第16話 魔法の適性
「炎と火は別物ですから、しっかりと"火"を連想して下さい。」
私はもう一度、私の知る"火"を連想した。だが結果は変わらなかった。全くの無反応なのだ。
「連想しているんですが、ダメそうです。私には適性が無いのでしょうか?」
「ちゃんと思い浮かべてますか?しっかり思い浮かべないと反応するものも反応しませんよ?」
「私の知る限りの"火"を思い浮かべてるのですが。」
「"炎"ではないですよ、"火"ですよ。"自然な火"です。」
"自然な火"。私ははっと気がついた。私は今まで、ガスコンロの火を連想していたのだが、それではダメなのかもしれない。ガスコンロの火は"自然な火"ではない。
「火・・・火・・・自然な火といえば、、、焚き火。。。」
指が熱い。連想した途端突如そんな感覚に見舞われた。
「熱い!!!!!!!!!!!」
大きな声を上げた私は、途端に属性石をどこかに投げ飛ばしてしまった。
魔法士は大きく目をまん丸に見開いていた。マナも同様にまるでトンボのような目をしている。
「ごめんなさい。属性石投げ飛ばしてしまいました。」
「そんなことはいいの!貴方今!火!出てたよ!無詠唱魔法の適性があるってことよ!!!!!」
信じられない。世界でたった14人しか存在しない無詠唱魔法の適性者。私はその15人目となったのだ。
「自分でも信じられないです・・・。」
「凄い!凄いよ!颯汰凄い!!」
マナも大はしゃぎである。まるで自分のことであるかのようなはしゃぎっぷりだ。
「おめでとうございます。貴方は15人目の無詠唱魔法適性者です。今後お仕事などのオファーが沢山来る事でしょう。大変になりますよ。」
「ありがとうございます。ところで、属性の適性を知りたいのですが。」
私は無詠唱魔法の適性よりも正直属性の適性が幾つあるかという事の方が気になっていた。
「そうですね、無詠唱魔法の適性に驚いていては話が進みません。では、適性魔法属性の属性石をここに6つ。そして最後に無属性石。これらを一つ一つ手に取り、その属性にあう物を連想して下さい。適性があると変化があるはずです。」
私は先程の失敗に気をつけながら、一つ一つ属性石の適性を試してみた。自然な力というものに意識した。
雷属性石・・・・・・大きな光と共に莫大な音が鳴り響いた。どうやら適性があったようだ。
氷属性石・・・・・・温かい珈琲が置かれていたが、その珈琲は大きな氷によって冷たく冷やされてしまった。
光属性石・・・・・・瞬く間に目の前が金色に輝き、その後真っ白になったかと思うと、すぐさま元の世界の風景に戻った。
闇属性石・・・・・・どんよりとした雰囲気漂う空気を周囲に撒き散らした感覚であった。
聖属性石・・・・・・先程のどんよりとした空気を諸共せず、心が華やかになるような素晴らしいものが降り注いでいる感覚がした。
魔属性石・・・・・・心の奥底にしまわれていなければならないような貪欲の塊が引きずり出されるような悪を感じた。
「嘘でしょ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
この時点で時すでに魔法士はド肝抜かれたどころではなく、ド肝で脳天を抜かれたかのような顔つきをしていた。
「まさか、、、全属性の適性があるなんて。。。人じゃないわ。。。」
「一番驚いているのは私ですよ。ですが今の私は至って平然です。理由は分かりません。」
「マナもそのぐらい多くの属性があったら良かったなーーー」
一人一人が様々な感想を述べる中、私は最後のひとつの無属性石に手を伸ばした。
「無属性石は何を連想すればいいんですか?あの。聞こえていますか?」
「は、はい!!!!ごめんなさい!私としたことが放心状態でした。大変失礼致しました。無属性石の連想ですよね!はい!」
魔法士は驚きのあまり絶句を通り過ぎて、絶心していた。
私自身、自分がなぜこんなに冷静なのかが少々驚きである。
「無属性石は、今ある属性石の中に存在しないものの中で属性になりうるものを連想してみて下さい。属性になりうるものと言っても自然のものじゃないこともあります。過去の例では、紙・地震・布・石などなど様々です。」
「分かりました。やってみます。」
私は数ある属性になりうるものの中で"金"を連想した。
『ドン!!!!ドン!!!!』
大きな音がしたと思い目を開けると、そこにはまさに何処からどう見ても『金塊』が置いてあった。




