こんなスチルをみたような。まさかね
溺愛まで遠いです!がんばります!そして、少し訂正しました。ううー、いきあたりばったりだと、どうしてもあちこちボロが出ますね。
「……おい」
声をかけられて、目を覚ます。
わたしなんで椅子で寝ているのかしら?
声のした方に目を向けると、見知らぬ男の子がいた。
赤目がルビーみたいで、すごくきれい。思わず見とれてしまう。
あれ?このルビーみたいな目、あのゲームで見たような……?
暗殺者の鴉?いや、でも鴉は白髪だった。アルビノなんかーって思った記憶あるもん。この子は髪の毛は、黒いしな……。
まじまじと見ていると、男の子が、照れたように、顔を背ける。
ああ、いきなりエルリアみたいな可愛い子に凝視されたら、困るよね。
ごめんごめん!
どうしてここにいるのかわからない、と戸惑っているような彼に、にこりと笑いかける。
「あなた、道で倒れていたのよ?具合はどう?」
そういいながら、ちょっとごめんね、と額に手を当てる。まだちょっと高いが、だいぶ熱は下がったようだ。
「あんたが、助けてくれたの?」
「あんたではありません。わたしはエルリアです。とりあえず、汗が出て喉が渇いているでしょう。お水どうぞ。」
水差しからコップに注ぎ、彼を差し出す。
ごくりごくり、と水差しの水がなくなるまで飲み干した。
少し落ち着いたのか、彼は周りを見て目を見開いた。そして、ベッドから飛び出して床に落ちる
「あんた、貴族?」
「そうですね。」
肩を竦める。彼は、きっと貧しい家の子だろう。とても汚れた服一枚で倒れていた。もしかしたら孤児かもしれない。そんな彼から見たら、きっと裕福な貴族は敵に見えるのではなかろうか。
もしかしたら、罵倒がくるかもしれない。ちょっとだけ、構えたけれど、彼はそうしなかった。
「……なんで、助けたの?」
おずおず、と聞いてくる。
「放っておけなかったので。」
前のエルリアなら、放っておいただろう。そもそも馬車から街の様子を見るなんてしなかっただろう。下手をすると、道路に寝ているのが、体調が悪くて、動けない人間だとすらわからないかもしれない。体調が悪いなら家で寝て、医者を呼べばよろしいじゃない、と。道路に寝るなんて不思議なことをするのね、と。倒れるまで働く人がいる、と理解できないのだ。
まさに、パンがなければケーキを食べればいいじゃない、の人だ、エルリア!
本当にそんな考えをするんだね、自分なのにすっげぇ怖いよ、エルリア!
彼は、しばらくの間わたしを見ながら何かを逡巡し、口を開こうとしては、また閉じるを繰り返していた。
意を決したのか、わたしをじっと見つめる。
「エルリア、様。助けてくれて、ありがとうございました。
だけど、あの、孤児院のみんなも助けてほしい。みんな、弱ってるんだ。お金もつきちゃって、食べ物もない。熱をだしてるやつもいる。こんなお願いごと、図々しいのも、不敬なのもわかってる。おれは殺されてもいい。だけど、みんなまだ小さいんだよ。お願いだよ。なんでもします。助けてください。」
地にひれ伏し、頭を床につけんばかりに這いつくばる。いわゆる土下座だ。
「え、え、そこまでしなくていいから!なんでせっかく助けたのに貴方を殺すのですか。意味が分かりません。孤児院で子供たちが苦しんでいるのですか?顔を上げて話を聞かせてください。」
「お嬢様?物音がしましたけど、大丈夫ですか?」
そこに、ちょうどリリアがやってきた。
リリア、ナイス!ちょっと困ってたから助かったわ!