第25話 2度目の決着
剣士にとって足は攻撃する為に重要だ。そんな足を私は、軽く剣をあしらって斬った。
「グ、グゥアアアアアア゛ア゛ア゛ア゛ア゛」
身体が大きいだけある。それ相応な呻き声といったところだ。だが、少々うるさく感じる。
「本当に盗賊か?誰かに雇われて我々一行を狙ったのではないのか?」
「俺らは盗賊だ!!」
動揺している。目線が少々あちこち飛んでいるからだ。足を斬られたことに動揺しているのかもしれないが、だがやはり怪しい。
ピロリン!ピロリン!
「ん?おぉ!!!なんとまぁ!!今欲しかったスキルだ!スキル:虚偽感知!」
都合のいいタイミングだが、獲得して当たり前だろう。今までの経験上、該当スキルを使うか使おうとするとレベルを上げている気がする。私は今嘘発見器が無いかと考えたからだ。
「もう一度だけ猶予をやろう。お前らは雇われて我々一行を襲ったのではないのか?」
「何度聴いても同じだ。俺らは盗賊。道を通る奴らの金品をかっさらう。それだけだ。」
私のスキルはどうやらこの無駄に大きな体格をしている、無駄に大きな剣を持つ男を嘲笑っているように、嘘だと言っている。
「嘘を言っても無駄だとまだ分からんのか?お前が嘘ついていることは私は分かってるぞ。そろそろ白状したらどうだ。」
私はこの巨人から、巨人の口からどうにかして真実を聞き出したいと考えていた。無理やり出させてもいいのかもしれないが、なんだか癪に障るだろう。私も同じ人間なのだ。
「そろそろ言わんと致命傷を負わせますがよろしいでしょうか?」
「なに。躊躇うことは無い。慈悲などいらない。殺せ。」
少々イライラしてきた私は、強行突破に出ようかと考えた。
「分かった。こうしよう。今からお前の足を回復する。そして、俺と一騎打ちしろ。お前が勝ったら仲間も含めて解放してやる。だが負けたら。。。分かるよな?」
「却下だ。一騎打ちは既に負けている。私が選ぶ者2人を回復し共闘させてもいいのなら受けて立とう。」
「いいだろう。」
3対1での決闘。これに勝利するなど正直容易いことである。油断をしている訳では無いが、一度約20人に勝ったのだ。無理もない。
「メイドさん、その回復術士使って回復させてやって下さい。」
私は回復魔法の方法をまだ知らない。私がやれると良いのだが、せっかく使えそうな奴がいるならこき使おうでは無いか。
「準備はいいか?残りの2人も準備はできてるんだな?」
「あぁ。全員準備はできている。何時でもいいぞ。」
私は何時でもいいと言われてしまったら一目散に攻撃するのが良いと考えている。戦闘の始まりは油断している事が大半だ。もちろん警戒はしているが、戦闘中とは比にならないくらい警戒心は弱い。
「そう?じゃぁ早速失礼しますよ。」
私はその言葉の通り、3人のうちの一人に向かって剣を振った。
「さっきと同じ過ちは流石に通じないぞ。」
盗賊はそういうと、私の素早いと評判の剣は見事に防御されていた。先程の弱さは一体何だったのだろうか。私の速さを受け止めるなど本来、剣は強いのだろう。
「やはり普段やらない不慣れな盗賊なんてやってるから、いつもの実力が出せないんじゃないのか?」
私は少し相手に探りをかけてみた。雇われていないと言い張る盗賊達。これが嘘であることは見抜いている。
「面白いことを言うな。まるで本職が他にあるかのように。」
「さっきからそう言ってるだろう?雇われていることは分かってる。だから早く誰から雇われてるのかを教えてくれと。」
断固として真実を話そうとしない盗賊達は、嘘がバレていることすら信じようとしない。ここで戦っても結果は見え見えだというのが分からないのだろうか。
「時間をかけたくはない。少々手荒な真似をするが許してくれ。」
私はそう忠告した後に一定の距離を取り、ある魔法を繰り出そうと準備をした。剣術で戦うのは少々時間がかかる。真実を聞き出すだけだ。そこに時間をかける暇はない。
「あの辞書に載ってはいたが少々難しそうな魔法。。。できると嬉しいが。」
私は、あの辞書に載っていた魔法とその魔法の発動方法を忠実に再現した。後は私の想像力次第だ。
「大丈夫そうだな。できそうだ。よし。」
私は準備ができたと同時にその魔法を繰り出した。魔法と言っても物理的な魔法ではない。どちらかと言うの精神的・生命的な魔法だ。私の直線上に立っている盗賊たちは、走り出し私の元へ向かっている時だった。盗賊たちまるで活動能力を抜かれたかのように走った状態から突如地面に倒れ込んだ。
「呆気ないなぁ。。。」
心底呆気ない。もう少し踏ん張って欲しかったが、魔法は上手く発動し、効力も効いたようであった。
【今回の獲得スキル】
★虚偽感知Lv5・・・会話相手の虚偽の話を任意で感じ取る事ができる。
★動揺感知(人)Lv5・・・人間相手にのみ、その相手が動揺しているかを感じ取ることができる。また、動揺度も分かる。




