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いつのまにか、懐かれました。懐かれた以上は、私が守ります。  作者: 水無月 あん


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4話 ひっこまない!

よろしくお願いします!

私をあざわらった少年は、シャープで整った顔立ちだが、目つきの鋭さがすごい。

なんというか、私のまわりにはいないような、荒んだ雰囲気を全身から醸し出している。

しかも、背が高く、威嚇するように、上から私をにらみつけてくる。


が、私は少しも怖くない!


だって、普段から、体の大きいアール兄様や護衛の人たちを相手に訓練しているからね。

体格の違いには慣れている。


でも、背後の子どもの安全を確保しながら、相手を傷つけずにおさめるにはどうすればいいだろう?

実践は始めてだから、そこだけが気になるところ。


もうすぐ護衛の人が家のまわりの確認にまわる時間だ。

それまで、事を荒立てず、背後の子どもを守りながら待つべきか…。


などと考えている私の顔を、少年がじっと見て言った。


「へえ、女なのに、根性すわってんな? そいつとは大違いだ。それと、その赤毛、小さい子どもじゃなくて、俺と同じ年だ」


ええ? 同じ年?! 


うずくまって泣いている子どもの顔は見えないけれど、シルエット的には子どもに見える。

それとも、目の前の少年が、年よりずっと老けてるんだろうか…。


2人は、一体いくつなんだろう…?


「だから、変な正義感ふりかざすに、ひっこんでな。ケガしたくないだろ、お嬢ちゃん」

挑発するように言って嫌な笑みを浮かべた少年。


カッチーン! 


こんなバカにされて、ひっこんでなんかいられない。

護衛が来るまで待つという選択肢はない!


「私はひっこまない! 小さい子どもじゃなくても、泣いている人を放っておくことなんてできない!」


と、その時、

「やめてっ…!」

背後から小さな声が聞こえた。


振り返ると、赤い髪の毛の子どもが私のほうを見上げていた。

大きな目は涙でうるんでいる。


女の子みたいな顔をした少年だ。


やっぱり、どうみても、私より年下みたいだけれど…?


「ぼくは大丈夫だから…」

泣きながら、そう言うけれど、手はがっしりと私のトラウザーズのすそをにぎっている。


「私はね、騎士になるために、しっかり訓練してる。泣いている人を放っておけない。私にまかせて!」


「はああ、女なのに、騎士?! そんな小さいのにか? なら、その腕前みせてみろよ。一対一の勝負だ」


「いいわよ。どうやって勝負するの?」


「おまえはその剣を使っていいぞ。俺は素手で十分だ。おまえになんか、負けるはずがないからな。おまえが勝ったら、俺はおまえの言うことをなんでも聞く。で、俺が勝ったら、そうだな…。そこの赤毛が俺に払うはずだった金をおまえが払え」


私は、すぐさま後ろを振り返り、うずくまる少年に聞いた。


「君、お金を借りてるの? あのね、どれだけ困っても、こんな胡散臭い人にお金を借りちゃダメだよ」


「借りてないです…」

そう言って、少年は激しく首を横にふった。


え、じゃあ、なんでお金を払わないといけないの?


「おいっ、だれが胡散臭いだと?! なめてんのか、こら?!」

ガラの悪さ満載で、目の前の少年が大声でどなった。


後ろの少年が、ヒッ!と声をあげたのが聞こえた。


ああ、もう、そんな大声をだしたら、怖がるじゃない!

よし、一気にカタをつけよう!




読んでくださった方、ありがとうございます!

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