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20話。戦闘開始

戦闘描写が苦手すぎてあっさり目です……

「コイツは不死鳥-フェニックス-その姿と特徴から伝説の生き物の名が付けられた。……さあ、お前らはどう倒す?」


「そんな……」「倒せっこない……」

悲痛な声を上げる僕達だったが、1人だけなにか思いついていたようだ。

「それで、弱点は? 教えてくださるのでしょう?」その1人……栗出さんはまだ諦めて……いや、最初から諦めていなかった。

「あぁ、もちろんだ。約束だからな!」

「フェニックスの弱点は予備動作の大きさとクールタイム……こんくらいか?」

あまりにもあっさりと教えるサンゴに狼狽えるが、栗出さんたちは平然としていた。

「なるほど……攻撃手段は?」

「そこまで教えたらつまらないだろう?それに……すぐに分かるしよ」

とうとう檻が開け放たれ、サンゴから逃げ出したいとばかりに焦ったフェニックスが勢いよく出てきた


火の粉を纏い、優雅に羽ばたくその鳥は、首を正面に向けると、翼をいっそうばたつかせ、炎を纏った羽を周囲に浮かばせる。

「中央!まっすぐ来るで!」

色奈の声で鳥の正面にいた僕らは左右に飛び退る。危なかった……直ぐ横を通り抜けた炎の羽に背筋が冷える

「下りてくる気配はなさそう…色奈さんに回避の指示は任せて、遠距離の攻撃手段を持つ私たちで削りましょう!」

「「了解!」」


その後、色奈の指示で鳥の攻撃を避けながら、攻撃できそうな人から攻撃していくこととなった。

最初に動いたのは色奈だった。半分目をつむって攻撃の予測をたて、指示を飛ばしつつ、もう片方の目で狙いを定めて弓を放った。

「当たるっ!」

その弓は鳥の片翼に突き刺さり、グギャァッと鳥は苦しげに呻いた。

その影響で少し攻撃が止み、その隙に! と何人もの攻撃が鳥に命中する。

古梓さんのダガーは片目に突き刺さり、栗出さんの弾は開いた嘴に消えていった。咲のクナイはもう片方の目に突き刺さり、鳥は視界を奪われることとなった。さらにはどうやったのか、月熾さんの短刀が鳥の胸に深々と刺さる。

「ごめんなさい……私……杖だから……」

落ち込む凛にかける言葉が見つからない。

「僕も……何も出来なくて……」

役に立てないと嘆く2人を他所に、集中砲火を受けた鳥は、一際大きな悲鳴を上げたかと思うと周囲に浮かんだ羽を散らし、地面におちてきた。


終わったのか……?そんな空気が流れつつも、誰も口に出さない。

「……つっ!?」

誰かの押し殺すような悲鳴と同時に退避の指示が飛ぶ。

「しゃがめ!」

反射で倒れ込むように伏せると、頭上を僅かにかすって炎の羽が無数に飛んでいく。


「たす……かった……?」

あたりを見まわしても、今の攻撃で負傷した人は居ないようで、ホッと息を吐く。

鳥を見ると、瞼を閉じ、完全に沈黙しているようだった。


「おお!意外と早かったな!」

戦闘が始まってからずっと黙っていたサンゴが闘技場の端から楽しそうに鳥に駆け寄った。

思わず身構える……がそれは僕だけでは無かったみたいだ

警戒を露わにする僕らに、サンゴは慌てた様子で此方に向けて手を振る

「おいおい警戒すんな……ってのは無理か。ま、取り敢えず第1戦。フェニックスは倒したんだから喜べよ」

サンゴがそう言いながら鳥の上で腕を一振りすると、栗出さんたちが投げた武器がそれぞれの手元に戻ってきた。更に、大きかった鳥が跡形もなく消え去っている。

「そう……ですね。では次に参りましょう。」

え!?驚く様子もなく武器を受け取った月熾さんの言葉に驚く。もう少し時間を空けても……

「せっかちだな!まあ、良いだろう」

「ちょっと待てよ、月熾。何勝手に一人で決めてんだ。納得のいく理由があるんだろうな」

古梓さんに完全同意。皆疲れているし、次の戦いに行くにしても理由があるなら教えて欲しい……

「……自己都合で申し訳ないのですが、俺は現状だと長期の戦いでは役に立たなくなってしまうのです」

そう言って左腕をそっと抑える……そう……か。謎の光で戻ったとはいえ1度無くしたもの。失った腕を取り戻しても、暫くは上手く動かせないと言う話は何処かで聞いたことがある。


