4話 日常
――カオスとの戦いから一週間たった。
あれから特にアンノウンが現れることもなく退屈な毎日が続いている。
退屈なことの例としては今のように退屈な授業を受けていることとかかな。
「おい、天野聞いてんのか~」
教師が僕の方を向いていた。
「とりあえずこれ答えてみろ」
聞いていなかった。聞いていなかったが大丈夫だ!
僕は聞いてなくても聞いてる人はいる。その人の頭の中をのぞかせてもらい答えれば怒られなくて済む。完璧だ。完璧過ぎて怖い!
それにしても【スキエンティア】って便利だな……。
――やっと帰れる。
「天野君、一緒に帰らない?」
白金さんは気を使ってくれてるのかよく話しかけてくる。
「ごめん、行くところがあるんだ」
「私もついていちゃダメかな?」
これは予想外だ、これを言えば一人で帰れると思ったのに……。
まあ、たまにはいいか。
「わかったよ」
「じゃ、帰ろうか」
なんでこんなに嬉しそうなのさ。
「ところで寄るところってどこ?」
「本屋さんだよ」
「分かったー」
――気づくと本屋さんの中にいた。
「え、これ人にバレないの?」
「時間を止めたから大丈夫」
「止められるんだ……」
「まあ、慣れるまで難しいけどね」
僕はあなた達の考えになれるのが大変ですがどうすればいいですか? 東京都在住天野和真。
――その後とりあえず本を買った。
「ごめん、終わったよ」
「じゃあ行こうか」
まあ、たまにはこういうのもいいかもしれないと思った。でも一人でいる方が気が楽なんだよな……
「あ、僕こっちだから。また明日」
いつの間にか家の近くまで来ていた。
「あ、うん、また明日ね」
――家に帰ってから今日買った本を開く。