04
どれくらい走っただろうか。大きなビルが建ち並ぶ街を走り抜け、沢山の木々が並ぶ森の中へ入ったと思ったら次に現れたのは・・・・・・。
「降りて」
ブレーキの音を響かせて車が停止する。停ると同時に、さっさと降りた阿蘇さんが車の外から手を伸ばしてくる。
その手に助けを借りつつ車から降りると、でんっと音が聞こえそうな程大きくそびえ立つ建物が視界全体に飛び込んだ。
「ここは・・・・・・?」
そう訊ねる私の言葉に「付いてきて」と素っ気ない返事が返ってくる。
「あ、あのねえ。私は無理矢理連れてこれたのよ。説明ぐらいしてくれたって・・・・・・」
「わかってるって。とりあえず僕の部屋で話そう」
そう言って自分より頭3個4個も高い門の前へと立つ。門の横の煉瓦造りの塀のに備え付けられたインターフォンの様な機械へ掌をかざせば、ギギギと重い音をたて門が横へ滑っていく。
「コーヒーでも飲みながら。その方がゆっくり話できるだろ?」
「そりゃ、そう、かもしれないけど・・・・・・」
じゃあほら、早く付いてきて。と
門をくぐり中へと入っていった阿蘇さんの背中を軽く睨みつける。
「なによあの態度」
でも、ここがどこかわからない今は彼女についていくしかない、か・・・・・・。
はあ、と小さく息をついた後、私も門をくぐり彼女の後へと足を進めた___。