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16話。解決への手がかり

好きなことには饒舌になる凛……

目の前に広がる光景に唖然とする。……普段行く図書館でもここまでの規模のものは見たことないな

「これは……凄いですね。」

「ここから手がかりを……難しくないですか?」

医学書などに絞ったとしてもどれだけの時間がかかるか分からず、頭を抱える。

「……あった……」凛?


「どうしましたか?」

「日本十進分類表とはちょっと違うみたいだけど……この表があれば……ちょっと近いみたいだし……本棚の位置にも対応してる……」

入り口付近の机に置かれた大きな紙二枚をとってなにやら呟きだした凛。

「ど、どうしたの?」

恐る恐る尋ねると、今までに無い笑顔で説明してくれた。

「こっちの表が分類表っていって……元の世界にあった日本十進分類表と似てるんです……これは……本をジャンルとかで分けて見つけやすくするみたいな感じ……です」

見せてくれた表には、0類~10類という分類と、そこからさらに01~99まで細分化した分類が載っていた。

結果、3桁での分類がされているようだ。

「でも……日本十進分類表は9類までなんだけどな……」

凛の言葉を聞き、もう一度見ると、10類は“魔法”とされており、非現実感を醸し出している。


その後、僕らはそれぞれで、“医学”“魔法”“歴史”の棚を調べることにした。1つの分類でもいくつもの棚に渡って本が並んでいるが、ザッと見て回るだけなら問題なかった。

歴史の棚に行き、なにやら不思議な文字が背表紙に書かれた本を手に取るが、中の文字は読み解けなかった。

「な、なんなんだ……これ」

思わず呟くと、近くの“魔法”の棚で探していた凛が考え込みながら応えてくれた。

「こっちも……読めない字が並んでます……さっきの表は読めたのに」

そういえば……と改めて近くの本棚から読める題名の本を探すと、1つだけ見つかった。

横を見ると凛も一冊見つけていたようだ。


月熾さんと合流し、読めた本を見せる。

月熾さんもそんな本をいくつか見つけていた。

凛の見つけた本は“魔女から見る昔の魔法科学”

僕の見つけた本は“歴史上に存在する魔女たち”

月熾さんの見つけた本は“言い伝えの魔女の正体”と“ゆうしゃとまじょ”

月熾さんが持ってきた絵本は、近くの文学の棚の1つで見つけたらしい。

全部に共通するのは“魔女”それと“言い伝え”や“御伽噺”……

「ここまであからさまに“魔女”の存在を匂わされると、手がかりは“魔女”にありそうですね」

月熾さんが並べられた本をパラパラと読んでいる。

僕も……と自分の見つけた本を手に取る。

その本には、遙か昔に“魔女”が実際に存在していて、その存在は現代に至るまで扱いは変われど、確かに存在し続けてきた。というような内容が書かれていた。

月熾さんの〝言い伝えの魔女の正体〟を読むと、疫病や伝染病を〝魔女〟としてきたのではないか。というどこかで聞いたような話があった。

凛の〝魔女から見る昔の魔法科学〟も、ジャンルは違えど似たようなことが書かれている。

「この絵本……似てる。文学系とかの伝承系で色々ありそう」

なにが似ているのかさっぱり分からなかったが、凛に言われるがまま、3人でその棚を探すことになった。


他の分類の棚とは違い、文学の中でも伝承文学や昔話が集まっているらしい棚には、僕らが読める本がいくつもあった。

取り敢えずめぼしいものを回収して、また1階の机の上に広げる。


パラパラという音が静かな図書館内で響く……

サラッと読んだところ、書き方は違えど昔話のものは内容がほぼほぼ一緒だった。

ーーそれは、昔々、幸せに暮らしていた村人達を魔獣が襲い~から始まる勇者の冒険譚。

絵本のような形から、歴史書のような形まで、様々な形状でその物語は収められていた。

冒険の内容や登場人物、旅などは物語によって違ったが、共通したのは“魔女”と“勇者”。

魔獣を操り、世界を支配しようと企んだ“魔女”が、企みを見破られ、“勇者”に倒されるまでのお話。


「どれも大体一緒ですね」物語によくある冒険譚。……歴史の1つとしても描かれていたのは驚いたけど。

「ええ。確かにそうです。ですが……」

月熾さんは言い淀む。なにかあるのかな?

