職業⑩ 音楽家の決意
次の日、俺は起きた。
当たり前だと!?
こんなところにいたら、いつ死ぬかもわからないんだ、次の日起きられることも当たり前じゃない。
さて、今日はクリアに向けて始動しよう。
職業を変える方法も見つけないとな。
それにしても、ユキナを呼び出す方法は無いもんだろうか。
ためしにサリアにもらったボタンを押してみる。
何もおきない。
予想はしていたが、本当に何もおきないとがっくりだ。
★キラーン★
わっ。
「ボタンで出てくるならちょっと遅いぞ」
「ボタンに反応したんじゃないんですよ、呼ばれてるって感じて出てきました」
ふーん。そんな能力があるのか。
「でもさ、面倒くさいからボタンかなんかないのかよ」
だめもとで聞いてみる。
「面倒くさいって……何か引っ掛かりますけど。まぁいいです。ボタンくらいあげます」
あるんかいっ!
なら初めから渡せよ。
こう言うと機嫌を悪くしてもらえなくなりそうだから言わない。
ユキナが赤いボタンを出す。
「サリアさんのボタンはもらったんでしょう? それと近づけてみてください」
言われたとおりにする。
!!
二つのボタンが融けていく!
大丈夫か?
混ざり合って、一つのボタンになった。
なんだこれは。
「そのボタンを押すと、この街では私が、サリアシ草原ではサリアが出てくるんです」
一つ二役の便利なボタン、というわけか。
「じゃ、私帰りますね」
あぁ、いいよ……って違う!
本件を話していない。
「あ、それでだな。職業を変えたいんだが、どうやったら変えられるんだ?」
「職業の変え方ですか。ギルドに併設の教会でランダムで変えられますよ」
おぉ、それがわかったらもう大丈夫。
いくらランダムでも何回もやればあたりがでるはず。
「でも、職業を変えるにはお金と転職チケットが必要です」
あらら。そんなものは持っていない。手に入れる方法は自分で探すしかないのだろう。
ならしばらく音楽家で頑張ろう。そうしよう。
音楽家として何もやってないですねww




