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この世界で願いのために戦う僕の物語  作者: KOKOA
第三章 魔法《メミニメモリア》
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9話 夢

「天野君ホント強くなったね」

「まあ、初めて戦った時よりはね」

 てかサード・アクセルまで使って引き分けだと少しショックだ……。

「じゃ、また明日ね」

「おう、また明日」

 挨拶をし帰路につく。

 自分で言うのもなんだが今日の訓練は良く戦えたほうだと思う。

 そういえば白金さんの全力ってどの程度なんだろうか。とても今日のが本気だとは思えない。

 ま、いつか白金さんの本気も見れるだろう。ただ、その時は結構ピンチなんだろろうなー。

 空を見上げると星がいくつか輝いていた。そろそろお腹も減ってきたし家に帰るとするか。




 扉を開けると少し暖かい風が吹く。もう五月とは言え寒い日はある。

 急いで自分の部屋へ行き荷物を置く。そして着替えリビングへ行く。よし、ギリギリ飯の時間に間に合ったようだ。怒られないことにひとまず安堵し息を吐く。

 飯を食べた後風呂に入り布団へ入る。布団の中は心地良くすぐに眠気が襲って来る。だが寝るわけには行かない。【インペリウム】の練習をして少しでも白金さんの力にならなければならない……。




 朝になり目を覚ます。頭がまだぼんやりとしており気持ちが悪い。昨日は確か練習をしていて途中でくたばったのだった。

 それにしても変な夢を見た気がする。確か内容は……。ダメだ全く思い出せん。ただ覚えていることが一つだけあった。そこから記憶の糸をたぐり寄せる。ああ、思い出した――




 ――確か僕が何かと戦って負けてしまう夢だったはずだ……。あと、もう一人女の子がいてその子と一緒に僕が死ぬんだった。そうだ昨日見た夢は大体そんな感じだったはずだ。




 改めて思い出すと縁起でもないよなこの夢。僕ってほらアンノウンと戦っているじゃないですかー。だから死ぬ可能性もある。

 ふと一つの可能性に行き当った。もし、仮にもしあれが予知夢で僕を殺すのがアンノウンなら必然的にあの女の子は白金さんということになる。……ちと気を引き締めるか。

 布団から起き上がりリビングに降りて行き朝食を平らげる。




「あ、おはよー天野君」

「おはよう天野」

 教室に入るなり白金さんと知与川に声をかけられた。

「お、おはよう。二人とも早いのな」

 僕も挨拶をし会話に入る。

 最近この二人と話すことが多くなり一部を除いて僕に対する敵意丸出しの視線は減ってきている。でもはっきり言って敵意丸出しはどうかと思う。特に一部の奴ら!

 と、そこで教師が入ってくる。談笑していた奴ら(まあ、僕も入っているんだけど)が席に座る。

「え~皆さんおはよう。今日も一生懸命、勉強に励んでください」

 この先生は基本勉強のことしか話さない。当然生徒には嫌われている。

 先生の話を聞き流しホームルームは終わる。

 



 今日も一日何事もなく過ぎ去り放課後となった。

「天野君今日も勉強会やらない?」

「悪い、今日は用事があるんだ」

 一言断りを入れ帰路に着く。

 さっきは用事と言ったが本当にあるわけではない。ちょと一人になりたかったのである。

「ん~」

 伸びをしながら聞くことを決意した。

「二人ともなにやってんの?」

物陰から二つの人影がソロソロと出てくる。

「バレてたかー」

「ご、ごめんね天野君」

「そりゃスキエンティアで頭の中覗かれそうになったしね」

 さすがにそこまで鈍感じゃない。訓練だってしてるし。

「で、なんの用?」

「いや、用って程のものでもないけど天野の家ってそこかなーと思ったんだよ。ごめんね」

「ハァ、まあいいよ。で、僕の家ならここだけど上がってく?」

「いいの?」

 白金さんが小首を傾げながら聞いてくる。

「別にいいよ」

「じゃあ、お邪魔します」

「お邪魔します。天野ありがとな」

「ああ、とりあえずついて来て」

 僕の部屋に二人を案内する。

「じゃあ、適当に座って待ってて」

 リビングまで降りてお茶とお菓子の用意をする。その間にカレンダーで母さんのシフトを確認する。今日は七時までシフトが入っている。あとは咲だがあいつは今日部活のはずだし気にしなくていいだろう。

 ちょうどそこで湯が沸いたのでティーパックでお茶を作り二階にある自分の部屋へ行く。

「お待たせ~」

「あ、お兄ちゃんおかえり」

 部屋になぜか妹がいた。僕のことを嫌っているはずの妹が……。

 とりあえず妹に僕の分のお茶をやり説いただす。

「で、なんでいるのかな?」

「え、お兄ちゃんが友達連れてくんのなんて初めてだから見たかった。ただそれだけ」

 ホントこいつ自由放任だな。もうここまで来ると尊敬するわ。

「まあまあ、妹さんも一緒でいんじゃない?」

 知与川が宥めるように言ってくる。

「お、お兄さんいいこと言うねー」

 当然咲は知与川の言うことに賛成する。残るは……。

「私も一緒でいいと思うよ」

 僕の負けが確定した。ハァ、なんだってこんな事に……。

 しょうがなく僕も座り会話に参加する。





 あれからどれくらい話し込んでいただろうか。もう外は暗くなり太陽は完全に沈んでいた。

「ただいまー」

 おうふ、最悪のタイミングで帰ってきた。このままではこんな時間にもなって友達と遊んでんのがバレてしまう……。

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