第四話:RISING SUN
「んだよ…あれ…」
窓の外を見ながら、嵩弥は絶句した。
空を埋めつくさんばかりの数の人影が、神々しい光をバラ撒きながら、高層ビルよりも高い位置を滑空している。
その情景を共に目にしていたレヴィアは、自分を責めるように言った。
「あの時、私が死んでいれば…こんなことは起きなかったはずなのに…」
「どうしたんだよ!!なにがあったんだ!!今から何が起こるって言うんだ!!」
状況を飲み込めない嵩弥は、本能的にくる焦りや異様な程の神々しさ――禍々しさに圧倒され、苛立ちを隠せない。
「――怒り狂った天使達は、人類と同盟を結び、最後の悪魔である私を殺しに来ます。こうなった以上、もう誰も止めることは出来ません――」
「まさかここで…人界でやるわけじゃねぇよな!?」
三勢力が一気にぶつかり合えば、この世界は確実に破滅する。平和な世界が、楽しかった日常が消えていく。嵩弥はその事実に愕然とした。
「何か止める手だてはないのかよ!?」
「今のところ何もありません――すべて私のせいです…」
発せられた少女の声は、悲しみと不安と恐怖が入り交じっているように、震えていた。
「私が全てどうにかします。私が招いたんです。責任はとらないといけません」
この子一人が、解決できるほど甘い問題じゃないということは、彼女自信にもわかっているはず。だがそれを知った上で彼女は、なにかアクションを起こそうとしているのだ。
――ったく世話の焼ける悪魔だな。レヴィアは。
大空を舞う天使たちの姿は、徐々に大きく見えはじめる。
これ以上の接近を赦せば、魔力を検知されレヴィアの存在がバレてしまう。もしそうなってしまえば、黒瀬家にいる親族にも危害が加わってしまう。
「何のために、俺を眷属にしたんだよ。一人でなんでもやっちゃ意味ないだろ――」
嵩弥は、再び胸を張って続ける。
「さっきも言ったろ、俺は君の眷属だって。行くぞご主人様!!」