第2話 異世界の理解
「異世界に転生したとは、また何とも平凡な」
私は思わずそう呟いてしまった。
ここが異世界である事は確かであろう。
見たことのない光景。見たことのない植物。そして、聞いたことのない言語。
いや。。。聞いたことない言語なのは確かなのだが、何故か聞き取れる。理解もできる。
「すみません。ここは何処ですか?」
「なんだい。冒険者か何かかい?ここが何処か分からないんじゃ、冒険者は勤まらんよ!!」
どうやら、言葉も自然と話せるようになっているようだ。
不思議だ、とても不思議だ。
「まだ、駆け出しなものでして」
「そうかい。そうかい。ここは王都シャラベルだよ!知識が足りないんじゃないのかい?」
やはり私はついていない。近くにいた者に話しかけてみたはいいが、何故こんなにも強気な人に話しかけてしまったのか。
だが、ここが王都であることが分かった。それに言葉も通じる。生活には基本的に困ることは無さそうだ。
そう言えば、私の服装も日本にいた頃とは大きく異なるようだ。 こちらの世界に合わせてあるかのように。
「ん?これは何だろう。一冊の本。。。?」
本と言うよりは辞典と言うべきであろうか。とてもずっしりとしたものだ。そこには "スキル辞典" と見たことの無い文字で書かれている。
「なるほど、自分のスキルがこれで分かると。そういうことか。」
自分でも恐ろしいぐらい冷静だと感じる。
だが、これのおかげで自分の今の"能力"が分かるというものだ。では早速。
辞書に手をかざした途端に、どうやら辞書に何らかの変化があったようだ。試しに辞書を開いてみた。そこにはありとあらゆるスキルが数え切れないほど書かれている。
「スキル:語学Lv5。全てのあらゆる言語において、聞く・話す事が行えると書かれているな。なるほど。これのおかげか。」
どうやら、全ての事柄はスキルが関係しているみたいだ。
だが最初からLv5なのは何故なのだろうか。不思議が一杯だと常々思う。
スキルのレベルもどうやら最大はLv5らしい。
他のスキルに関しては "未開放" や "Lv1" が殆どだ。
生活に必要最低限のスキルは、転生する時に授かったと、そう考えていいのだろう。
異世界転生といえば、まずはお金を稼ぎ、そして、宿を見つけ、そこから色々と冒険をして行くものだ。であれば "冒険者ギルド" というものも存在するのだろう。
この手の漫画を読んでいて良かったと思える日が来るとは。。。
「すみません。冒険者ギルドって何処にありますか?」
「冒険者・・・ギルド・・・?なんですか?それは。」
【今回登場スキル】
★語学Lv5・・・全てのあらゆる言語において、聞く・話す事が行える。
★読解Lv5・・・全てのあらゆる文字において、読む・書く事が行える。