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第9話-2日目-2:襲撃

登場人物

ナシ(な :異界もん

竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。エリラの魔法でむちむち萌えもえ美少女キャラの体を得るが、所有権はほぼエリラ。

竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。

普段は念話で語るが、表に出てくるときは金色の瞳になる。


エリラ(え :魔導師 

17才らしい。蒼い瞳。竜に食われて中で目玉として再生していた。同じく目玉として再生したナシとともに、1つの体を作る。ホントの姿は謎。ナシのデザインしたグラマラスボディにピンクのロングヘアはまんざらでもなさそう。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる勝ち気、前向きでキュートな元気娘。

異能は創造。メンバーの衣装を自在に無からつくってしまう魔法のお洋服やさん(笑)


ハチ(は :妖精族

竜の中で再生していた生存者1号。ふわっとしたなごみのオーラを持ち、明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛がステキ。わりと天然で、なにより素直でまっすぐ。武道、格闘技に長け、異能は力持ち。パワーはゴジラ、スピードは新幹線なみっぽい。

最大の魅力は、見るものを幸せな気分にする「最高の笑顔」に尽きるんじゃないかなー。

● 旅にでて2日目(ハチと会った翌日)…の続き


 少し広い通路を連れ立って歩く…二人。並ぶと、ハチは俺たちより少し大きいくらいの背丈だ。

 道幅は3mくらいになっている。ハチは不思議そうに、少し不安そうにきょろきょろしている。


ちょびっと回想/先刻 

「一緒に行く? ていうか、ハチもきてくれるとうれしーなあ」(え

「もちろんあたしも行く!」(は

「へんなやつもいっしょだけど…」(え

「ナシさんですか? いい人だもん!」(にこ)(は

  やった(な

  いーよ、喜んで(笑)(え


ハチが埋まってたところまで、胃からおよそ7~8キロ。沐浴して一休みして、いろんな話をしたところから、小一時間も歩いたところだろうか。おおよそ、胃から10㎞くらい離れたのか。東海道、日本橋出発として2里半くらいというと、品川を超えてまだ川崎まで半分くらい来たくらいの感じか

  


「さて、どーしよーか」(え

「なにがー?」(は


カベの色が変わってきた。こっから、今までとちょっと違うかもしれない。ここまでは赤黒い感じの床やカベの色だったが、それが鈍い橙色っぽくなっている。床も心持ち硬く、ごつごつした岩のような感触になってきた。これまでと違って、小石や小さな岩みたいなものも落ちている。


  少し、慎重に動くか(な

  そだね。なんとなく、道幅も広くなってきてるし…(え

「あの!」(は

「?」(え

「なんかいる!」(は


犬くらいの大きさの物体が4~5体、犬の上に芋虫が乗ったような気味の悪いやつだ。こっち側に向けて、丸く歯の開いた口を開けたり閉じたりしている。魚の餌に使う、ユムシの化け物のような感じだ。口は…さながらおちょぼ口のヤツメウナギか。それに例のヌリカベふうのヤツがやはり4~5体、こいつはぴょんぴょん跳ねながら近づいてきている。


「なんなのあれー」(は

「まー、おなかんなかの衛兵みたいなもん」(え

「ふーん」(は

「とーぜん、侵入者はあたしたち!」(え

「えー?」(は

  数が多いな。10体はいる 俺たちふたりの時は多くて5体か6体だったが…(な 

  ひとりだよ(え

  あ …よーするに侵入者の5倍目安って計算か..…あの、四つ足は初めてだな(な

  うん…気味が悪いね(え

  あの体型…伸びるか、なんか吐くか…(な


「どうするの?」(は

「ま、強行突破するのみー! でも、なんで見つかったんだろ」(え

「巡回してるんじゃない?」(は

「なんでわかるの?」(え

「だって、衛兵さんなんでしょ?」(は

「なるほど」(え

  俺がでようか?(な

  まかせなさーい!(え


板状のヤツが例によって飛んでくる。まわり込むように四つ足も向かってきた。コイツもずんぐりした図体の割に意外と素早い。よく見ると足が6本ある。


「ハチ! 気をつけ..」(え

  その時には、ハチはもう前にでていた

「はー!」(は

  一撃で、ヌリカベが砕け散った。

  うっそー(え


殴ったのが広い面ならわかる。しかし、ハチがインパクトしたのは、上面にあたる狭い面だ。物理的にはもっとも無茶な場所と言える。急旋回してハチに向かうヌリカベ達。さらに犬っぽいやつら--芋虫犬が一斉に襲いかかった。ハチのまわりに青いゆらぎが見える。


