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永遠のお別れって言ったよね!?

 



 その日は、朝食後のお茶を楽しんでいたところ、珍しく父様からお呼び出しがあった。


「おはようございます、お父様。」


「おはよう。早速だが、国王陛下から婚約者内定のご連絡をいただいた。」


 あら、決まったのですが。

 お茶会からひと月ほどということは、きっとあのお茶会で素敵な出会いがあったのですね、良かった!


「まぁ、おめでたいですわ!どこのご令嬢に決まりましたの?」


 無邪気に喜ぶわたしに、父様は特大の爆弾を落とした。


「お前だ、エルリア。クリストファー殿下が本日会いたいと言ってきている。行ってこい。」


「え?ごめんなさい、お父様、おっしゃっている意味がよく……?」


「現実逃避しても現実は変わらんぞ。お前がクリストファー殿下の婚約者に決定した。」


「なんで?お父様、こちらからは申し出なさらないって。」


「ああ、もちろん。あちらからの申し出だ。もともと、あのお茶会で悪評が広まったものの、面白そうなご令嬢ではあると殿下がお前の名を挙げていらしたらしいからな。」


 なんだって!?

 なぜそんなことをこぼした、殿下!?

 いやがらせ!?いやがらせですの!?

 ……ん?あれ?


「お父様、わたくしが婚約者に選ばれること、もしや、ご存じでしたの……?」


 もしそうなら、エドたちを助けるためにこちらから出した条件は一切意味がなかったということになる。


「お茶会のお前の悪評を差し引いても、殿下の口から出た名前はお前だけだったからな。まぁそうなるだろうと思っていた。」


 なななななな、なんだってー!?

 わたし父様相手に頑張ったと思っていたのに、むしろしてやったりと思っていたのに!


「今のお前では駆け引きすらできん。学べ。」


「……はい、お父様。」


 項垂れながら、返事をする。

 父様からの条件の一つの勉強はすぐに手配され、賢く、厳しい家庭教師が迎えられ、わたしは泣きながらノルマをこなしていた。こんなことも覚えていないのですか、とやや皮肉られることも多い。

 今までのつけを払わされているようだ。

 そんなわたしに、更に追い詰めるような一言が父様から申し付けられた。


「ああ、そうだ。今の勉強に加え、お妃教育もつくらしい。手を抜かず、励めよ。」


 お父様が、まさに外向き用といわんばかりの笑顔を作る。怖すぎる。これ絶対子供が泣くやつだぞ。

 そして、励めよ、というがこれは応援ではない。脅しだ、と震えながら、退出する。


 くそう、いつか吠え面かかせて、それを高笑ってやるからな、くそ親父!

 覚えてろよ!








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