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ルート学園  作者: 二階堂かぼす
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 まぁ場所も場所だし、いくら芸能事務所が運営する学校だって言ってもなかなか来ないわよね、こんな田舎に。


「私だって会社が潰れたりなんかしなきゃ、多分こんなとこいなかったと思うし・・・・・・」


 私の家はむかーしむかし、それこそ江戸時代から続く呉服屋だった。祖父母は反物の色染めを職とする人で、母と父はその出来上がった着物に柄を描く職人。


 一人娘の私は着物を縫い上げるお針子。一家総出で沢山の着物を作ってきた。


 けど、それも祖父母が相次いで亡くなるまでの話。


 今のご時世、着物なんて高い物を着る人は少なくて。それに今は洗える着物とか安くて便利な物が売れる時代。


 そんな時代に昔ながらの高くて扱いづらい着物なんかそうそう売れる訳もなく。


 営業成績は次第に悪化。それに畳み掛けるように続いた祖父母の不幸に耐えられなかったんだろう。あろう事か父親が長年住み続けた家とお店を勝手に売り捌き私と母を捨てての蒸発。


 どこぞの漫画の世界か、なんて突っ込まれてしまいそうな話だけどそれは全部本当のお話、なのだ。


「一万歩譲って家とお店売って蒸発までは許すよ。けどせめてその売って得たお金の一部でも残して行きなさいよクソ親父・・・・・・ッ」


 あー思い出しただけでも腹の立つ。お陰で私とお母さんは二人して路頭に迷った挙句、今じゃ風呂トイレ共同四畳半一間で住んでんのよ。有り得ない。有り得なさすぎでしょ!!


 でも、そんな私達母娘を神様は見捨てたりしなかった___。


 

 


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