   闘気のオーラだね 防御と攻撃力を上げるオーラみたいなもんって聞いたことがある(え)


軽やかにいなしてヒザをたたき込み、身をかがめてよけながら後ろ回し蹴りで一気に二体が真っ二つになる。後ろ向きに飛んだと思うと、回転しながら両腕が舞い、周辺の4体が吹き飛んだ。続いて片手をついて着地と同時に今度は…旋風脚か、カポエラのようなワザを繰り出す。かとおもうと、でかいヌリカベを抱えるようにして、今度は柔道の体落としか? 床にたたきつけられたヌリカベが、まるで圧縮されるように縮んで砕け散る。なんかもう、何でもアリだ。残った芋虫犬二体が上下から襲いかかる。ハリみたいなトゲトゲが全身から飛び出した。密じゃないが、体の幅の1.5倍くらいの長さがある。


「ハチ! よけろ」(な

「大丈夫!」(は


エリラの魔法が上から襲うやつを吹き飛ばし(火、だな? うん♪)、ハチはしなやかに身を低くした体制から最後の一体に背面からの体当たり…中国拳法で見るアレだ。インパクトの瞬間ハチの全身を覆うオーラが青から黄色く輝いた。芋虫犬のハリが折れ飛び、胴体がぐにゃっとひしゃげると同時にそいつは塵になっていた。


「ふー」(は

「いやー、すごいねー」(え

「あ、エリラありがとー!」(は

    ほとんど息も乱していない。このコ、タダの怪力女じゃないぞ(な

    こら! ナシくん失礼だぞー。でも、タダもんじゃないね(え


「ハチ、なんかやってたでしょ?」(え

「なんかってー?」(は

「格闘技とか…」(え

「あー、王宮にいた頃、護身術をいろいろー」(は

「王宮?」(え

「あれ、いってなかったっけー、うち、王家だったから」(は

「はあ?」(え

「それでね、いろんな格闘家や武術とかの名人がよく出入りしてたから、教わってると楽しくなっちゃってー…」(は

   それで、めちゃくちゃってわけだ…。護身術って言うレベルじゃないな(な

   うん。立派な傭兵で通用するってゆーか、ほとんどもう歩く兵器のレベルだね~(え

「?」(にこにこ)(は


「うーん。この、竜の中だとさ、マホーとか全然弱くなっちゃうこともある代わりに、たしなんでたものが強化されるみたいなんだよねー」(え

「えー? エリラあんなにまほーすごいのにー?」(は

「ああ、あれは、ナシくんの『増幅』って力」(え

「へー! そーなんだー♡ ほんとにふたりは一体なんだね~♡」(は

「ちょ、あいつとはそーゆーんじゃないんだからー!」(え

    無邪気..天然には勝てないな(な

    うるさいなー(え


「あれ? じゃあエリラの強化されてる力って?」(は

「あたしのは、創造。服作ったりとか…」(え

「あ、そーかー! いーなー….あれ?」(は

「最後のアレ、なに? あの、当たる瞬間にピカってしたやつ」(え

「あれ? 刃物砕きっていってね、ナイフや剣で襲われたときに使うようにって教わったの」(は

「な~るほど~」(え

     襲ったやつ死ぬな(汗)(な

     うん。もーほとんど無敵のバリヤーだよ アレ(汗)(え

    

