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いつのまにか、懐かれました。懐かれた以上は、私が守ります。  作者: 水無月 あん


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18話 怖い?

今日、6回目の更新です。

ふりかえった私に、ふわっと微笑む従者のルド。

そう、ルドは3か月どころか、あれから2年、ずっと私の従者をしている。


そして、いつものように、私の髪をしっかり束ねてリボンで結んでくれたのは、もちろんルド。


いつもは、赤いリボンで結んでくれるんだけど、今日は濃い青色のリボン。

なんと、ルドが、この日のためのリボンを用意してくれていた。


騎士服と同じ濃い青色で、光沢がある美しいリボン。しかも、裏側が赤色!


「ルドって、本当に赤が好きだよね」

そう言いながら、お母様にリボンを見せると、お母様は妙な顔をして、つぶやいた。


「すごく素敵なのに…。なんとういうか、怖いわね」って。


リボンが怖い? なんでだろう? 

 

まあ、こんな感じで、この2年の間に、私の持ち物は赤い色のものがやたらと増えた。

どれも、ルドに用意してもらったもの。


なので、人に、「赤い色が好きなんだね」とよく言われるようになった。

すると、不思議。いつのまにか、自分でも、赤が一番好きな色だと思うようになってしまったんだよね。


そして、その私の好きな赤い色をしたルドの髪は、今日もふわふわ。

私同様、2年たっても身長はあんまりのびなかったルド。庇護欲をそそる見た目はそのままだ。


そして、やはり、人のまとう色は見え続けているルド。

以前よりは、人の色を受け流すことを覚えたみたい。


でも、たまに、ルドにとって怖い人と、外出先で遭遇することがある。

そうなると、ルドは目をうるうるさせて怯える。


私は、すみやかに、対象人物からルドをかばい、連れ帰る。


家族や屋敷で働くみんなも、その光景は、すでに見慣れたもの。

なので、ルドは私の従者で、私がルドの護衛だと認識されている。


そして、なんといっても、この2年で、ルドの優秀さは、ますます磨きがかかった。


例えば、魔石。私があげた魔石がきっかけで、今では、ルドは魔石の研究者のよう。

いろんな魔石を調べ、取り寄せて、私のために使おうとする。


たとえば、剣以外に興味のない私は忘れ物をよくする。すると、私が使うバッグに小さな魔石がぬいつけられた。

もちろん、ルドだ。

どこにあるのか居場所を教えてくれる魔石だそう。


これがなかなか優れモノで今は手放せない。


シュバイツ商会から発売されると、たちまち、この魔石つきバッグは人気商品になった。

でも、私のバッグにつけている魔石は、売られているバッグの魔石とは違う。


だって、ルドが私のために選びに選んだ魔石をつけてくれているから、より高性能なんだよね。


こうして、ルドに助けられているのは、なにも私だけではない。

私の家族や屋敷で働くみんなも、今では、ルドに頼りまくっている。


というのも、仕事で不便なことや、困ることがあれば、ルドにどうにかならないか、と相談する。

すると、ルドは、効率よく仕事をするためのアイデア、システム、道具を考えてくれる。

しかも、望む以上の方法を示してくれるルド。


こんな感じなので、私の従者だけれど、うちの屋敷では、いつも、ルドは忙しそうにしている。

もはや、うちの子爵家をルドが支えているんじゃないかと思うくらい。


お父様は、そんな優秀なルドを見て、いつもこう言う。

「ルドはマチルダの従者なんかやめて、王宮で文官になったほうがいい。その頭脳を国のために使うべきだ」


その都度、ルドはこう答える。

「とんでもありません! ぼくは、マチルダ様の最高の従者を目指していますから」


そんなルドの返事に、お父様は、「もったいなさすぎる」と、嘆いているんだよね…。


連続して更新していますが、よろしくお願いします!

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