「それは……すまなかった……な」

古梓さんの言葉と共に、皆静まりかえった。しかし、その顔は仲間のためにも全力で戦う。という決意が見える。


「仲間を思いやる心……!泣かせるじゃねえか……じゃあ、さっさと次に行こう!」

サンゴは一瞬懐かしげに目を細めたが、直ぐに血の気の多い笑顔に戻ると、横にあった檻を開け放った。

明らかに檻の大きさを超えているその姿は黒々としており、鈍く光っている……亀だった。

ゆっっくりと歩を進め、僕らの前にやってくるが、なにか攻撃をしてくるそぶりが無い。

「こいつは大地亀-アースタートル-防御力では魔物一と言われるほどだ。」

これ……は……攻撃してこないとしても倒せる自信が無い……

「それで?弱点はなんですか?」

話の後では月熾さんの表情は僅かに焦りを感じるものだった。

「あぁ、こいつの防御力はその甲羅によるものだ。つまり……甲羅の隙間に攻撃してしまえば、その巨体からこいつに防ぐ術は無い」


「隙間……ですか。細かな攻撃は俺の得意とするところです。任せていただけますか?」

月熾さんが短刀を両手に構えて問うてきた。

……でも、左腕が……

「無茶ですよ。近距離の攻撃手段を持つ人は他にも……」

「栗出さん。でも1番小回りがきくのは俺でしょう?」

「そう……ですが……」

これ以上、月熾さんに無理をさせるわけには……!

「では、皆さんにはあの亀の気を引くために攻撃を加えておいて欲しいのです。その間に近づいて狙ってみますから」

皆、これ以上無理をさせたくないという思いだったが、それ以上に良い案は思いつかず、渋々了承するしかなかった。


こちらに目配せした後すぐに月熾さんは駆けだした。亀も彼を追うように首を動かしていたが、させるわけにはいかない。

甲羅に跳ね返されるのは分かっていたけど、正面から斬りかかる。

ガキンッ!……思ったよりかたい……

栗出さんの弾も、古梓さんのダガーも、咲のクナイも、色奈の弓でさえも甲羅に弾かれ、床に転がった。

……でも!

亀の後ろに人影を見て、思わずニヤリと笑う。


一瞬黒く光った短刀は、次の瞬間、甲羅の下に滑り込み、その体躯を大きく引き裂く。

グギャアッ!?

悲鳴を上げ、亀が後ろを向こうとするのを好機とばかりに月熾さんが甲羅を駆け上った。

すぐさま首元へ辿り着くと、首を切り裂き、とどめを刺した。


首元より黒い血を流し、亀は沈黙する。

……終わった……?

攻撃してこない分、さっきの鳥よりもあっけなく終わり、戸惑う。


「おお!早かったな!俺が弱らせてたとはいえ、流石の腕前だ」

けしかけた生き物?たちが続けて倒されたにも関わらず、楽しそうなサンゴ。

だが……と同じく亀の上で腕を一振りし、亀を消すと共に武器を送りながら

「自分の武器をそうやすやすと投げるもんじゃねぇよ。その隙に攻撃されたらどうするつもりなんだ」

と忠告してくる。……痛いところを突かれた……

「存外親切なのですね」

「あぁ、つい〝アイツら〟を思い出して……いや、これは関係の無い話だったな。」

どこか喧嘩腰の栗出さんに、酷く懐かしげな顔をしたサンゴ……ここでこうやっているのもなにか訳があるのかも知れない


「そんなことはどうでも良いさ。さあ、次は三戦目。これで半分だな!」

……え、半分?あ、でも5戦ならそうなのか……なんだかあっという間だったな

戸惑う僕らを気にも留めずにサンゴは続ける。

「三戦目の相手はコイツだ!お前らの〝絆〟を見せてくれ!」

鳥……亀……とくれば……


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