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この世界で願いのために戦う僕の物語  作者: KOKOA
第三章 魔法《メミニメモリア》
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11話 十二支

 一気に言ったせいかゼエゼエと咳き込んでいる知与川を放っておいて今通り過ぎたものを確認する。すると確かに牛の様なものがいた。そいつは唸りを上げ再度こちらに突進しようと地面を踏みつけていた。地面は踏みつけられる度えぐられクレーターが出来上がっていく。そして――

「モォォォオオッッ!!」

 と、突然叫びをあげて突進してきた。僕はそれを避け剣で横っ腹を思いっきり斬る。

 しかしチョウは悲鳴を上げただけで倒れることはなかった。

 次こそと、もう一度チョウに斬りかかろうとするとその刃は突然現れたシェンによって受け止められた。

 シェンは「キキッ」っとさる独特の声を出し、僕を嘲ったいるようだった。

 今度はシェンを狙い斬りかかるとシェンは近くにいたウーに乗り移るのだった。

 しかし僕は三体だからまだ攻撃は食らってないが白金さんは今八体と戦っている。心配になりチラと白金さんの方を見てみる。が、心配なんていらなかった。

「ハッ!」

 裂帛の気合とともに空にいたヨウを斬り裂き。そのまま急降下してハイを串刺しにする。そして向かってきたシューを避けながら斬る。しかしマオの蹴りが掠る。だが怯まずマオも串刺しにする。

 この調子なら倒せるだろう。僕はチョウに向き直り斬りかかる。 

「ファースト・アクセル!」

一瞬の間に距離を詰め体を斬り飛ばす。そのままシェンに向き直る。

「シューシュー」

 不意に不気味な声が聞こえてきた。それは明らかにシェンの声ではない。

 そして次の瞬間鋭い痛みが走ると同時毒が体に回るのを感じる。いつもだったらここで毒を消す。だが今回は消せなかった。足元を見ると三十センチぐらいの蛇が足に噛み付いていた。チョウとの戦いで気付かなかったのか? いや、明らかに気配がなかった。アンノウンとの戦いに常識なんて通じないと改めて認識したところでスーを斬り落とす。だが毒は消えない。こいつら思ったよりも連携が出来ているのかもしれない。

 そんなことを考えているとウー、ウェイ、シェンの三体がこちらに向かってきた。それをひとまずよけ一呼吸置いたあと斬りかかる。まずは一番厄介なシェンを肩付けるべく炎を剣に纏わせ斬りかかる。だがあっさりとよけられてしまう。

「セカンド・アクセル」

 そうつぶやきファースト・アクセルからセカンド・アクセルに切り替える。そこから一気に間合いを詰めゼロ距離で火炎球を叩きつける。

「キィィィッッ!!」

 と、断末魔の叫びをあげながらシェンは消えていった。

 次はとウーにむき直るとウーは全力で逃げていた。更にはそこでセカンド・アクセルの効果も切れてしまう。が、白金さんが回り込み剣を突き立ててくれたので追うことなくウェンに向き直れる。ウェンは何やら変なガスをまき散らしながら突進してきた。そのガスを僕は少し吸ってしまった。それはどうやら睡眠ガスだったらしい。急激に眠たくなってくる。更には毒も体全体に回ってきたらしく体がまともに動かなくなる。

「天野君大丈夫!?」

 倒れ込んだと同時に白金さんは僕の方に来て声をかける。そして――

「ア・サイン・オブ・リカバリー」

 と、白金さんが言うと同時に体が少し動くようになる。

「あ、ありがとう」

 まだ少しふらつくがどうにか起き上がり礼を言う。

「天野君は少し休んでて」

「じゃあ、お言葉に甘えて」

 それだけ言うと地面にへたり込む。

「ハァァッッ!」

 白金さんは一瞬の間にウェンの前に移動し気合とともにウェンを斬り上げるのだった。

「後はそこの二体ね」

「僕も手伝うよ」

 回復した体に鞭を打ち起き上がり白金さんの隣に並ぶ。

 向き直った先には今までとは明らかに雰囲気の違う二体がいた。

 一体は龍。もう一体は虎と言う十二支では見た目からして強いや奴らである。

「グルルルルウウウッ!」

 と、龍が声を上げると同時に赤い閃光が目を焼く。大きく後ろに飛び退くとさっきまでいた所に火が広がる。こいつ火炎ブレス吐けるのかよ……。なんて徒労していると再び火炎ブレスをチェンが吐こうとしていた。こちらももう一度避けようと後ろに飛ぶとその先にはインが涎を垂らしグルルルと喉を鳴らしながら待っていた。咄嗟に僕は空に飛び逃げるが白金さんは逆にインに突っ込んでいった。

「雪!!」

 焦ってそう叫んでしまった。

 しかし白金さんは「大丈夫だよ和真君」と言ってインを斬りつけたのだった。流石にインも予想していなかったらしくギャウと叫びをあげる。そこでインのターゲットは決まった。インはすぐに白金さんに噛み付こうと口を開ける。しかしその口が白金さんを噛むことはなく虚しく空気を噛むだけだった。白金さんは再度インのすぐ近くまで踏み込み斬りつける。しかし今回は一撃で終わらず今度は横から斬りつけ最後に剣で深々と貫くのだった。だがそれでインは倒れなかった。逆に今度は白金さんがインの突進を食らってしまった。その時バキと嫌な音が耳に届く。更にはチェンのブレスも準備が終わったようで白金さんめがけて発射される。   

 

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