第7話 マナ・シャラベル
「じゅ、、18歳?!?!?!?」
流石に驚かずには居られなかった。この場に居れば誰しもが驚くであろう。私は異世界転生なんて驚かない。だが、これには驚いてしまう。人間であるからだ。
誰が見ても10歳前後の少女だ。360度様々な方向から見ても、18歳の大学生程の年齢には到底見えない。この少女を疑ってしまいかねない。
「ほ、本当に18歳なのか?私には10歳程度に見えるが。」
「私そんな幼く見える?ちょっと悲しいかな。」
「わ、悪い悪い。そんなことは無い。」
どうやら嘘をついているわけではないようだ。
お年頃の少女だ。あまり悲しい思いをさせるのは胃が痛い。
「とりあえず、王都に一度戻ろう。ここは危険だ。私もついて行こう。」
「うん。私も家に帰りたい。」
1人の少女と24の男。白い目で見られることを懸念していたが。王都の街並みや行き交う人々は、私たちを目にしても至って普通なようだ。
「私は役所にいって、この魔石を換金しにいく。君はお家に帰りなさい。」
「やだ。お礼がしたいから私もついて行く。」
着いてくるな、と断っても良かったが、この少女を危険な目に合わせる親の顔が見て見たいと、謎の好奇心に駆られ同行を許した。
「すみません。この魔石を換金したいのですが。」
「かしこまりました。こちらに置いてください。」
私はあの森で討伐した、モンスターと魔物の戦利品をカウンターに出した。
「えー。すみません。購入した魔石の買取は行っていません。」
「購入?何の話だ。あなたが紹介してくれた "宿りの森"
とやらで討伐してきた魔物の魔石だ。」
役所の人はポカンとしている。まるで、私を哀れんでいるかのような目で、疑わしき目をしている。
「えー。冗談はよして頂けますか?この魔石は "毒魔獣アザルダルク" の魔石です。宿りの森では出没致しません。」
「現に討伐して来たと言っているだろう。私は宿りの森にしか行っていない。嘘などついていないし、魔石を買ってもいないぞ。」
「では、宿りの森に毒魔獣アザルダルクが出たと?」
「その通りだ。」
先程からずっとそう言っているのになぜ話が通じない。
だが、たしかに妙だ。初心者向けの森として紹介されたことや、18歳と名乗る10歳前後の少女が"一人で"森に来ていたことなど。普通ではない魔物なのかもしれない。
「私が証言します。」
マナには役所の前で待っていろと伝えたはずだが、気がついたら私の横に立っていた。
「こ、これはマナ様。マナ様がどうなさいましたでしょうか?」
役所の者がマナに謙っている。貴族か何かだったのか?私には何も言って来なかったが。
「この者に、毒魔獣アザルダルクに襲われているところを助けて頂きました。この者が言っていることは全て事実です。」
「左様でございましたか。マナ様が仰るのであれば事実なのでしょう。高木様、先程の御無礼お許し下さい。こちらで買取させて頂きます。少々お待ち頂けますでしょうか?」
私はこれに了承し、歩き疲れたこともあり近くにあった椅子に腰掛けた。にしても、このマナという少女は何者なんだ?役所の者が謙るほどとは。
「マナ。君は何者なんだい?」
「私ですか?私は極々普通の女の子ですよ。」
「からかわないでくれ。今のを見て"はい。そうですか。"と流せるものか。」
どうやら私は少し少女に馬鹿にされているようだ。
「私のことを知らないなんて珍しいね。私のフルネームはマナ・シャラベル。王都シャラベルの領主・王のバゼル・シャラベルの子供よ。」
「おいおい。。。マジかよ。。。」