第11話 依頼の詳細
昨夜はとても深く眠れた。これも国王が住む家のベットとだけあって眠れる魔法でも付与されているのだろうか。。そんなはずは無い。こんな居心地の悪い場所で、ぐっすりと眠れた私自身の方がおかしいのだろう。
「お目覚めですか?」
「わぁ!?いつから居たんだ!?」
1人のメイドが私の部屋の扉付近に立っている。驚かせるのが上手なようだ。もしや、確信犯ではないだろうな。
「お目覚めになられてから、独り言をぶつぶつと呟いている時から居ます。」
最初からではないか。その説明だと私が寝ている時からずっといるということになるのではないだろうか。
「私が寝ている時は流石に居ないよな。」
「私はメイドです。如何なる時でもご要望にお答え出来るように万全の体制を整えております。」
これははぐらかされたのか?いや、これは肯定であろう。つまり、寝ている時もずっと居たということだ。日本のブラック企業の残業地獄よりも何倍も辛い仕事だろう。
「朝食の支度が整っております。」
「そうですか。身支度を整えてから食堂に向かいますね。」
「私もお手伝い致します。」
お手伝い?何をだ?身支度をか?何をどう手伝うというのだ。
「では失礼致します。」
「こほん。大丈夫だ。自分でやる。だから服を脱がそうとしないでくれ。」
そういう事か。これも定番といえば定番か。メイドにお世話される、そんな日が来るとは思ってもいなかった。なかなか、悪くないな。
「おはようございますアリスさん、マナ」
「おはようございます。」「おはよう!」
身支度を整えてから食堂に行くと、既にアリスさんとマナは席に着いていた。国王はまだのようだが。
「国王はどちらに?」
「夫は朝は剣の素振りを日課にしております故、その汗を流しに一度湯に浸かります。そろそろ戻ってくる頃かと。」
その助言の通り、扉大きく開かれた。
「やぁ!おはよう!!!!!」
朝から暑苦しい。日本にも居たなそういう芸能人が。
この元気の源は一体何処なのだろうか。
「バゼルさん、一つお聞きしても。」
「なんだね。」
「護衛の仕事はお受け致します。ですが、私はまだ何処に行くなど聞いておりません。」
そうなのだ、私は半ば強引に国王の護衛の仕事を頼まれた。だが行く場所などの詳細は一切聞かされていないのだ。最も重要事項だと思うのだが。
「おお。そうであったか。これは済まない。出発は6日後、目的地はイズラート国だ。」
イズラート国。転生騎士エクスカリバーに登場した村の場所ではないか。なんだ、知っていたのならアリスさんも教えてくれれば良かったものを。
「イズラート国ですか、私も行ってみたかった場所です。」
偶然とは面白い。話が上手く噛み合った。イズラート国で何をするという訳でもないが、私以外の転生者の歴史はに期待できる。何かしらの情報を得ることができると尚よしだ。
「居候の身にも関わらず、大変恐縮なのですが、一つお願いしてもいいでしょうか?」
「なんだ。そんな畏まらなくてもいい。君は娘の命の恩人だ。」
たった一度助けただけではあるが、感謝されることに悪い気はしない。それが人間の性だろう。だが少々むず痒いというものだ。
「では、遠慮なく。護衛をするにあたって現在の私では少々力不足です。宜しければ、剣を教えていただきたいのです。」
「いいだろう。早速今日からみっちり指導してやろう。」