「……この中で重要なのは、“魔女”にそうとしらず接していた人達の様子が可笑しくなっていった場面。でしょう。」

「確かに……ある程度は同じ行動をするけど、少しずつ食い違う部分が出てくる……執事さんがおっしゃっていたこととも……一致します」

二人の話にもう一度1つの本を見ると、勇者がメインだからか、少しだけだが確かにそんな記述が見られた。

「じゃ、じゃあ本にあるように魔女を倒したら解決しますか?」恐る恐る尋ねる。

「ええ。恐らく。ですが俺たちは今回の魔女の居場所を知りません。」

……だめか。他に何か手がかりは……

その後も色んな本を調べてまわるが、これといった情報は得られなかった。


わりと時間がかかったので、1度部屋に戻って合流しようという話になった……が、僕と凛は来た道を覚えていなかった。

「すみません……」

「大丈夫ですよ。一階層でもマッピングしてましたし、こういうのは慣れてるんです」

月熾さんがいて助かったぁ……ほっとしながら月熾さんに着いていくと、元の部屋に戻っていた。いつの間に……


部屋の中に入ると、他のグループ?はもう集まっていて……なぜか二人、古梓さんともう1人男性によりうつ伏せに抑えられている人達が居た。

「ど、どうしたんですか?」

困惑した様子の月熾さんに、栗出さんが冷静な声で返す。

「いくつかのグループに分かれて館内を調べてまわっていたのですが、このお二方は急に倒れたかと思うと、その後直ぐに起き上がったそうです。」

それって執事さんが言ってた……

「いっくら止めても外に出て、穴を掘ろうとするから抑えてたんだよ」

穴を?

「そのことなんですが、似た事例を図書館で見つけました。」

月熾さんが魔女と勇者の御伽噺について話す。実際に歴史上に存在していたとされている。というと、皆驚いているようだ。


「なるほど……執事さんの話より可笑しくなるのが早いのは気になりますが、下になにかあるのは確実なようですね」

最初に可笑しくなった使用人さんも地面を見つめてたらしいし……そうだよな

「もしかしたら、魔女がいるのかもしれないな」

「そんな……ねぇ、玲谷。もし……魔女がいたとして、どうしたら皆元に戻るんだろう……」

「咲……」不安げな瞳で此方を見つめてくる。

確かに皆のことが心配だよな……

「う~ん……多分魔女を倒せば良いんだろうけどなぁ。」

「俺もそうは思うんですが、問題はどの物語にも〝勇者が魔女を倒したら、操られていた人が元に戻った〟という記述が無いんですよ……」

月熾さんの言葉に、いくつかの本の流れを思い出す。……確かに、勇者が魔女を倒して世界が平和になった。という結末ではあったが、元に戻った描写や、操られていた人が居る村のその後の描写も無かった。

つまりは……

「……そうとは、限らんのちゃう?」

色奈!?大丈夫なのか……?弱々しく微笑む色奈に、思わず声を掛けようとするが、

「〝予言者〟のウチがいつまでも弱ってる訳にはいかんやろ?」

吹っ切れたように続ける色奈にあっけにとられる。……強いなぁ


そんなことを考えていたせいだろうか。色奈が役職を告げたことも、それを聞いて密かに口角を上げた人が2人居たことも……気づくことは出来なかった。

不穏になって参りました……(どうやって回収するのかは決まってません。)


ここまで読んでくださり、ありがとうございます。よろしければ下の☆マークを1つでも押していただけると作者のモチベーションに繋がります!(もし気になればブックマークもして頂けると嬉しいです(o_ _)o)

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