表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢の中の異邦国  作者: 如月まりあ
一路、北へ…
69/141

ランクアップの試験ーアオイ編続く肩慣らし

しばらく歩いて行くと


「お次の登場だ」


そう言って、双剣を抜く。


葵とカイトも緊張した面持ちで剣を構えた。


ボアボークの群れ10匹以上が奥から目視出来た。


「ボアだな。今夜もありつけてぇもんだ」


双剣を構えながらバッカが言うと


「それも悪くないな」


緊張した面持ちのまま葵が答える。


最初の1匹が襲ってくる。


一番弱そうな葵に向かってくるという事は、それなりに知恵があるらしい。


「アオイが倒せ!」


バッカが言う。


「訓練だ。これくらい軽々と倒せないと、フェンダーベアなんぞ夢のまた夢だ」


そう言われて納得する。


「分かった」


グッと剣を握りしめる。


「フォローはする。複数を一気に相手にしようとするな。1匹ずつ確実に仕留めろよ。後は、俺やデュランに任せろ。1匹を上手い具合に誘き寄せろ。フェンダーベアにも使えるからな」


そう言ってから、自分に向かってきたボアボークを仕留めている。


アオイは、自分に向かってきたボアボークと向かい合う。


猪突猛進よろしく突っ込んでくるボアボークをまずは交わす。


ボークボアは素早く体を反転させて、再び葵へと突進してくる。


(素早い!)


かなり焦りながらも次の攻撃を交わしたが、別のボークボアが葵を襲おうとしていた。


(マズい!)


1匹でもギリギリなのに、もう1匹となると躱せる自信は無い。


絶望的になったが、スッとその間にカイトが入って


「そいつに集中しろ!」


そういうと、突進してくるボークボアを一閃した。


葵は、その動きを一瞬見てから


(こういう事か!)


と、再び突進してきたボークボアの首を刎ねる。


かなり刀に重みが来たが、足を踏ん張り持ちこたえる。


休む暇は無い。


ボークボアはやってくる。


次のボークボアは、すれ違い様に一撃入れるが、それでは倒れない。


(…ハズしたか!)


内心で舌打ちしながら、次を攻撃に向けて構える。


血を流しながらも突進してくるボークボアを見据えてから


(よし!今だ!)


と、踏み出してから一撃を入れる。


今度は、致命傷になったらしく、バタリと倒れるボアボーク。


次がやってくる。


カイトとバッカが、戦いながらも上手く誘導してくれているようだ。


それに感謝しながらも次の獲物を見据える。


次のボークボアも一撃では倒せない。


(違う!この構えじゃ…入れ方じゃ…)


唇を噛みながら、どうしたら一撃で倒せるか考える。


「何も考えるな!一撃で倒そうなんざ、今は無理だからやめろ!確実に仕留めていけ!」


葵の考えを見透かしたように、バッカの声が響く。


自身の力不足を嘆きながらも、その言葉を受け入れて確実に仕留めるように心掛ける。


次にすれ違い様に、一撃を入れるとボークボアは倒れる。


(よし!次!)


と、次のボークボアと対峙する。


それは、ジッと止まって葵を見据える。


(これは、大物だ…)


そう思いながら、ゴクリと唾を飲む。


少し見つめ合った後、突然突進を始めた。


まずは、ボークボアが勢いよく突進してくる。


それは、倒した他のボークボアより速い。


まずは、一撃を入れるタイミングを計る為に、攻撃を避ける。


そのボークボアは、すぐに反転、次の攻撃を仕掛けてくる。


(早い!)


次の攻撃を避けながら、何とか一撃入れられないかタイミングを計る。


ボークボアが次の突進に入る。


葵も攻撃のタイミングを計る。


すれ違い様に一撃を入れる。


(か、固い…)


その皮は他のボークボアより固く、傷は与えられたが、その動きが鈍ることは無い。


(チッ…!ダメか…)


己の力不足を嘆く暇も無く、すぐにボークボアはやってくる。


避けながらも、また一撃…これも致命傷に至らない。


何度か、それを繰り返すと、少しずつだがボークボアに変化が現れる。


付けられた傷が増えた為、動きが鈍くなってきたのだ。


(あと少し…か?)


何度ともない衝突に、葵も疲弊している。


(次で決めないと…)


グッと剣を握りしめて、ボークボアと対峙する。


再び突進してくるボークボアは、動きが鈍ってきているのか先程より隙がある。


葵は、イチかバチかで首を狙い、剣を振るう。


狙い通り首に剣は入ったが、今までのボークボアより固い刎ねる刎ねる事は出来ない。


だが、首筋に大きな傷を入れた為、ボークボアの動きが一気に弱まり、その場に倒れる。


すかさず、止めを刺す為にボークボアの心臓を貫くように突く。


動きが止まった。


どうやら、止めを刺せたようだ。


だが、気を緩めている訳にはいかない…と次のターゲットをと思ったら、後のボークボアは、カイトとバッカの手で倒されていた。


(4匹…か)


転がっている死骸は18匹ある。


葵は、その内の4匹しか倒してない。


己の力不足を嘆いた。


バッカは早速、自分の狩った分のボークボアを収納する。


次に葵達が倒したボークボアを収納し始めた。


「中できちんと、分けられているから安心しな。終わったら出してやるよ」


そう言ってから


「俺が6匹、デュランが8匹、葵が4匹…だな」


収納を終えたバッカが言う。


「俺の見立てでは、最後に葵が対峙したボークボアは、上位の方だ。苦労しただろ?」


と、聞かれて


「あぁ、そうだな。他のより皮も固かった」


葵が答えると


「そいつは、この群れのボスだったみたいなもんだろ。どこの世界にも強いヤツがボスを務めるもんだからな」


そう言ってから


「さて、アオイ。大丈夫か?」


と、葵を気遣う。


最後のボークボア線で苦戦したのは見ていたようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