第86話 ソータの魔力量
「もう一段階上があります。それは"無限"です。」
「無限・・・ですか???」
無限と言えばそれはそこがないという事だろうか。そもそもランク制度なのも分かりにくい。0~Sまでの魔力量の規定数値は存在しないのだろうか?目安として分かるような情報が欲しい所である。
「ソータ様には以前お話した事があると思います。無限魔力保持者の事。」
「確かに聞きました。世の中にはそのような者も存在したと。ですが、あれは過去の話では無いのですか?」
私がそう訪ねると、マナは何も言わずに魔力測定器の前へ歩き出した。そういえばあの時、メイドとして私のそばにいてくれたマナは、よく意味深なことを言っていた。記憶が正しければ、マナは『すぐに分かりますよ』とそう行ってきた気がする。
「過去の話と言えば、それも嘘では無いです。実際に過去にそのような人物がいたという情報は、転生騎士エクスカリバーに付随する書物に残っています。」
「そういえば、あの時もそのようなことを言っていましたね。」
そう。この転生騎士エクスカリバーに関係すると私は聞いていた。その関係で勝手に過去のものだと思い込んでいたが、実際はそういうことでは無いのだろうか?
「ではソータ様。これを見てください。」
マナはそういうと、私に向けていた顔を魔力測定器に向き直し、そこにある測定版に手を置いた。途端にまた魔力測定器の凄まじい音はこの施設内に鳴り響く。だが、相変わらずうるさいとは感じない。少し経つと、魔力測定器の音は静まりを知らせる。
「ソータ様。こちらへどうぞ。そしてこの結果を見て下さい。」
私はマナに言われるがまま、測定器に近づく。そして、結果が表示されている結果版という場所を見るとそこに記載されている文字を見て私は驚愕した。
「魔力量最大値:無限・・・・・・・・・・・・・。」
「はい。その通りです。私は無限魔力保持者なのです。」
驚きを隠せず言葉を失った私は、マナが無限魔力保持者である事実を信じれないでいた。だが、現に結果表記は無限と記されている。マナの魔法への才能は、私には計り知れないものなのかもしれない。
「ソータ様?驚くのはまだ早いですよ?」
「え・・・?あ、すみません。私とした事が、ぼーっとしてました。」
「次はソータ様の番です。さぁ、そこの測定版に手を置いてください。」
魔力量は産まれた時点で潜在的に決っている。そうマナは言っていた。だが私は転生者であり、突如として現れた者だ。ではいつ魔力量は決まったのだろうか。私は恐れながらも、マナに手を引かれ、その勢いで測定版に手を置いてしまった。
「あ、、、まだ心の準備が、、、」
「大丈夫です!だって私と同じですから!」
「マナさんと同じ???どういう意味ですか?」
私が測定版に手を置いた途端、また魔力測定器の凄まじい音は館内を轟かせ、うるさい様でうるさくない音は、時間が経つと又静けさも取り戻す。マナの言っている意味が分からなかったが、それもすぐに分かる結果となった。
「さぁ。結果を見て下さい。」
マナにそう案内された私は、恐る恐る目線を隣にある結果版に移す。そこに表記された文字を見た私は、驚きを通り過ぎて固まってしまった。
「ソータ様???ソータ様ーーーーー!!大丈夫ですかーーー???」
「ソータよ。しっかりするんだ。どうした。」
遠くから2人の呼びかける声が聞こえるが、私の目の前は真っ暗闇である。それほど驚いた。嬉しいという感情は少しある。だが、なぜ私はここまで驚いているのだろうか。
「はっ!!!!」
「あーやっと起きたー。ソータ様そんなに驚くことないですよーー。」
マナが心配そうにそういってくる。結果版にはまだ私の結果が表示されていた。そこまで時間が経った訳では無いようだ。
「魔力量最大値:無限って。。。。何かの間違いじゃ。。。?」
「いいえ?列記としたソータ様の結果ですよ。」
「あは、、、あははは。。。。」
私はにわかには信じがたいこの現状を、どうにかできないかと脳内を探った。探った結果は言うまでもない。
「まずは落ち着きます。そして受け止めます。」
「そんなに大事なものか???私は羨ましいぞソータよ。」
シュタイズは私にそう慰めの言葉をかけてくれている。2人ともなんとも優しい人柄である。私としても、底がないことについては嬉しく思う。今まで散々魔力を使ってきたが、魔力切れになる素振りなどなかった。それが裏付けなのだろう。
「大分落ち着きました。私は魔力に制限がないっと言うことですよね?」
私はこの現実を受け止める。確かにそこまで大事のことでは無い。だが、何故か私にとっては大事なのだ。
「となるとソータは、無詠唱魔法の適性者であり、全属性の魔法を扱え、増してスキルも使え、そして極め付きには魔力にも限りがないということか??」
「はい。そういう事になります。相当な戦力です。それはもう、転生騎士エクスカリバーを上回る程に。」
「それはいい。でかしたぞ。」
「いえいえ。。。」
「ふふふふふふふ」 「はっはっはっ!!!」
目の前で先程まで大喧嘩を繰り広げていたマナとシュタイズは、2人でなにか私にとって不利益な会話して、不気味な笑いをしているように感じる。やはり、この2人は仲が良さそうだ。なんとも見たくない情景だ。
「よし!ソータ!!!今日から扱き使わせてもらうぞ!!!」
「嫌な予感しかしません。嫌です。拒否します。」
「異論は認めん。」
私の今後の異世界人生は、波乱万丈な予感だ。




