どうしたものか
ずっと話が進みません。ごめんなさい。
彼は、西の孤児院で暮らすエドと名乗った。
ちびも熱をだしているんだ、早くいかないと!と焦っていたが、エドも熱がまだ完全には下がっていないし、助けるにしても事情を聞かないと動けないというと、少し落ち着て話をしてくれるようになった。
しっかし、なんかなこういうのって、イベントというの?フラグを感じるよね?
でもエルリアが孤児を拾うなんてなかったよな。うーん。
ま、いいかっ☆
「で、西の孤児院では今だれも大人がいないの?」
「うん、じゃない、はい。今までは一人修道院から来っていう男が一人いたけど。すげぇ屑でさぁ。おれたちをこき使って、育てた野菜や花を売って得た収入もほとんどがそいつの懐に消えてて、十分な食べ物ももらえなかった。一応、おれが一番年上だから、下のやつら、守ってやらなきゃならないいけない立場だし。」
「ちょっと待って。エド、いくつ?」
「13。」
「13…わたしより3つ上?同い年くらいかと。」
呆然とする。え、だって、わたしよりちょっと体小さくない?
「まぁ、栄養が足りてないんだろうな。下のやつの食事を抜くより自分の抜いた方が気持ちがまだましだからな。」
エドは苦笑した。
唖然とする。わたしは、前世の日本でそんな困窮した子を見たことがなかったから。
エルリアは、わたしは、昨日まで、気に入らなければご飯を残したし、下手をすると、不満を表すために、食べ物を床に落としたりもした。そんな自分をひどく恥じ入る。
「下のやつらを守んなきゃいけないからさ、おれ、野菜を売ったり働いたお金から、少しずつお金をちょろまかして貯めてたんだ。大した額じゃないけど。けど、2週間程前、そいつが消えたとき、金も、なくなってた。今は野菜も収穫がないし、日雇いの仕事も、おれみたいな子供だと少なくて。……あの金があれば、一番下のちびに、薬買うくらいはできるはずだったんだけど。」
声には、怒りが滲んでいた。
自分を顧みるのは後だ!今は、この子たちをなんとかしないと!
「リリア、孤児院にこっそりお医者さまを連れて行くのは、無理、よね。」
「難しいですね。昨日はお嬢様の件があったので、疑われずに済みましたけど。」
「教会や、修道院に助けを求めるのは?」
「それなんだけど。」
声を上げたエドに目線を戻す。
「修道院に行ったら、そんな孤児院はないって言われたんだ。」
「どういうこと?」
「今この領にあるのは、中央の修道院に併設された中央孤児院のみで、それ以外にはないって。西の孤児院なんてない、って言われちゃったんだ。なんだそれ?って思ったけど、でも、実際におれたちがいるわけだし、なんとかしてもらえないかってだいぶお願いしたんだけど、今偉い司祭様が出かけられているとかで判断できないって言われて。粘り続けて、おれが熱を出したわけなんだけど。」
実際に困っている人がいるのに、上司がいないから投げ出すなんて。
「お役所仕事だわ」
「おやくしょ?」
「いえ、こちらの話ですわ。」
ううーんとない頭で考える、が、結局一つしか考えが浮かばなかった。
「……お父様、にお願いするしかないかしら。」
次回はお父様登場!