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第64話 王都八国定期会合

「定刻通り。これより、王都八国定期会合を行う。皆よくぞ集まってくれた。そして、会合の場を整えてくれたメイシェルト国及びその領主に感謝を述べよう。」


私がシェルト氏に挨拶をした後、続々と王都直属国の領主達が、このメイシェルト国へ到着した。そして、時間差でやってきたバゼル国王によって、王都八国定期会合が始まりを告げたようであった。


「本来であれば、先ずは各々の産物品の授与・贈呈と行きたいところではあるが、今回は少々順番を入れ替えさせて頂こう。皆も知っているだろうが、今回第七都市イズラート国の領主が変わった。一つ挨拶をしてもらうとしよう。」


バゼル国王はそう言うと、私の目を見て "前に出てこい" とそういう念を送ってくる。正直私は何も準備をしていない。こういう時に突然ふってくるのがこの国王である。あまり得意でないものをやるのは気が乗らないが、流石にここは挨拶は必須事項だろうと、席を立つ。そして、国王の横に向かった。


「紹介する。この者がイズラート国新領主のソータ侯爵だ。では、ソータ殿。挨拶を頼もう。」


このシチュエーションは日本にいた頃もよく経験したものだ。私は良く部署異動があった。様々な仕事をさせてもらった反面、出会いと別れは多く、それと同時にこのように挨拶の場も多かった。そう考えれば、少しは慣れているかもしれない。


「只今紹介に上がりました、新しく王都直属第七都市・イズラート国領主となりました。ソータと申します。皆様御存知の通り、自国であるイズラート国は最近まで王都との戦争を繰り広げておりました。それにより自国は国として機能するのがやっとである程の惨状です。ですが、私は子のイズラート国を戦前の姿とは言わずに、戦前よりも進化させて復興させてみせます。どうぞ何卒、宜しくお願い申し上げます。」


私は小学校の校長先生のような長い挨拶は好まない。人間、集中力には限りがある。その集中力よりも長い言葉はどんなに素晴らしいことを言っていても、頭に定着しないものだ。それを踏まえて、私は長すぎずそれでいて短過ぎない挨拶をしたつもりだ。


「と、いうことだ。よろしく頼むぞ。そうだな。ソータ殿はまだあまり他国のことを知らないだろう。そうだな。。カールス公爵よ。紹介を頼めるか。分かりやすいように順番で紹介してくれたまえ。」


確かに他国のことはあまり理解していない。今のところ分かっていることと言えば、王都とイズラート国。そして、メイシェルト国程である。理解していると言っていいのか定かではないが、だが他の国が0である現状を考えれば、十分理解度のある国と言える。


「承知致しました。では、私から失礼させて頂きます。王都直属第一都市・ジャイフライン国領主のカールスと言います。布製品を主産業としております。どうぞ宜しく。」


そう言いながらカールスは私に手を差し出してくる。握手を求めているが、握手をして何になるのだろうかと私は生前より思っている。私はカールスの手を握りしめ軽く上下に振る。平々凡々な握手である。


「では、続きを。この方が、王都直属第二都市・マラサレユ国領主のメリア嬢伯爵です。宝石などの金品類の加工を主産業にしてる国です。」


「宜しくね。坊や。」


私は生まれてこの方 "嬢伯爵" なんて言葉を初めて聞いた。漫画やアニメをよく見ている私からすればそのような言葉があるのかと少々疑問に思う。だが、女性で伯爵の爵位を持っている領主。。。これは素晴らしいが、、、どうやらまだ私は下に見られているようだ。


「次にこの方が、王都直属第三都市・ベルライス国領主のハヌス伯爵です。農業主とし、紙製品や筆記具等を主産業としております。」


「どうぞ宜しく頼む。」


「次にこの方が、本日の会合開催国である、王都直属第四都市・メイシェルト国領主のシェルト侯爵です。武器や装備などの板金加工関係を主産業としています。」


「さっき挨拶したね、宜しく。」


シェルトさんはまさかの侯爵であったとは驚いた。私も侯爵の爵位を頂いているが、同じ立場というわけだ。何かと仲良くしておくべきであろう。


「この方が、王都直属第五都市・旧帝国軍同盟国、通称バラン国領主のミツモト公爵です。陶芸や建築を主産業としてます。」


「よろしく頼む。童よ。」


ミツモトという名前は日本にそっくりだ。寧ろ実在するほどである。なにか関係がありそうだ。国名もそうだが、何とも怪しい。少々詮索が必要そうだなと、私はミツモト公爵の事を確実に覚えた。


「最後にこの方が、王都直属第六都市・ターマイル国領主のサルスホール・マイル伯爵です。王都八国の中で唯一海と面している都市である為、漁港があります。勿論主産業も水産物です。」


「何卒宜しく頼みます。」


この世界には魚がいるのか。私は少々食べたい気分になった。日本は島国だけあって、昔から魚を食べる文化がある。そこまで魚に執着心はないが、それでも日本人であれば、一定期間魚を食べないでいると少々食べたくなってしまうものである。焼き魚もいいし、寿司や刺身も久しぶりに食べたいものだ。


「紹介ありがとうございます。カールス公爵。他国の事をよく知る良い時間でした。」


私は王都八国のことを理解するいい機会であるこの会合を、大切にしなければならないと強く感じた。当初は面倒であったが、それは大間違いのようだ。私は、この会合で、交易をし他国との友好関係と自国の成長を手にするべく、会合に参加する。

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