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第96話 占い師。暴走!

☆☆☆衝撃の事実


こいつ占い師どころか無職だったのか、ついに自白した。マジで最低だぞこいつ……


カップルにあることないこと吹き込んで喧嘩させるとかゴミみたいな迷惑行為だ。衛兵にでもつき渡せばどうにかしてくれるだろう。


隣のメルに負けないくらい酷い。ほんと……


「……なんで、私とコレ比べてんのよ! 流石に失礼だよ私が!」


バレてましたか。


「うわあぁぁぁぁあ! 彼ピぽちいよぉぉぉ!」


延々と泣き喚き机を乱暴に叩き出す。異世界版台パンだな。


これじゃあ水晶が落ちて割れてしまうぞ、罪もない水晶が割れるのはあまりにかわいそうだ。結構高かっただろうに……仕方がない。


「はぁ……まだ気づいていないようだな。あんたには恋人を破局させる行動力があるんだ。その行動力を恋人に作ることに割いてみてはどうだろか、破局させるより、作るほうが簡単だぞ?」


どう見ても破局させることのが簡単であるが。まあそう言うことにしておこう。


「ほんと?」


「そして、恋人同士を破局させてきたということは、経験上破局させない方法も熟知したはずだ。つまり、恋人さえ作ればあんたは一生その相手と添い遂げることができる」


「な、なにいいいい!」


乗ってくれた。


「つまり、顔がよくてお金持ちで私の言うこと聞いてくれる優しい彼ピを恋人にすれば、その人と別れることがないってことじゃん! すごい!」


ずいぶん調子のいいやつめ。あんたみたいなやつ死んでも選ばないと思うが、


「あぁ、そういうことだ。これからは恋人達を破局させることなんかやめて、自分自身が運命の相手と巡り合うことに人生を使えよ」


「わかったー! 私占い師やめる! 運命の人に巡り合うううう!」


そもそも占い師でもないだろあんた……


「おらあああああ!」


そう言いながら水晶空に投げ飛ばす。ええ……もったいない。


「待ってろ! 運命の人よおおお!」


ローブを脱いで空へ投げた。風が吹き上空へとローブは靡いていく、そのまま占い師は自分達に目もくれず走り去り消えていった……


「おっとっと……キャッチ!」


メルは落ちてきた水晶をキャッチして、机に置いた。


☆☆☆占い師はいなくなった


「はぁ……嵐のような奴だった。あんなのが王都に群がればこの国はもう終わりだ。勇者とか魔王に関係なくな!」


「しかし、よく解決に導いたね……案外占い師向いてるんじゃないの?」


メルは素直に感心していたようだ。


「割とその場で適当に思いついたこと言っただけだぞ。深い意味なんて全くない。ああいうタイプには少し希望を持たせてやれば、簡単に考えを変えさせることができるんだよ」


「だけど、それ見抜く自分君すごいなぁ……真似しようとしてもできないよ、人を見る目……すごいね」


褒められて悪い気はしないけど、これは生き抜くために必要なことであったわけで……


「まぁ、できなきゃ、メルとも巡り合うことはなかったんだろうな。でも観察眼はメルのほうが余程優れているだろう……って、うわぁ! なんだこれ!」


占い師が脱いだローブが風で揺られ自分に纏わりつく。ちょうどサイズが合い見事に占い師の出来上がりである。


「あっはは! そんな被る偶然ってある~? これじゃほんとに占い師じゃん。ちょっと、その辺のやつら占ってみれば~? 稼げるよ!」


こいつこの状況を楽しんでやがる。まったくもって冗談じゃない。


「誰がこんなめんどくさい商売やるかってんだよ。それに占いってのは事前の情報が……」


「あの、すいません~」


「え?」


どこにでもいそうな普通の女性が声を掛けてくる。


「ここで占いをやっていると伺って……」


……あ、そういうことか。格好と水晶で占い師と勘違いされているんだ。


「っプ……ぶぶぶ……」


メルはこの状況で笑うのを必死に堪えている。今にも吹き出しそうだった。


おい、一応これデートなんだぞ、ええんかか? メル! 完全に脱線しているけど。


「いや、今閉店しようかと思っていたところでして……今日はこれにて」


まあ、自分は占い師じゃないので適当にはぐらかして……


「その! どうしても占ってほしいんです! 私と彼の運命を!」


うわ、これ結構めんどくさそうだな。解決するまで返してくれない奴だ……仕方がないな。適当に回答すればいいだろこんなもん。


よし。やるか!


「……話してごらんなさい……」


なんとなく占い師のような怪しさを醸し出し、水晶を両手で覆い光らせる。とりあえずこれを終わらして自分はとんずらするぞ!



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