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この世界で願いのために戦う僕の物語  作者: KOKOA
第六章 絶対者《ストゥルティ》
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48話 認めてる

 僕もそれに微笑みで返す。

 そこでふと思った。

「そういえば三人とも髪が白いままだけど大丈夫なの?」

 士希はちょっと目を上に上げて髪を見て、忘れていた事を今思い出したみたいな顔になる。

「ああ、僕らは元から髪が白なんだよ。まあ、翼はインペリウムの使いすぎで白になったんだけど」

「え、翼は大丈夫なの?」

 驚いて翼に顔を向ける。しかし翼はコテンと首を倒して不思議そうな顔をしたあと。少し考えて言った。

「大丈夫だよ? この髪、結構気に入ってるんだ。シキとノゾミと一緒だから。それに綺麗でしょ?」

 翼は笑顔で言う。

「うん、綺麗だと思う」

「ありがとう」

 これはお世辞とかではない。本当に綺麗なのだ。雪――人の方――みたいに腰まで伸びた長い髪は雪――自然現象の方――のように真っ白でとても幻想てきだ。……雪って紛らわしいな。

 そういえば聞いておきたいことがあった。

「そういえばロキってどのくらい強いの?」

 単純な疑問だ。インペリウムを使っても勝てなかったロキはどれくらい強いのだろうと思っただけだ。

「う~ん、まあいままでの敵では一番かな~。力もあるし、何より頭の回転が早すぎて……」

「マジかよ……。てかロキ以外にもまだまだ神はいるんだよな? それに神の世界にいる奴って皆神の実食べてんだろ? そいつらもロキみたいに強いわけ?」

「いや、そういうわけではないよ。そもそも強かった神の実を食べたとしてもその神と同じ強さになるわけじゃないんだよ。実を食べた神の使える魂の量とかで強さは変わるからオリジナルの神を越える神もいれば届かない神もいるし。だから強さにバラつきがあるね」

「ああ、神の実も魂の量で決まるのか」

 そもそも魂とはなにか。魂は魂の器に溜まっているものだ。魂と魂の器はペットボトルとそこに入った水みたいなものだ。そしてそのペットボトルには飲める制限がある。この飲める量が魂の使える量だ。最初から使える量は才能だが訓練などでその量は増やすことができる。魂を使ってスキエンティアを使う。言い換えれば戦闘力だ。そして使える量より多く使えば魂の器が傷つく。当然だ。本来は飲めないものを飲もうとするのだから入れ物を壊すしかない。

「まあ、神と人間では器の大きさも使える量もかなり違うんだけどね。ああ、これも説明しなきゃね。魂の器は世界によって大きさが違って生命の世界より神の世界の方が大きいんだよ。あと魂の使える量も神の方が上なんだ」

 うん、強さにバラつきがあるって言っても強いことに変わりはなさそうだ。

 …………。意を決して聞くことにした。せっかく話してくれるんだ。聞きたいことは今聞いてしまおう。

「なあ、士希。ロキの言っていた色のことなんだが……」

 僕が少し言い淀むと士希は言いたいことを察して話始めてくれた。

「確かに人の魂には色がある。だけど和真、ロキが言っていたような和真が人のことを認められないなんてことはないよ」

「……なんでだ?」

「じゃあ、逆に和真は僕たちのことを認めてないのか?」

 士希は真剣そのものの表情で見つめてくる。

 視線を上げる。

「和真君は私たちを認めてる違う?」

 雪は優しく微笑んでいた。

 なんだ……なんで僕は悩んでいたんだ? 僕は――

「うん、認めてる。ごめん、突然のことで気が動転してたみたいだ」

 ――僕は認めている。確かに二人に出会うまでは人を認められなかった。でも今は違う。二人のことは認めているし、翼と希美のことも認められるはずだ。

「それに、和真の魂はユグドラシルに選ばれたんだから誇れるんだぞ?」

「ん? ランダムじゃないのか?」

 士希はマジックのネタばらしをするように得意顔で話す。

「いや違うよ。ユグドラシルが魂を選ぶ条件は色が濃いことが一つ。そして魂が綺麗なことだ! この二つが揃った者が現れた時、黄金のリンゴが変化するんだよ」

 魂が綺麗か……うん、これは嬉しいな。なんだか少し安心出来た。

「お、和真元気出たみたいだな」

「え、なんでわかった?」

「いや、今笑ったから」

 うわ、なんか恥ずかしい。

 一人照れていると、士希が立ち上がり手をパンと叩く。

「まあ、とりあえず今日は寝よう。明日から大変だし」

 時計を見るととっくに祭りに行ったのは昨日のことになっていた。針はもうすぐ一時を指す。

 集中して聞いていたから眠気は飛んでいたが時計を見た瞬間に強烈な睡魔が襲ってきた。

「そうだな寝よう……」

 眠い目をなんとか開きながら僕も立ち上がる。

「明日から大変だもんな……。ん? 大変?」

 自分で言って自分で突っ込む。

「ああ、明日から和真と雪は翼に鍛えてもらってね」

 士希はさらりと言う。

 おいおい、勘弁してくれよ……。インペリウム使って疲れがいつもの何倍もあるんだぜ……。

「ま、疲れていると思うから訓練は午後からでいいよ。あと今日は回復機の中で眠っちゃいな。てか今日は僕も回復期で寝るは……。流石に今日はマジックドールを使いすぎたからね」

 士希はふわーとあくびをする。

「ま、まあそれなら……。マジックドールってなんぞ?」

「え? あー、ごめんこれも説明しないとね。えーとマジックドールってのは――」

 士希は一度座ってから話しだした。うん、眠いのにごめん……。 




 マジックドール。その名の通り魔法の人形だ。ユグドラシルで働いている人もその一種で使い魔のようなもの。

 司令室でコンソールとかをいじっていた人たちがそうだったらしい。まあ、喋ったのとかほとんど聞いたことないな思えば。多分、喋ったのも僕たちが不自然に思わないよう士希が動かしていたのだろう。

 人間の形をしていても意思はないらしく。士希の魔力によって動かされるみたいだ。

 今日みたいな緊急事態――アンノウンが出た時は大変らしい。まず士希がスキエンティアを使えないよう振舞うためにいろいろ必要らしい。

 ユグドラシルの外に出てモニターに映像を流す使い魔。テレパシーを送るための使い魔。今まではこの二つの機能はユグドラシルの機能と説明されていた。

 この二つを形にするのはあまり魔力はかからないらしい。なんでもマジックドールは形が自由でこういうのは小さくできるとか。しかし、透明化と機能にかかる魔力はそこそこで、戦いですぐ壊れるため生産し続けるために魔力さらに魔力がかかるらしい。

 



「――てな感じのものです。あとこう言う理由で戦ってないのに疲れてます」

「オーケー、眠いのにありがとう」

「いや、大丈夫だよ。和真たちほど疲れてるわけじゃないから。マジックドールに魔力を使うって言っても多いってわけではないし。ただ状態を整えておきたいだけだから」

 そう言って士希は椅子から立ち上がる。疲れてないって言っても眠そうではあった。

 まあ、僕がやったらかなり疲れてるんだろうけど。

「じゃあ、行こっか」

 雪も目をくしくし擦りながら立ち上がる。

 うーん、流石に眠気がマックスだ。明日はギリギリまで眠っていよう。

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