職業⑥ ギルド登録
よし。
スタミナも回復したところで来た道を戻ろう。
戻ってちょっと行けば街に着くはずだ。
歩く。
歩く、歩く。
歩く、歩く、歩く。
歩く、歩く、歩く、歩く。
歩く、歩く、歩く、歩く、歩く。
歩く、歩く、歩く、歩く、歩く、歩く。
ひたすら歩き続ける。
戻ってきた。あと少し。
歩く。
歩く、歩く。
歩く、歩く、歩く。
歩く、歩く、歩く、歩く。
見えてきた。
歩く。
歩く、歩く。
歩く、歩く、歩く。
歩く、歩く、歩く、歩く。
ここが、街か。ユキナラリ街。
結構栄えてる街みたいだ。
ここでギルドに加入するとか、チュートリアルを受けるとかできるんだろうな。
転職もできるといいんだが。
いくらイメージだけで演奏できて、打撃斬撃両方使えるとはいえ、バイオリンで戦うのはちょっとな。
「すみませーん」
道を行く人に声をかけてみる。
「はい。どちらさま?」
どちらさまといわれてもな。こういう場合ゲームの外から来たって言うと馬鹿にされるだろ。
「ちょっと離れたところから来てましてね」
適当に濁しておこう。
「ここで冒険者の登録をしたかったらどこに行けばいいか教えてもらえませんか?」
本題を聞く。
「ギルドのこと?それならこの道をまっすぐ行って、右に曲がったらすぐよ」
教えてもらえた。
この世界の人はみんないい人なのか、それともたまたまいい人だったのか。
とりあえずお礼は言っておこう。
「ありがとうございます。まっすぐ行って右ですね」
別れてギルドに向かう。
「すみませーん。初めて来ました。登録をしたいんですけど」
「はーい。登録ですね。職業は何ですか?」
えっと……。
音楽家でいいよな。
「音楽家です」
「冒険者の音楽家ですね。登録しておきます」
ふぅ。言葉は普通に通じるので助かった。
「はい、できました。ランクは1からになります。そこの掲示板にクエストが貼ってあるので、受けたいクエストを見つけて持ってきてください。今はランク1以外のクエスト以外は受けられませんからね。」
ほう。そうなのか。まぁよくあるシステムだな。
しっかし、自分が実際に動いてクエスト受注をすることになるとは思いもしなかった。
「ありがとうございます。ランクはどうしたら上がるんですか?」
ここは重要だ。聞いておく。
「はい。ランクはランクごとに指定された必須のモンスターを倒すことで上がります。また、指定のモンスターを倒さなくても、他のモンスターを何度も倒す経験によって補うこともできます」
ほうほうそんなシステムか。普段からゲームばかりやってる俺だから最低限の説明で理解できる。
さて、最初のクエストはどれにしようか。
と、考えたところに受付の声が割り込んでくる。
「尚、ギルドに届けを出さずに討伐を行った場合、ランクアップのポイント
とはされませんのでご注意ください」
ふむふむ。
クエストを選ぼう。
この話もまたまた進んでないですね。
ギルドに登録しただけです。
この件だけでこれだけの長さの文章を書けるのが我ながら驚きますね。
それに、進んでいないほうがタイトルを付けやすくていいですし。