↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
68/300

第68話 多数の依頼

「どうしたじゃない!!これはなんなんだ!!」


考えることをやめていた私は、皆が何故ここに集まっているのかを理解するのに、少々時間を要した。


「ピロリン!」


久しぶりのスキルレベルアップの音である。この音に私は、無心の状態から引っ張りだされてしまった。なんと不運なことであろうか。


「あーーーなるほど。そういうことですね。」


「ソータ侯爵殿。これは一体なんなのだ?」


やや食い気味に私に投げかけてくるのは、バゼル国王である。バゼル国王も興味津々と言う言葉が似合う程に、目を輝かせていた。


「これは"自動車"というものです。私が作りました。」


「自動・・・・・・車・・・?」


バゼル国王以外の人だかりを作っている者たちも皆声を合わせてそういう。全く理解していない様子である。それもそうだろう。全く何も知らない0の状態で説明を受けても伝わるわけが無いのだ。


「簡単に言えば、これは馬車の代替品です。馬車の乗り心地は悪すぎます故、自分で乗り心地の良いものを考案・作成したということです。まぁ、百聞は一見に如かずですね。」


私は簡単に説明をすると、私の好きな諺である『百聞は一見に如かず』という事で、実際に動いているところを見てもらうことにした。


「はいはい。道あけてください。動くから離れたおいた方がいいですよ。」


そう言うと皆一同に、円状に広がっていった。何と物分りの良い人々で、私としても助かったというものだ。


「では行きますね。」


私はそう合図した後、魔力を流しても動かないようにする安全装置を解除し、サイドブレーキの役割を果たす強固なブレーキを解除した。そして、改めてアクセルペダルに魔力を流し込む。


車両はゆっくりと動き出し、動き出したと共に、円状に広がっていた人々は皆、目を丸くして顎が落ち、開いた口が塞がらない様子であった。


「と、こんな感じですかね。これで理解出来ましたでしょうか?」


「・・・お、おう。。。。。」


絶句である。完全に言葉を失っている。驚きすぎにも程があるのではないだろうか。だが確かに、日本と違って蒸気機関を使用した乗り物の開発を丸々飛び越してしまっているわけであって、馬車からこんな乗り物が出来たら言葉を失うほど驚くのも無理は無いかもしれない。


「ソータ様。嫌な予感がします。」


マナが私に小声でそう伝えてきた。マナが嫌な予感がするということは、スキルが何かを訴えていると考えていいだろう。となれば、この先に怒ることが大変なことという事である。


「よし。ソータ侯爵殿。折り入って頼みがある。」


何が"よし"なのかが少々理解出来ないが、頼みがあるとそう願いを表してきたのは勿論あの暴君である。今度はどんな無茶振りを振ってくると言うのだろうか。


「な、なんでしょうか。。。」


「これを量産し、世界中に売ってくれ。」


極々普通のことを言っているとそう思っただろう。だがこれは私達からすれば、膨大な仕事量になる。そもそも魔力飽和を起こさずにこの自動車を作成するには、私のスキルや魔法が確実に必要なのだ。カイズによれば、普通に条件魔法を使用して、この自動車を作ろうとすれば、必ず魔力飽和を起こしてしまうというのだ。


「それは少々難しい話ですね。この自動車を完成させるのに必要な技を持ち合わせているのが、現在私しか居ません。」


「では、少なくとも王家にこれを5つは所望する。期限は作らない。お主も大変だろうからな。頼んだぞ!異論は認めん!」


全くの暴君である。暴れすぎな暴君である。私はそっと1つため息をついた。あいにく私のスキルは有能なもので、肉体的疲労感を感じさせない。作ることは出来るが、肉体的疲労自体はしっかり溜まっている。


「我が国にも欲しい。あの1日を数字で表したものと、この乗り物も2つくれ。」


そう手を挙げたのは私が気になっているミツモト公爵である。和風の名前に爵位付けるとこんなにもダサくなるのかと毎回思う。にしてもこれはよい関係性を築くいいチャンスである。大事にしていきたいものだ。


「じゃあ私の国にも下さいな。1つでいいですわ。」


例の嬢伯爵もそれに乗ってきた。私はもうこうなってしまえば仕方がないと、頼まれた依頼をしっかりもした物にメモとして残した。そして、できるだけ早く量産できる何か策を生み出さなければと強く心に感じたものである。


この後も、手を上げる領主達は、1台作る事の大変さを知らずに、私も私もと自動車を要求してきた。結果的に王都を含む七国全てからの依頼を受けてしまう形になってしまった。


「ソータ様。。。頑張って下さい!!」


満面の笑みでそう応援してくれるマナであるが、これは "私は手伝いませんよ" という完全なる丸投げ発言と受け取ってしまう。


「少しは手伝ってくれないのか?」


「私にはソータ様のような高度なスキルや技を持ち合わせていません。」


マナの言う通りである。だが、小さな事でも多少なりとも手伝いは欲しいものである。手伝ってくれる人手が居ることに越したことはないないというものである。


「では、高度なスキルら技を持っていたら手伝ってくれるという事か?」


「そりゃ勿論です!ですが、そんな夢みたいなことありません。」


何か良い考えがあれば良いのだが、私はそこまで頭がきれる人間でも、アイデアに長けた人間でもない。どちらかと言うと苦手の部類である。私としては相当な困難な問題に直面していた。


「分かりました。マナさんには事務処理をお願い致します。」


色々考えたが、結局マナに力仕事をさせるのは少々気が引けるというものだ。幸い人手は王都から派遣されている。大いに使おうと私は考える。


量産しなければならない現状において、私は深く頭を悩ませた。効率が悪ければ結局意味が無い。私が自分の仕事を最低限で済ますことのできる技が欲しいところであると考える。


「あ・・・そうだ。無理かもしれないがダメ元だ!やってみるだけの価値はあるだろう!」

【今回獲得スキル】


★無心Lv5・・・思考回路を一時的に完全停止させる。任意のタイミングで解除できるが、集中すればする程解除が難しくなる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。