悪役令嬢のグローバル・スタンダード
とうとうゲームの舞台の学園編に突入です。
ふふふんふんふんふふん♪
学園初日に受けた学力試験の結果が張り出されたと聞いて、オープニングの鼻歌を歌いながら廊下を歩いていく。
もうこの曲だって怖くなくてよ!
……ただし、いきなり鼻歌を歌いだした私へのおかしなものを見るような視線は痛いけど。
ふふ、私、気が付きました。
転生した悪役令嬢の先達たちを振り返ってみよう。
星の数ほどいた彼女たちの中に、幸せになれなかったご令嬢がいただろうか、いや、いない(反語)。
そう、悪役令嬢が幸せになる、これはグローバル・スタンダート!
世界的なお約束なのだよ!
『花びらラビリンス』なるクソゲーは、本日の学力試験の結果を見て、カタールやギース義兄様を引き連れたクリスがヒロインに、
「優秀な君に、生徒会に入ってもらいたい」
と告げるところから始まる。
花びらが舞い散る中での美しい出会いだ。(因みにそこに私も出くわして『なんで私じゃなくてそんな女に手を差し出しますの、きーっ!』ってヒロインちゃんへの嫌がらせ決心するんですけどね!)
そんな記念すべき運命の日だ。
きっとここからエルリアの幸せに向けた道が始まるんだ。
ようし、高笑いするまで頑張るぞ!
……と、入学して数日、お友達もお取り巻きもできずにぼっちを楽しんでいた私が拳を握りしめて、志を大きく掲げたまでは良かった。
そう、そこまではきっとうまく(?)いっていたのだ。
……おかしいなぁ。
本当なら今頃、クリスたちとヒロインちゃんの出会いがあるはず。
で、そこに私も出くわすはずなんだけど。
「いい加減、本当のことを言ったらどうかね、ウィスタンブル嬢。」
「だから言っている通りですわ、先生。どうして端からそう私を疑っていかかるのですか?これは冤罪です、弁護士を呼ぶ権利を主張しますわ!」
「弁護、し?よくわからないが、ここは学園だ。権力に屈するつもりはないぞ、ウィスタンブル侯爵令嬢。」
「くっ、敵はヒロインちゃんではありませんでしたのね。先生、貴方方でしたのね……!」
「こらこら、ヒュー先生、そう攻められてはウィスタンブル嬢も話したくても話せませんよ。ウィスタンブル嬢、頭が悪いことは決して、悪いことではないのです。人にはそれぞれに個性があるのですから。なにか理由がおありなのですね。大丈夫、貴方はまだ正しい道に戻れます。本当のことを、お話してください。」
「お言葉ですが、本当のことなんてすでに生徒の皆様の目につきつけられ、掲げられていますでしょう?」
その言葉に、三人が黙り込む。まったく信じていない目だ。
「いいでしょう、先生。弁護士なんて結構。権力なんて使うまでもございませんわ。私の実力、それ一つで先生方を降参させてみせますわ。」
私は今、副学園長と担任の先生、そしてムキムキなガタイのいい先生に囲まれ、ある濡れ衣を着せられて教員室で自首を迫られている。
これは幸せへの道。
ならば私は冤罪に立ち向かって見せる!
……あれ?
……乙女ゲーム、どこにいった?
もちろん、先生方のどなたも攻略対象でないことは申し添えておく。
本当、なんだよこの小芝居!
書きたかった萌シチュエーションが終わり、エルリアちゃんを壁ドンしたりがぶってしたりできなくなりました(´・ω・`)ショボーン




