エピローグ
聞いた話だと王国は滅んだらしい。
レイヴンの駆けつけた時には既に王国は見るにも耐えないような有様になっていて、勇者も魔王が死ぬ事で大半が死に、死ななかった者はレイヴンが責任を持って処理したとだ。
俺にこんなことを言う資格はないがこんなことになるはずじゃあなかったんだ。
俺の視た未来はハッピーエンドだった。魔王を倒して、誰も彼もが幸せ。誰一人欠けることなく元に戻るはずだった。
一番にルートから外れたのは女魔族の勇者殺しだ。あの段階で勇者の大半が使えなくなった。
それにレイヴンの最後も少し様子がおかしかった。俺がどうのこうの言えるわけじゃあないが、レイヴンは基本的に目の前で人が死ぬのを良しとしない。
何か、何かがおかしい。
そう、何かが...!
「最後の最後で計画が台無しですね」
「王国は滅びましたが魔王も死に、レイヴンとかいうのは生き残っている」
「あのままならこの世界は魔族が支配するはずでしたがね。最後の最後で出てきた元勇者が完全にイレギュラーだったんですかね」
「それでも、今回は観測者だ。なんて格好付けていたのは不幸中の幸いですかね。もし最初から行動されていたら途中も途中で頓挫でからねぇ」
「まぁ、痛み分けのようなものです。そこまで支障はありません。また、時間をかけてこの世界を私好みに作り上げていきましょう」
「さて、私もこの元勇者の始末に現界したせいで力が残っていないのでね。少しばかり休息をとるとしましょうか」
先ほどまでいた執事服の男性は元からいなかったように消え、高校生ほどの男子がそこには横たわっているだけだった。
こんな終わり方で納得いかない方のほうが多いとは思いますが、これで終わりです。どこかでこの伏線みたいなのを回収するかも知れませんが多分ないです。こういう謎めいたのが好きなだけです。ごめんなさい。それではまた次回作で




