ(ま

        同感(み

        そーだねー(き

      なんかかなしーよねー(は

          なんなんでしょーねー(ら

      

 氷の中に、冷めない鉄球を落とした感じだろうか、マチの行く手は当然のこと、まわりも消滅していく。よくバターを熱くしたナイフで切るように簡単に..なんてカビの生えた表現もあるが、刃や弾丸の触れたまわりが消えていくってのは、むしろオカルトだな。この場合、マチが刃か弾丸そのものってとこだが、絵的にはこりゃおもしれーわ。螺旋状に上昇していくってのも、体感的になんかすごく新鮮な感じがする。


  気のせいか、マチ、オーラの領域広くないか?(な

ナシくんのせいね。あと、気をまとう感じっていうの? なんかいつもより大きくなってる感じよ(ま

     竜の気のほうがマチに同調してんのかなー? まさかねー(え    


 あ、突き抜けるわよ(ま

     ちょ、ちょっとー いきなり出たら危なくない?(え

   


_________________

次回、最終話「外へ」(え


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