第34話-2:22日目 山腹の洞窟へ -後編-
▼登場人物
ナシ(な :異界もん
竜への生け贄としてこっちの世界から召還され、はかない命を閉じたあと竜の腹の中で再生した。成り行き上エリラの体に入っている。竜の肉を掘る力と、仲間の能力を増幅する「増幅」の異能を持つ、ちょっとHな絵師もどき。
エリラ(え :魔導師
17才らしい。蒼い瞳。ナシとともに1つの体を作る。あでやかなピンクのゴージャスヘアはナシのデザイン。4大の魔法ほか、けっこー色々つかえる。前向きでキュートな元気娘。異能は創造。
ハチ(は :妖精族
竜の中で再生していた生存者1号。明るく優しくほがらかで、スタイルもいい。ゴージャスな黄色い髪の毛。わりと天然。素直でまっすぐ。格闘技にたけ、異能は力持ち。
ミノ(み :鬼娘
第2の生存者。かわいいメガネっこで、スタイルもいいプチグラマー。おっぱいが自慢。寡黙気味。かなりの切れ者。自称空き巣。特技は指弾、異能はミニマム。縮小と巨大化の魔法を操る。
レンダ(れ :獣人
第3の生存者。蒼いロングヘアーのイケイケおねーさん。美人で、自称学者。どっかポンコツ。鼻がきく。大人の落ち着きとお色気が自慢。身体能力は高く、通常は2刀流。不死だってー。
ルルア(る :ゴーレム
4人目。落ち着いた口調、常に冷静。Hをもって全てを癒す…というコンセプトの元に作られた使命に忠実な癒しのセクサロイド。転移や治癒などの能力を持つが、その動力源はぎりぎり15禁という歩く18禁美少女。
メイ(め :驚くほど普通の子女…だったんんだけどねえ。
5番目に発掘された。赤銅色の肌に黒髪、均整のとれたプロポーション。常識人で堅いくらいのまじめなひと...だった。索敵能力を持つ。異能は物理・魔法攻撃無効がウリの万能繭。
リム(り :ぬえ
歩く「ぬえの擬人化キャラ」明るく陽気、元気で素直。物事やヒトの本質を見抜く力に長けている。雷を落としたり凍結魔法つかったりするうえに雲に乗って空を飛ぶ。
キラ(き 魔人
魔族とは違うが強大な魔力を誇る。スタイル抜群でセンスもいい超スタイリッシュなかっこいい系おねーさん。勝ち気で物知り、思ったことは何でも言うし思ったように動く自由人。空も飛ぶよー
ラウラ(ら 竜人
8番目に発掘された。明るくて元気でわりと口も減らない。
グラビティ系の魔法が使える。空も飛ぶ。いたずら好きのやんちゃ娘。
マチ(ま 天翼人 9番目の生存者。
美人でやさしそうだけど、性格的にけっこうあくが強い。
空を飛びます。凶悪最強のオーラの持ち主。どっか好戦的というか、ケンカ好きだねー
▼かぶりつき:敵の怪物
竜の体内で、エリラ達を襲ってくるモンスター。ホメオスタシスの一環か、白血球みたいなもんっぽいが、意外と散発。犠牲者の発掘後にはほぼ必ず現れる。
山腹の洞窟に行く前の朝食中です。
ともかくは、お出かけ前のミーティングです。
思えば、こうしたモノローグも久しぶりだ。いつのまにかほっといても、このコ達は勝手に暴走していいもん見せてくれるし、みんな美人で可愛くて色っぽくて、それなのにいいコが多い。てか、ヤな女がひとりもいねーってゆー気がするのは気のせいだろうか。
ぶっちゃけ、どうしようもないサバイバル状況なのに、笑顔や明るさがある。しかも、優しい娘ばかり。しんじられねー。もし、夢だったとしても、いい夢だ。速くここから出してやりたい。みんなで出よう…と思う一方で、このままの方がいいんじゃないか? そんな気もする。
だが、ただ言えるのは、こいつら全員立ち止まっていることや、座り込んでいることは、たぶん望まない。動かないまま、このまんまでいるのは絶対イヤだってゆー。…そんな気がする。 空、見てーしな。
空を見せてやりたい、って言葉をつかわないところがね、ナシくんよね(れ
へたれ(み
エリラなんかは、見せてやるって言って欲しいんじゃないかな(め
見せて欲しいのはナシではないでしょうか(る
あたしはどーするんだろーな。もし、エリラとナシくんがひとりづつになったら…(は
こわいな(み
え? ミノさんがですか?(ら
あたりまえだよ。でも、あたしは友達でいたいな(り
がっかりして当たり前さ。いま、目の前にいるのはエリラだもんね(き
一番ショックなのはエリラかも…(ま
ナシくんよ。みんなと別れて一番さびしいのは。たぶんね(れ
これだけのいい女に囲まれることは、もう二度と無いでしょう。ウフ(る
