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エピソード2

団地にいると妻の百合子は、怖い幻聴が聞こえてくるのでした。


エピソード2


夫・・・・・・この幸せな部屋にこしてから、僕の妻は狂い始めた。どんなに愛しても彼女の世界に僕は入れない。


妻・・・・・・この団地に越してきて2年目になる。役員とかはまだしていず、でもいずれする日がやってくるだろう。今までワン・ルームのアパートに住んでいたので、この3DKの部屋は夢のようだ。でも、ある日それは突然に聞こえてきた。

「あんな人いなくなればいいのに・・・。」

「あの人、ここが悪いんですって。」

と。最初の頃は恐怖におびえ羽根さんに電話でカウンセリングしてもらう日々が続き、2年目になると私はその声に心の中で話しかけて気に入られるようにするようになった。こうすると、幻聴も私と仲良くしてくれるのだ。私は空の声は本当の声だ・・・といっても夫も主治医もカウンセラーも

「それは幻聴です。気持ちをしっかり持つ事です。」

と言うだけなのだ。

そんな私に空の声の野谷さんは甘く愛を語ってくれる。35歳の私に対して。そうこうしていくうちに、私は現実の野谷さんに恋心を抱くようになるのでした。

野谷さんは眠りつく私に

「・・・ディケアがありますよね。そこの学習室で会いましょう。」

と言ってくれるのに、私がそこの場所で待ってていても彼は仕事をしていて約束の場所に現れてはくれないのだった。何度も。

しだいに私は彼を待てなくなり、結婚しているのに自分の幸せもかえりみずに、野谷さんに思いを打ち明けるのだが

「ごめんなさい。僕には彼女がいます。」

と言われ振られるのであった。

なのに落ち込んでいる帰り道、野谷さんは

「ごめん。本当は百合子さんが好きです。勇気がなくてごめんなさい。」

とあやまってくるのでした。私は頭がこんがりながらも彼の空の声を再び信じるのでした。私は野谷さんを愛していた。


夫・・・・・・僕と過ごしている時間の中で妻は何を見ているのだろう。


妻は恋心を抱いている野谷さんに、告白するのであった。

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