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クラーケン

「召喚、クラーケン。」


クラーケンといえば、海に生息している巨大なイカの怪物のことだ。

しかし昔は姿を見て生きて帰った者はおらず、舟を襲い食らう謎の巨大生物として語られていた。

正体が判明し、一番大きな大将が退治されてからは多くの冒険者によって対処できるようになり、海で扱う召喚獣としての契約もされるようになった。


「久しぶり、クラーケン。」


召喚されたクラーケンは、まだ小さな子供の時にサテラと契約した生き物だ。どうやら仲間とはぐれたらしく、弱っていたのを拾われて育てられていた。

だからなのか、大きくなって別れてからもサテラを母親のように慕ってくれている。クラーケンはいつものように甘えきた。


「まったく、もうあなたは子供じゃないのに。」


そう言いながらも、サテラは嬉しそうにクラーケンを撫でてやる。

サテラのクラーケンは比較的小さい方なので扱いやすい。今回呼び出したのは湖だが、余裕をもって喚び出せた。


「実は、この湖に指輪を落とした人がいるの。大事なものだけど、ここって深いし危ないから探せなくて。見つけてくれる?」


クラーケンは頷いて潜っていく。

この世界において、墨で黒く染めた海を泳ぐことからクラーケンは物を探すのが得意だと予測されている。特に宝物をだ。舟を襲っていたのも、運んでいた宝が目当てだったのではと言われている。

ゆえに、サテラはクラーケンに頼んだのであった。

しばらくしてクラーケンが水面から顔を出し、目的の指輪と思われるものを差し出す。


「早かったね、ありがとう。あれ?これは。」


クラーケンはもう1つ、サテラに差し出す。それはとてもキレイな色をした水晶だった。削られたのか、形は歪だが丸々としていた。


「ついでに見つけてきたの?この湖にこんなものがあったなんてね。ありがとう、大事にする。」


サテラは水晶を抱いて微笑んだ。その顔を見てクラーケンもおおいに喜び、じゃあもっと拾ってこようと今度は勢いよく潜り込む。


「あぁ、一個で充分だから!また潜らなくていいから!」


これ以上なにかを見つけられても困るので、彼女は慌てて止めさせようとしたのだった。



「そうそう!この指輪よ。本当にありがとう。」

「いえ、こちらこそ報酬までいただいてしまってすいません。」

「当然のことよ。諦めていたんだもの。」

「あの、ところで他にも落とし物をされた方ってご存知ないですか?」

「え?そういえばそんな話を何人かから聞いたような。もしかして他にも何か見つかったの?そうよね、あの湖って広いから。」

「えぇ、まぁ。紹介してもらえます?」

「もちろんよ、協力するわ。私、顔広いから期待してて頂戴。」

「それは、助かります。」


なるべく沢山の情報が必要なのだ。

なにせ、気合いを入れてたくさん拾ってきてしまったのだから。


「見つからなかった分は、寄付しようかなぁ・・・。」


ちなみに彼女が去ったあと、湖が綺麗になったことが噂になり、水晶もとれることから村の名所になるのだが、その起源は知られることがなかった。

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