0話。
※この閑話は、後から追加したものになります
次話より雰囲気が変わっていますが、その点はご了承下さい
ーーそこは、真っ白な部屋。そして、その中心には、怪しげなローブを纏った人影が集まっていた。
ぼくらと、この“門”以外は何も無いこの部屋で、幾度となく繰り返した作業を進める。
ーー怪しげな集団の中心に立った黒いマントのフードを目深に被った少年は、目の前の鏡に手を伸ばす。
“彼”と、残されたメモに教えられた通りに門に魔力を流し込む。
すると、いつものように門には大きな幾つかの景色と、その他多くの景色が、この世界とあの世界を繋げるかのようにいくつも重なって丸く浮かび上がった。
「今回は、彼らにしようか」
ーー僅かに見える口元を、希望か、絶望かに歪ませる少年に、黒ローブ達は恭順の意を示す。
「фЛωд」
ーー少年が何か呟きながら手に持った小さな紙片を握りしめると、鏡に映った景色。その中に居た数人が眠りに落ちる。
もう……良さそうだ。
再び門に手を翳すと、彼らの足下に水のような門が現れ、彼らだけを呑み込む。
ーー瞬く間にこの部屋の空中に幾つもの先程の水の門が現れ、ボトボトと呑み込んだ人達を落とし、消えた。
突如出て来た彼らは、誰の例外もなく、喉を掻きむしり、口をハクハクさせ、まるで空気が無くなったかのように苦しんでいた。
そうだ、適応させないといけないな。
ーー少年が徐に手を翳すと、その手から苦しむ彼らの心臓付近に黒い光が飛んでいく。
黒い光が心臓に吸い込まれると、彼らは静かに寝息を立て、穏やかな表情で眠りにつく。
「これで……今回で終わりだと良いけど……」
ーー何かを憂うように呟いた少年は、雑念を首を振ることで振り払い、指を鳴らす。
そうだ……ダンジョンに彼らの姿は合わないからね。ここに居る間だけは、見え方を変えよう
ーーすると、制服からスーツ、私服と、多種多様だった彼らの服が、麻で出来ているであろう薄茶色のシャツとズボンに統一された。
「さあ、ゲームを始めようか」
ーー少年が腕を一閃すると、1人の黒ローブを残して、怪しげな集団も、少年も、“門”と呼ばれた鏡さえも、まるで何も無かったかのように消え去った。
1人残された黒ローブは、そっとローブを脱ぎ、眠っている彼らと同じ麻の服になると、己の髪と瞳を染め、紛れ込むように眠りについた。
癖を出したくて書き始めました!
めちゃくちゃ初心者ですが、生温い目で見守って下さるとありがたいです!