職業Ⅱ・④ 突き攻撃
運のいいことに、ドラグモはその場から移動していなかった。
また地下に潜っていたら、探すのが大変だったな。
ドラグモはまだ俺に気付いていないようだ。
視力低いな……。
俺は赤い棒を大きく振る。
振り方によって効果が変わるとも思えなかったが、気分だ。
気分だったのだが、いつもより高温にできた。
なんと。振り方によって効果が変わるのだ。新発見。
一回転するぐらいに振って、また振って。
温度を上げ続ける。
地面の温度を上げて、泥を土にする。
思ったより早く乾いた。振り方でかなり効果が違うんだな。
これで、ドラグモの泥投げ攻撃は使えない。
それでは、攻撃と参りましょうか。
青い棒で冷たい空気を出し、赤い棒で暖かい空気をぶつけて雲をつくる。
緑の棒の風で雲をドラグモに送る。
移動したら温度の関係で雨が降り出した。
雨なんか降らなくてもいいんだけどな。
黄色の棒で電気玉を出して、ぶつける。
雷が落ちた。
俺には、この武器でこの攻撃方法以外思いつかない。
他に攻撃方法はないものか。
ドラグモは俺の存在には気付いたようだが、居場所はわかっていない。
もう一度、黄色の棒を振って雷を落としておく。
見つけられた。
ドラグモは土をすくって投げてくる。
が、乾いた土はばらばらになって真っ直ぐに飛ばない。
残念。俺が乾かしたよ。
ならば、と考えたのかドラグモは突進を繰り出してくる。
普段土の中で暮らしているドラグモの突進はスピードがなく、よけるのは簡単だった。
雷を落とすのは手順が多い。
この状況で繰り出すことはできない。
水鉄砲攻撃とかできないか?
試しに青の棒を槍のように突き出してみる。
「バシュッ」
水がものすごい勢いで飛んでいった。
「ぐぉぉぉ」
ドグラモが初めて怯んだ。
それだけの水圧があったということか。
……突き出すだけでこれだけの攻撃力なら雲作って雷を落とす必要もなかったな。
何か損した……。
なら黄色の棒だ!
黄色の棒を突き出してみる。
「ピリッ」
軽い電気が出たが、雷ビームは飛ばない。
そうか。雷は雲が必要なのか。
ならばファイアで攻撃だ。
ドグラモに向かって赤い棒を突き出す。
強力な火炎がドグラモを包む。
「ぐぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」
ドグラモが炎に苦しむ。
棒から直接攻撃すると、この威力。
わざわざ雲をつくって雷を落とす必要もなかったな。




