第74話 作戦勝利
「いくぞ!!魔力探知ーーーー!!!!!!!!!」
私は精一杯の力を振り絞って、魔力探知を放つ。私の作戦が上手く可能性は低いかもしれない。だが、何もしない0%よりも、なにか行動を起こして1%でも10%でも30%でも可能性が生まれるなら、その方が何倍もいいというものだ。
「よし、魔力探知に引っかかった。次は気配察知。。。今の位置を特定する!!」
今思えば、私はいつもギリギリのところで何かを生み出し、何かを成し遂げていた。学生時代も似たようなことがある。私の黒歴史でもある学生時代の告白。。。懐今ではもう懐かしい程である。
「気配察知。よし。引っかかった。北東方面、約40m。思ったよりも近いな。」
ある程度の位置を確定させた私は次のステップに移る。魔力探知と気配察知は魔力を発する。恐らくこの魔力を感じ取ったのか、炎槍魔獣は再度攻撃を始めてきた。
「なんだよ、あいつには俺が見えてるってのか??不利過ぎんだよ!!」
私は1人怒りを露わにしつつ、攻撃を的確に避ける。攻撃察知は敵が見えてしまえば効果を持たない。だが、視界に入っていない以上、無心や超集中にならない限りは察知するはずだ。
「あいつは移動しようとしない。そうとなれば、格好の餌食だな!!よし!閉鎖空間で閉じ込める!!!」
閉鎖空間は何に対しても行使できるようなものを作るつもりだった。だが、やはり難しいものを作ろうとするとなかなか作れないのが現状だ。閉鎖空間も十分に難しいが、想像力スキルの賜物だろう。魔獣などに特定していればいとも簡単に作れた。
「上手く。。。閉じ込められてくれよ!!!」
私は閉鎖空間スキルを使用した。魔獣の位置はほぼ特定している。実際私の視界には何も映っていないが、スキルはそこにいるとそう告げている。何ともありがたい。
「よし。。。。スキルが間違っていなければ。。。閉じ込められているはずだ。」
攻撃は絶え間なく襲ってきていた。だが、私が閉鎖空間を行使するや、攻撃はパタリと止んだ。今の現状を見れば、恐らく上手く閉鎖空間に収まっているのだろう。内部からの干渉は出来ない。つまり完璧に閉じ込められているのだから。
「時間はない。一定時間しか効力を持たないようにしかスキルが作れなかった。となればいち早く攻撃食らわせるしかない。」
スキルは難しいもの程作りづらくなる。言い換えれば、効力が多ければ、効力が凄まじければそれに応じて作成が困難になる。上手く設定されているとはいえ、何とも不便な部分ではある。
「攻撃に有効なのはやはり"水"か??今思えば、魔獣識別に弱点も載せておけばよかった。失敗だな。確実に水が弱点とも限らないのに!」
ゲームや漫画のやり過ぎかもしれない。『炎』相手ならば『水』が有効的だという固定概念を捨てきれず、私は思い込んでいた。この世界のことを深く知らない私が、炎だから水が弱点と決めつけるのは少々早とちりだろう。だが、もう時間はないというものだ、ダメ元でもやれる事はやるべきだろうとそう考える。
「水魔法。。。確か一度に大量の水を発生させることの出来る魔法があったはず。あの辞書に書いてあったはずだ。確か名前は、、、、『弥都波能売神』だったか。。。」
あの辞書のことは目録スキルで全てを覚えている。だが、目録スキルがなくても覚えることの出来そうな魔法が幾つか存在した。それは、日本に由来する神の名前が魔法名として記されていたからである。
「日本人にとって分かりやすい名前で有難いな!!神についてはよく分からんが、、、。」
私は謎に包まれた日本固有の神の名前である魔法名を私が作成した閉鎖空間の中に行使する。水で満たすことで、仮に弱点であれば、大ダメージを食らわせることが出来るというものだ。
「魔力監視。。。駄目だな。。。そんなに衰えていない。。。」
魔力監視を使用して、炎槍魔獣の今の魔力量。つまり、今の力を見てみるが、どうもしっくりくる攻撃は与えられていないようであった。検討はずれにも程がある。再度魔法を繰り出してみたが、二度目も私の想像しているような効力にはならなかった。
「なんでだよ!!!もぉ!!!頼むから殺られてくれよ!もう閉鎖空間も薄れてきてるんだ!」
一定時間というのも、作成した張本人である私が、どのくらいで消えてしまうのかが分かっていない。作成する時に急いでいた事もあるが、もっと明確に表記すればよかったと少々後悔の念を抱いている。だが、現状閉鎖空間は薄れてきている。スキルを行使した時から考えれると体感では30分程だろうか。
「次が最後になりそうだな。。。これで決められなければもう逃げるしか無さそうだ。だが、逃げ切れるかも分からない。。。あぁあぁ!!もうごちゃごちゃしてきた!!頼む!!!これで終わってくれ!!弥都波能売神ーー!!!!」
私は心のそこから魔法名を口に出しながら魔法を繰り出した。今回の魔法は、今までの2回と比べ物にならないほどの高威力で繰り出された。閉鎖空間の中を全てを水で浸すことが出来たのだ。私は咄嗟に魔力監視を行う。
「魔力が弱まって。。。。。。。。き、消えた。。。ま、魔力探知は!!魔獣察知は!?!?ない!ない!いないぞ!!!殺った。。。勝ったんだ!!!」
私は両手を拳にして、空に向けて真っ暗の中手を挙げた。それほど嬉しく、どこからともなくやってくるこの優越感と達成感は果てしなく、そして私の心を高鳴らせるようなそんなものだった。