   見ると、いつのまにやられたのか、左の骨盤あたりから背中にかけて、30cmくらい切り裂かれている。


「あー! いつのまにー お洋服がー!!」(は

「大丈夫? ケガしてない?」(え

「う…うん。どこも…大丈夫みたい…」(は

   かなりすごい切り裂かれ方だ。素肌が丸見えだが、確かに傷ひとつない。


「やだ、スカートが落ちちゃう…」(は

「と、とにかくすぐ修復しよう! ちょっと待ってね」(え

   見えない傷も入っていたのか、新たに裂け目ができてスカートが落ちた

「いやーーーー!!!!!」(は

      うはあ なんてきれいで色っぽい脚線…(な


  見たよね(え

  見ました。ごちそうさまです(な 


  ちょっと寝てな(え

     あ  zzzz(な



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


「あーびっくりした! えっと、ナシくんに見られちゃったかな?」(は

「大丈夫。寝かせた」(え

「あはは…」(汗)(は

「こりゃー、作り直した方が早いな。いったん脱いじゃってくれる?」(え

「うん」(は

  ぬぎぬぎ

「これでいー?」(は

     パンツとブラ一枚になるハチ

「うーん。女のあたしが見てもほれぼれするいいカラダだ!」(え

「やだー はずかしーよー」(は

「さっきと同じのでいーかな? どっか少しいじる?」(え

「あ、じゃあ このへんにリボンつけてくれる?」(は

「オッケー! ほかには」(え

「あ、背中は、ベアバックがいいかも」(は

「オッケー! スカートにフリルかレースもふやそーか」(え

「いーの? ありがとー!」(は

「まかせなさい! じゃ、いくねー!」(え

 