誰も死ぬな。それだけだ(な
「でたよーくそばかおたくー!」(え
「台無しだな」(み
「ふふ」(れ
とにかく、最初のエリアは赤。そこから橙、黄、緑、青、藍…虹のスペクトルの順番に来ている。もし、その通りなら、次は紫。その先はいわゆる可視光線の範囲外。レンダなら見えるかもしれないけどな。
「まね」(れ
ご丁寧に、それぞれのエリアをなぞるようにこの藍のエリアでだいぶ足留めを喰らって、はい、じゃあ先に進んで下さいといわんがばかりの流れってのは、さっきのキラの報告通りだ。ただ、じゃあすんなり紫のエリアに行けるときまったわけじゃーない。紫のエリアで終わりって決まったわけでもない。悲観的に見れば、紫にたどり着きました。さあ、もう一度赤いところへ進んで下さい なんてのも、まー、クソオタク世界じゃあ珍しいことじゃねえ。ま、今まで通り、先に進むだけだ。
「とりあえず、上まではみんな一緒だよね。中は、どう進む?」(え
「基本先頭はレンダでしょ。あとは…もーてきとーに行くっきゃないんじゃないのー?」(き
「昨日は、お尻見ているうちに出口についちゃいましたもんねー」(ら
「ああいうの、ぐだぐだっていうのよ」(め
いいお尻でしたね。メイ(る
あなたもでしょ(め
「じゃあ、今日は誰のお尻を見ていく~?^^」(は
「キラのお尻が見たいわ!」(ま
「マチのお尻がいいわね」(れ(め(み
「えりらさんのー!」(ら
この緊張感のなさは貴重だな(な
よかったねー、ナシくん。みんな自由奔放で(え
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▼目的地は、山腹の洞窟。このエリアで最後の未探索ルート。
現在、どーゆー組み合わせで洞窟の入り口に行くか…っつーより、洞窟調査のチーム分けに入って…るのかな?
なにげにルルアが仕切ってるな。
「洞窟内は狭すぎるので、翼を広げるキラは飛翔能力を発揮できません。自動的に歩きチームになりますね。また、マチは羽を広げなくても飛べるので、徒歩チームと一緒に組むのはもったいないと思います」(る
「んー? なんだったら脚広げて飛んであげるよ?」(き
「あ、おぶられて脚があの状態になってるのがいいの」(ま
「いえてます」(る
なんお話だ? チーム分けと言うより、昨日のお尻鑑賞会が尾を引いているようだ。
「ハチは、キラとマチだったらどっちのおっぱいがいい? 背中....」(め
「えー? あたしー?」(は
「キラをおんぶしたい。どうせなら」(み
「ご指名よ、キラ」(ま
「マチはあたしがおんぶしようっと……ああ、そうしたら見えないじゃない! でもあのカラダが背中に密着…悩むわね」(れ
「りむがのっけてあげるー。マチー、のらないー?」(り
「ありがとう。でも、レンダ、肩車なんてどうかしら?」(ま
「か、肩車? というと首の後ろに…太ももがこの目の前……い、いいの?///」(れ
「洞窟の高さがあるといいわね」(め
「レンダ、肩車して競争しよう」(み
「あたしもやるー! えりらー、乗らないー?」(は
「あ、あのねー、探索に行くのに-、それはちょっとばかりないよーな気がするんだけど…」(え
「別にいーんじゃない? 楽しんでやろーよ」(き
「でも、これ、競争になるんですかー? みんな、後ろにまわりたがるような気が…」(ら
「ハチがエリラをおんぶ、で、あたしがマチ、ミノがキラをおんぶ。か、肩車..」(れ
「じゃ、ラウラをメイ、ルルアがリムを……ルルア、肩車なんてできる?」(き
「あ、ラウラなら私、肩車できると思うわ。でも、おんぶの方がいいかしら」(め
「わたしも、リムなら肩車できます。たぶん」(る
「メイもルルアも後ろからついてくる気満々じゃない」(れ
「レンダー、途中で交代しよ」(き
「いいわね、それ」(れ
「じゃあマチ、私を肩車できるか? それとも、して欲しいか?」(み
「どっちもステキね」(ま
なんかマチもすっかりレンダやルルアのコピーみたいになってきたね(え
あたし、猛禽ちゃんだもの。にこ(ま
いい傾向です(る
これ以上アブナイのが増えてどうするのかしら(め
あんたがいう?(き
はちー、一番後ろが一番だぞー(な
え? そうなの?(は
だまされちゃだめよ(れ
ありゃエリラはかばってみんなのお尻見る気満々だねー(な
ひいきですね^^うふ(る
