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ぎゃるめがっ!!!〜ときめきが魔力になる学園で、魔力ゼロなチョロかわギャルとバディになった話〜  作者: 河津田 眞紀@第一回Nola原作大賞早期受賞×2作
5.ギャルとギャル

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邪神と信徒




 突然飛び出した憧れの人物の名に、ヒメカは耳を疑う。


「つっ、ツバキ様に……救われた?!」

「そう。中三の夏、僕は()()()()()をきっかけに、深い悲しみと憎しみに堕ちた。そのせいで『アメノ』の餌になる寸前まで追い込まれた。それを助けてくれたのが、ツバキさんだったんだ」

「アメノ、って?」

「五百年前に封じられた邪神……負の感情を司る神だよ」

「え……」


 ――邪神。

 ミカモの授業でも聞いた、人類に(あだ)なす神だ。


 今は封印されているが、いつの日か復活すると云われている。

 だからこそ、その日に備えるため、ライゼント学院が設立された。

 ヒメカたち神律師(ハーモナイザ)は、邪神アメノに対抗するための戦力でもあるのだ。


「ってことは……邪神の封印はもう解かれてんの?! え、ヤバくない?!」

「いや、本体はまだ封印されたままだよ。でも、神というのは実体のない思念体だから、封印し切れなかった僅かな思念が『断片』として各地に残っているんだ。断片は寄り集まって人々の絶望を喰らい、本体を蘇らせるための力を蓄えている。今、この瞬間もね」

「そんな……」


 初めて知らされる事実に、ヒメカは息を飲む。


 想像だにしなかった。

 邪神が断片という形で世に蔓延(はびこ)っていることも、リィトにそのような過去があることも。


「僕たちがニナヨ神の神律師(ハーモナイザ)であるように、アメノもその精神に同調する人間を選定する。そうして選ばれ、アメノの信徒となった人間は、『邪神徒(フェイスフル)』と呼ばれている」

「フェイスフル……」

邪神徒(フェイスフル)は邪神アメノに心酔し、復活させるために人々の絶望を集めている。僕は、その邪神徒(フェイスフル)の一人に騙されたんだ。そうしてアメノの養分にされそうになったところを、ツバキさんに助けられた」


 邪神に対抗するための神律師(ハーモナイザ)がいる一方で、邪神に同調する者たちもいる。

 それが、邪神徒(フェイスフル)

 世間ではあまり知られていない勢力の名だ。


「その後、僕はニナヨ神に認められて、神律師(ハーモナイザ)になることができた。邪神徒(フェイスフル)に対抗するため、賜魔術(アコード)の訓練を受けさせてもらって、今に至る……というわけなんだ」

「そっか……それで入学前からバイタリストを持ってたんだ」


 賜魔術(アコード)の制御に長けているのも、ツバキの元で早くから訓練していたため。

 様々なことに合点がいき、ヒメカはふっと肩の力を抜く。


「……大変だったんだね、リィト。アメノの影響とかは、もう大丈夫なの?」

「うん、メンタルの異常はもうないよ。ただ、邪神徒(フェイスフル)の息がかかった者がどこにいるかわからないから、普段は顔を隠しているんだ。一度は絶望しかけた僕を、邪神徒(フェイスフル)がまた狙いに来るかもしれないからね」

「そっか……その『絶望』って、けっこうヤバい症状なの?」

「うん。思考と精神が真っ黒に塗り潰されて、身体の内側が不快感で満たされて……黒い(もや)や涙となって溢れ出てくるんだ。あんな思いは、二度としたくない」


 ……それを聞いた瞬間。

 ヒメカは、はっとなる。


 何故なら――それと似た状況を、その目で見たことがあるから。


(まさか……ここで、あの時の答え合わせができるの?)


 急に黙り込んだヒメカを、リィトが心配そうに覗き込む。


「……ヒメカちゃん? 大丈夫?」


 その視線を受け、ヒメカは……心を決める。


(……リィトは、過去を打ち明けてくれた。だから、あたしも……同じように、すべて打ち明けよう)

 

 ヒメカは立ち上がると、らぶたん――桃色のブタのぬいぐるみを手に取り、


「その、アメノの『絶望』ってやつ……あたし、見たことあるかも」

「え……本当?」

「うん。あたしも、リィトと同じ……ツバキ様に救われた人間だから」


 そうして、ヒメカは……

 自身の過去について、語り始めた。



 

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