   ぴか


「わあ~~♡♡」(は

「はい、姿見! どうかな?」(え

「うん ステキ! ありがとエリラあ♡」(は

「なーに、どーってことないよ! そろそろナシくんおこしていーかな?」(え

「うん ありがとー …なんか悪いことしちゃったかなー」(は

「いーっていーって! その格好見るときっととまた喜ぶから」(え

「ほんとー? うれしーなー♡」(は

   あーーーーほんっとーにいいこだなーハチは。おい、起きろナシくん。おわったよ(え

     うーーー(な

   ほれ見ろ!(え

   おおー かーわいー!(な


「かわいーっていってるよー!」(え

「ほんとにー?」(は

「かなり照れてる」(え

「やだー! でも嬉しい♡」(は


   …いや、……女のコですね(な

   そーだろそーだろ(え

      下着一枚にして立たせたのは黙っておこう(え

   なにー!(な

   なんでもなーい!(え



「さて、修復と一休みも終わったことだし、ちょっと気になったことがある」(え

「なーに?」(は

  なんだ?(な

「服があれほどの損傷を受けて、傷ひとつなかったということ。変だと思わない?」(え

「そーいえば…」(は

   確かに… …竜の血か?(な

   ご明察。たぶんね。これから検証してみる。あとでちょっと力借りるよ(え

   ああ(な

「ハチも、竜の中に閉じ込められてて、発掘したときもそうだけど血まみれになったよね」(え

「発掘(笑) なんか古代遺跡みたーい」(は

「いやそれはいーから(汗)」(え

「化石とか、古代文明のツボとかアクセサリーとか、夢があっていーよねー♡」(は

「いやそーじゃなくて」(え

「違うの?」(は

「血の話! 竜の血を全身に浴びたでしょ?ってハナシ」(え

「ああ、うん。意外とっていうか、全然べたつかなくて、サラサラしてた。そーいえば初めてあったとき、エリラも血のシャワー浴びてたよね」(は

「あれはナシくんがやりたいっていうから」(え

「うわー、ナシくんってかわってるー」(は

「否定しない」(え

  否定しろよ(な

  だって事実じゃんか(え

  まー…(な


「で、なんでナシくんがあんなことしてたと思う?」(え

「そーゆー趣味なんじゃないのー? よく、吸血鬼とかって乙女の血を浴びるとか…」(は

「それはちょっと違う…いや、そんなことはどーでもいー。ヤツがいうには、てゆーか、ヤツの国には、竜の血を浴びて不死身になった英雄の伝説があるそうで」(え

「えー! 不死身? すごーい!」(は

「最後まで聞いてね(汗) その真偽はともかくだ、その結果、刃物が通らない体になったという」(え

「へえー …!」(は

「気がついたよーだね」(え

「じゃあ、さっきの…」(は

「そう。もしかしたらその可能性があるってことなの。で、これから見てみるから、ちょっと腕、出してくれる?」(え

「こう?」(は

「なんで上着をおろすんだー! まる見えじゃないかー! 腕を出してくれればそれでいーんだ!」(え

「あ、ついお医者様のとこにいったみたいな気がして」(は

「あたしはいーけど… ナシくんも今のは嬉しかったと思うぞ」(え

「え/// やだーみちゃだめー!」(は

「遅いよ! まったく、ぜんっぜんハナシがすすまないじゃないかー!」(え

「ごめんなさい」(は

「いや、いーんだよ。ハチってかわいいし、おっぱい大きいし、肌もきれいで」(え

「何の話ですかー!」(は

「いやいや、ついね、なんとなく…」(え

  おまえもたいがい脱線しまくりだな(な

  うるさい。…よかったな。いーもん見れて(え

  はい。思いがけず…(な

  たく、こいつはまったく…ぶつぶつ(え

「なんのお話ー? にこにこ」(は

「なんでもない。さ、ちょっと黙っててね」(え


  エリラは、ハチの腕をとるとその肌をじっと見つめた。

「……………(じーーーーー)」(え

「……………(どきどきわくわく)」(は

「…あ、あたし光学魔法もってなかったー!」(え

「???」(は

「いやね、光学魔法で肌を拡大して知覚しよーと思ったんだけど…」(え

   だったら空気圧縮してレンズつくってみたらどーだ?(な

   え~ 空気でー? できるかなー(え

   とりあえず久しぶりに俺のビジョン力ものっけるから、やってみ(な

   そだねー(え

「なにしてるのー?」(は


   エリラの顔とハチの腕の間に空気の渦が生まれ、それがだんだんレンズ状になる。


「何?」(は

「ほーできたねー ……うん。思った通りだ。ハチ、見てみる?」(え

「なーに?」(は

    レンズの上にハチが顔を近づける

「…な、なんですかこれー」(は

「おや、ハチも時々敬語になるね」(え

「なに? ....これ」(は

「竜のウロコだ。どうやら、ごくごく小さな、普通じゃ見えないサイズで、ハチの体は竜のウロコで覆われているらしい。(レンズをこっちに移動して、手の甲を見る)うん。あたしもだ」(え

「じゃ、じゃああたし竜になっちゃうの?」(は

「そんなことないから大丈夫だってー」(え

「ほんと?」(は

「うん。安心していーよ。なるとしても蛇かトカゲだから」(え

「いやーーーーーーーーーーーー」(は

「うそうそうそ! ごめんごめん! はちってかわいーからつい」(え

「エリラひどいよー もー、しんじちゃったよー」(は (涙ぐんでる

  あーあ、泣かせちゃった(な

   ごめん、ちょっとやりすぎた(え

「ごめん」(え

「もー! ほんとにびっくりしたんだからねー。二度とやったら怒るからね!」(は

「はい! 二度としません。ごめんなさい(しゅん」 (え

「……エリラ」(は

「はい」(え

「トカゲの尻尾が生えてるよー?」(は

「えーーーー? うそ! どこどこ?」(え

「なーんて!」(は

「あーーー! ハチーー」(え

「これでおあいこだよ!」 (にっこり(は

「まいったなー あはははは」(え

   1本とられたな(笑)たのもしーじゃん (な

   うん。にひ♡ (え



「こうして、勇者一行はハガネの肉体を手に入れた」(な

「いや、手に入れたのはもっと前だから」(え

「一行っていってもまだふたりだけだよー?」(は



   現在位置…再生地(胃)出てから約10㎞


「まだ1日で帰れるね」(え

「…2時間もあればすむ。日帰りどころか通勤圏内」(な

「わー なんかすごーく遠くまで来た気がするんだけどねー」(は



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