「これさー、みんな誰かの後ろに尽きたがるカラー、ぐるぐる回って先に進まない気がするんだけど…」(え
「あ、やっぱりそう思います? そーですよねー」(ら
「エサがいるな」(み
最初にひとりづつ鑑賞会をするというのはどうだ?(な
なしくん、今日の探索をお休みにする気かい?(え
「でも、お互いにみんなのカッコー見たいんだもの…」(れ
「羞恥プレイごっこですね」(る
「じゃ、一番になったチームは、カプリングを指定するとか…」(ま
「ハチとミノを相手に競争して勝てるわけないじゃない」(れ
「トラップがあっても黙ってればいいのよ にこ」(ま
「外道だ」(み
「オホン。わたし、メイがハチをおんぶしているところが見たいわ!」(れ
「わたしは、マチとキラとレンダがおんぶされているのが見たい」(み
「あたしも、マチとハチとレンダとミノのそれは見たいなー」(き
「あたしも、ハチとレンダとミノとキラのが見たいわ」(ま
別のスイッチが入ったぞ。完全に(な
みんな欲張りだねー(え
要するに皆さん、自分以外の肉体派に興味があるようですね(る
「今日は、やっぱりお休みにした方がいいじゃないかしら。あたしも、ハチとかレンダとか、マチとかミノとかキラがおんぶされてる姿って…どきどきよ」(め
「しょーがないなー じゃあ、今日はも-、そーしよーかー?」(え
「たまにはいーんじゃないですかー?」(ら
「じゃあ、今日はおんぶの日、明日は肩車の日、あさっては抱っこの日とかー?」(り
「おんぶ、肩車、抱っこ…それで皆さんの姿を見るのも、して貰うのも、まるで夢のようです」(る
「抱っこって、姫抱っこ? それとも正面からコアラ抱き?」(れ
「……もう1日必要だねー」(き
「考えてみたら、もしここから出られたら…こんなこと決してできないわよね」(め
「バカだよ。はっきり言って。だいたい、わざわざみんなで集まってするよーなことじゃないじゃん」(き
「確かにそーだよねー。じゃ-、とりあえずは探索しながらやろー?」(え
「そお…ね。ここでこーやっておんぶしてる姿の鑑賞会だけってのも、ちょっとバカみたいね」(れ
絵にするとばかばかしいなりにおかしいとは思うが(な
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「よし。せっかくだからやっぱり移動しよう! …ミニマ… 今だったら飛べるメンバーで全員運べるし。あそこなら」(み
「レンダはわたし、ミノはリムに運んで貰うでしょ? ラウラ…ふたりいける?」(き
「ハチさんと、マチさんくらいならたぶん」(ら
「マチは飛べるからいーよ。マチは、メイとエリラどっち運びたい?」(き
「あたし怖いから、ラウラにするわ。いい?」(め
「あ、いーですよー」(ら
「きらわれちゃったー(笑) じゃあ、ナシくん♡」(ま
「あたしはイヤかい?」(え
「じゃなくって、増幅に興味があるから」(ま
「なるほど~」(え
「私があまりました。ミノ、小さくして下さい」(る
「それもいいが、ルルアは軽くなれるんだから…リム、もうひとり乗れるんじゃないか?」(み
「ルルアとエリラはセットで転移しちゃえば?」(れ
「じゃあ、あたしマチに運んで貰うんでいーかなー? ラウラーどお?」(は
「いいですよー じゃあ、メイさんの貸し切りですね私」(ら
「よろしくね」(め
「まあ、ハチと一緒に飛べるなんて…/// ねえハチ、あたしは両手が羽になっちゃうから、背中か前に抱きついてくれる?」(ま
「いいよー。背中にまたがってもいいー?」(は
「いいけど…あたし、リムみたいに水平になって浮いていられないんだけど…」(ま
「最初おぶってくれれば、あとはしがみつく-!」(は
「なるほど。わかったわ」(ま
「ハチー、マチの初速めっちゃ速いから、振り落とされないよーにねー」(き
「わかってるー。こーやって首に抱きつく感じにして、脚も胴体に絡めてー…マチ、苦しくない?」(は
「全然大丈夫。ハチって、結構おんなのこっぽいのね。軽いわ」(ま
「よくいわれるんだー^^」(は
「ではエリラ、行きましょう。皆さん、上でお会いしましょう ウフ♡」(る
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回 おんぶの日
まさかそんな日が来るとは(な
マジかなー なんか探索に行くって感じが全然しないねー(え