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第98話 占い師。向いていました!

☆☆☆終わらない列


占いが終わり一息つく。これで終わり。ずらかるか……


机の下にいるメルが話しかけてきた。なんでお前そこにいるんだ……


「ほんと凄い。短時間で彼女の悩み解決しちゃったよ……」


「あくまでこれは相手の心理を利用しただけだ。彼女の場合仲直りをすることは最初から決めていて、その一押しが欲しかっただけなんだる。だから『占う』って形で解決したってことだよ」


「なるほど、やっぱり、相手の心理って理解するの難しいんだよね。それでも凄い、自分君のこと少し見直しちゃったよ。嫌だけど」


「なんで嫌なんだよ。かっこいいならいいだろ」


「だってー君がかっこいいって知られちゃったら競争相手増えるじゃん……」


そういうこと言われると照れるだろう……あ、これ一応デートだったか。


「……とりあえず、ここから離れ……え!」


「え? あれ、なんでこんな人が並んでいるの……あぁ~~そういうこと」


メルと話していて気付かなかったが、机の向かいに長蛇の列ができていた。恐らく先ほどの、お悩み相談を聞いていたのだろう。


彼女の反応を見た周りの相手が『ここの占いは当たると』と感じ列ができたと……


「あの! まだ占いやっていますか! 私悩みがあるのです!」


一番前に並ぶ女性に話しかけられる。


「「……えぇ……」」


とんずらしたいのに、この列じゃ逃げるに逃げられない。


「……さぁお座りなさい……それでは占いましょう……」


魔法で水晶を光らせてその後も占うことになってしまいました。


☆☆☆来客者たち


適当に占ってある程度の解決方法を提示してきた。


「では次の方どうぞ」


するとよく見慣れた相手であった。


「…‥俺はある悩みを抱えているんだ。最近娘同然に育ててたやつが、最低な男に引っかかってんだよ」


……ドビーなんでこんなとこ来てんだよ。


どう見てもジエイミに対しての悩みだし、その最低男はどう考えても自分だ。


しかし、こう言う厳ついタンク役も占いとか利用するんだな。そこが衝撃だわ。


客は大体、女性が占めていたが、若い男も相談に乗っていたこともあった。


ドビーみたいな客は正直初めてだ。


「なんか……売れない吟遊詩人みたいなちゃらんぽらんなやつを……いや、まだ付き合ってないのだが……ちょっとなあ……父親面するわけではないんだが……あんな奴にはなあ……」


自分。売れない吟遊詩人だと思われてたのか、まあ……仕方ないか、弱いし。


「それでは占ってみましょう……」


水晶を光らせる。


「とにかく彼女のことを信じてみることから始めましょう。身体を動かせば悩みだって吹っ飛ぶはずですよ! 走りこんでスクワット千回です!」


ドビーは脳みそ筋肉でできてそうだし適当にやらせとけばいいだろう。


「分かった! スクワットしてくるぜ! うおおおおお! 千回だ!」


そのままドビーは走り消えていった。


よし次だ次。早く終わらせてデートの続きをしなければ! 


「次の方どうぞ!」


「最近面白いネタが浮かばないんですよ。私がメイドの土産って言っても誰も笑わないのです……でゅふふふ……ぶはっははっは! 冥途の土産って……ぶっふっふ! どうしたら! ぶっふっふ! いいですか!」


メイドさん……なんで来てんの。自分が言ったネタで一人笑っているのは完全に不審者のソレだ。


「ネタはあなたがお手製で作ればいいじゃないですか、それがメイドのお手製。所謂『メイドインメイド』なのですから」


大喜利じゃないんだから……


「ぶっはっはっはっぁ! ありがとうございます~」


満足したのか帰っていく。その後にも知っている顔が出てきた。名を伏せておくが……


「胸が大きくならねーんだよぉ!」「腕立て伏せしてください」


どこかで見たことある、胸の小さなアイドルがやってきた。


「前男性に体重が重いと言われまして……」「そいつが貧弱だっただけです」


どこかで見たことある、重めのアイドルがやってきた。いや、重くない自分が弱かっただけである。


「お姉ちゃん! 最近肩が凝って!」「仲間にマッサージしてもらいなさい」


どこかで見たことのある、胸の大きなアイドルがやってきた。


「あ! 私とかどうですか胸マッサージしま――ぐがぁ!」


最推しを前にしたメルの暴走をキャンセル。


短時間で多くの相手の話を聞いたので結構疲労が溜まる。相手のたびに性格とかを判断して占うのは大変だ。


途中一言で終わらしていたし大分骨が折れた。しかしそのおかげか列はみるみる減っていく。漸く終わりが見えてきたぞ……


さて次で最後だ……あれ、鎧をまとっている。どこかで見たこと……って!


「す、すみません」


この声は……え? 嘘……だろ? 動揺を隠せない。ローブがあって助かった。


「こちらで占いをやっているとお伺いしまして……」


紛れもない勇者ジエイミ・メダデスであった。


……え、ジエイミ……? なんで占いに……



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