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私、○○君が気になるんだよね

今回はちゃんと短編ですよ。

まぁ、ネタ自体はまだまだあるので、気が向いたら短編という形で増やします。


「私、○○君のことが気になるんだよね。どう思う?」

「へ?」

ある日の夕方、大学近くの喫茶店で目の前の女性がそう話を切り出す。俺は間抜けな返事を返すしか出来なかった。

「いや、私ももう大学生だし、彼氏の1人や2人は欲しいわけですよ。」

「はぁ、で、俺にどうしろと?」

「単純に手伝って欲しいんだけど。」

…さて、どうしたものか。目の前の女性は俺に恋愛相談をしたい御様子である。まぁ、色々と言いたいことはあるが、そもそもの前提としてであるが、俺はその○○君とやらとは面識が全くといっていいほど無い。そして、俺は絶賛片想い中の女性から恋愛相談を受けているというこの状況を呑み込めていない。なんですか?失恋ですか?来週2人で映画デートの約束まで漕ぎ着けたのに失恋確定ですか?いや、本当に意味がわからないんですけど。助けてドラ○もん

「で、君は○○君とお近づきになりたいのはわかったけど、なんで俺に頼んでる訳さ?俺はその○○君と面識無いし、同じ学科の人間ですら無いよね?」

「でも、君、○○君と同じ学科の友達いるよね?私、あの学科のこと苦手なんだよな。」

「…ちなみにどこの学科?」

「英語科だよ。」

…知り合いいたよ。それも結構な頻度で駄弁るレベルのが…でも、俺嫌だよ?そんな意中の相手の恋愛に協力するなんて…俺にとってなんも良いこと無いじゃないか…というかそもそも苦手な学科の男子に恋するってどういう事ですかね?僕には何が何だか分からないよ‼️なんなら分かりたくもない…

「で、私どうしたらいいと思う?」

「うん、それを俺に聞く事自体がもう駄目だと思うよ?」

と、返しておく

「なんでそういうこと言うかな?」

いや、俺はおまえの事が好きだから他の男とお近づきになる為の協力なんてしたくないなんて言える訳無いよね?

「いや、そもそも俺に恋愛相談してもまともな答えが返ってくると思う?」

「…あ~、なんかごめん。」

数ヶ月前に惰性で付き合っていたとはいえ、彼女としっかりと揉めた上で別れてるんですよ俺?そんな俺に恋愛相談ってある意味勇者か何かですか?

「でも、私は君くらいしか頼る事できないんだよね…」

「いや、俺にも出来る事と出来ない事位あるんですけど…」

「そういって君はいつもなんとかしてくれるじゃん?」

「うん、そうだね。なんで、俺がなんとかしてるかを考えた事はあるかい?」

「うん、なんとか出来るからだよね。という訳で今回も…」

「いや、出来ない事もあるって今言ったよね?」

「そんなこと言わずに手伝ってよ…」

「面識無い人間と君をどうやってくっ付けるって言うんだよ…そもそもどうやって知り合ったのさ?」

「講義中のグループワークで一緒になったんだよね。そこでいいなぁって思ったわけですよ。」

「じゃあ、そこで誘えば良いんじゃないのかい?」

「私にそんな度胸あると思う?」

「そんなに堂々と言うものじゃありません。」

「人間みんな君みたいに無駄に度胸があったり無駄に行動力があったりする訳じゃ無いんだよ?」

なんで、俺が怒られてるんだ…というか途中からなんか俺ディスられてない?そもそも今日俺に恋愛相談しに来たんだよね?

「そこまで言うなら今回の相談は聞かなかった事にしようか。」

「それは困る。」

「いや、困るって…自分から行動起こさないと何も変わらないんだよ?」

「だから、君に相談してるんだよ。」

「他力本願かよ…まぁ、君がなんと言おうと、俺には○○君との面識は無いし、君と○○君をくっ付けるなんて魔法みたいな事は出来ないよ。」

「そんなぁ~、なんとかならないのかいドラ○もん」

…とうとうドラ○もん扱いだよ…人の気も知らないで…でも、そういう抜けてる所も好きなんだよな…我ながら救いようがない。

「誰がどこぞの青い狸じゃ、とは言え、相談があるならこれからも聞くからさ。」

「相談は聞いてくれるんだ。」

「あんまり期待せずに聞いてくれよ。」

「うん、じゃあ早速なんだけど、どうすれば意識してもらえるかな?」

「どうすればいいかねぇ…まぁ、グループワークで積極的に絡むとか、その男子以外の男子と遊びにいかないとか?ほら、あなたの事を意識してますって態度で示すのって大事だと思うよ?」

「なるほど、態度で示すのが大事と…」

「だから、来週の映画見に行くのはやめとこうか?」

「え?なんで?映画は行こうよ?」

「さっき、他の男と遊びに行くのはやめといた方が良いって言ったよな?」

「それとこれとは話が別だよ。君と遊びには行きたいしね…あ、そろそろ返らないと。君はどうする?もうちょっといる?」

「いや、普通に帰るよ。晩御飯の買い物もあるし」

「1人暮らしは大変だね。」

「まぁ、色々ズボラしてるし、まだ楽な方だよ。」

「それもそっか。じゃあね~」

「はいはい、また今度。」

と、それぞれの家路へと歩き出す。…それはそうと別の男が好きなのに俺と普通に遊びに行くってどういう事?もしかして異性として認識されてないやつか?…さて、どうしたものか…諦めるべきか…アタックすべきか…全くもってわからん…




―数年後―

「そういや、あの時なんで俺に恋愛相談なんかしたの?」

「さて、なんででしょうか?」

「教えてくれてもよくない?」

「教えなーい」





という訳で、久々の投稿です。お楽しみ頂ければ幸いです。

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